ヴィットーレ・カルパッチオ(カルパッチョ)

2009.11.29の記事より

ヴィットーレ・カルパッチオ(カルパッチョ)(Vittore Carpaccio, 1455?-1525?)はイタリア、ルネサンス期のヴェネツィア派の画家。私が最も好きなのは、「聖ウルスラの夢」(聖ウルスラ伝、全9せ作の1つ)です。壁の微妙な色合いや、室内装飾、そして夢をテーマにしたところなどが個人的には気に入っています。ちなみに、ウルスラさんは、英国の王女で、ローマ巡礼の途中でフン族に殺害されたという聖人です。
聖ウルスラの夢

次に、カルパッチオで最もミステリーとされている絵画、「ラグーナの狩猟」「二人のヴェネチア婦人」(元は高級娼婦というタイトル。ラスキンによって19世紀に間違った名前で紹介された)の2点です。これは、もともと別の絵画だと思われていたのですが、実は1枚の絵画(扉絵?)だったという作品です。
下の合成図はクリックで拡大します。
ラグーナの狩猟と二人のヴェネチア婦人
上のほうが、アメリカのゲッティミュージアムにあり、下がヴェネツィアのコッレール美術館にあります。ラグーナのほうは、さらに裏側がレターラックのトロンプ・ルイユ(Trompe-l'œil、騙し絵)になっており、イタリア現存最古の騙し絵になっているとか。上下でバックの色があってないんですが、(本当は同じだと思う)左の接合部、花と花瓶の部分がもともと1つの画像だったと推測しやすいポイントの1つかと。

婦人図下方の犬の絵が切れていますし、左半分もさらにあると言われています。いつか発見されるといいですね〜。

参考サイト 1, 2