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日本磁器誕生・有田焼創業400年 「400年 有田の魅力展」

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東武百貨店 池袋店 8階催事場 にて、 2016年6月23日ー28日(火) まで開催中の有田焼の魅力と歴史を紹介する展示に行って参りました。こちらは、閲覧は無料です。私は、子供の頃から、陶器市にはよく家族で行っており、自然と焼き物に興味がありましたが、有田(佐賀)、波佐見(長崎)の陶器市は、悲願といいますか、遠くてなかなか行けないこともあり、東武さんの展覧会で、少しその気分が味わえるのが嬉しい限りでした。展示は、 人間国宝の井上萬ニ、15代柿右衛門、14代今右衛門、各氏 から、現代有田の名匠と言われる作家たちの、美しい作品の展示販売や、 有田焼の歴史 を紹介するコーナー、そして、陶器市の気分が味わえる親しみやすい、 おてしょ皿 の販売コーナー、そして、佐賀県の日本酒試飲コーナー(これは有料でした)もあり、盛りだくさんの内容でした。 現代有田焼の名匠コーナー さて、一番知りたかったのが、有田焼の歴史でした。 それぞれ、すばらしい「 有田陶磁美術館 」からの古い磁器が展示されていました。 まず、最初に、 唐津焼 があり、これは李朝の技術導入期の初期のスタイルだそうです。 (唐津焼の展示はありませんでした。) 1610−50年 初期伊万里様式  ー 日本初の磁器の様式 。色絵の技術なし。荒い仕上がりですが、これがたった40年程で、古九谷の色絵様式になったそうです。 1640−50年 初期色絵(古九谷)様式ー日本初の色絵技術の誕生。 1670ー年 柿右衛門様式 1690年 古伊万里金襴手様式  柿右衛門と、古伊万里金襴手は、マイセンにコピーされ、研究されたそうです。(マイセンの柿右衛門風の作品が展示されていました。高い技術で驚きます。) マイセンができるまで、ヨーロッパには磁器がなく、中国、朝鮮、日本にしかなかった のですね。すごい話です。磁器の事を英語でチャイナというのもうなずけます。 あと、上の様式とは分けて考えるべきなのが、 1650年代後半〜の鍋島様式 で、これは主にお殿様用の高級磁器。 高台が非常に高く、櫛形の文様(縞模様のような模様) が描かれているのが特徴的だそうです。こちらも展示がありました。色絵のものもありましたが、日本人好みの渋い磁器という印象でした。 鍋島様式 高台の模様に注目です 佐賀という

カラヴァッジョ展 Caravaggio

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2016.3.1-6.12 国立西洋美術館にて  公式サイト ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ(1571-1610) の世界初お披露目の絵画を含む、約10点(正確には12点でうち1点が「帰属」扱い)が西洋美術館に来ておりました。現存は60点程と言われていますので、6分の1が上野に来たわけです。。すごい事です、本当に。日伊国交樹立150周年記念ありがとう!です。 そして、またまた会期後のレポで恐縮ですが、、実は、前売りを2月に購入しておりました。たしか4月に西洋美術館へ行ったのですが、修学旅行?の学生さんがたくさん並んでいたのを見て、その日は断念し、別の美術館へ行った記憶があります。今思えば、正しい判断だったのかどうか怪しいですが、コルビジェの建築物である西洋美術館が世界遺産に登録された事を記念し、会期末には、平日でも20時迄のオープンとなり、ラッキーだったかもしれません。 法悦のマグダラのマリア1606年 この展覧会、今年見たい展覧会ベスト5に入っておりました。やはり、カラヴァジョ、圧巻の一言に尽きました。見れて本当によかったです。。一番はっ、として寒気さえ感じたのは、世界初公開の 「法悦のマグダラのマリア」1606年 油彩・カンヴァス、個人蔵です。何がはっときたかと言えば、その気配というか、霊気ただよう、ただならぬ迫力のマリアの顔つきです。幽霊画か!?と思う程の恐ろしさが漂っていた様に思います。そしてこの絵画、最後に逃避行の末にカラヴァッジョが亡くなったときに所有していた絵画のうちの1枚とされているとのことで、その辺の来歴なども鳥肌がたつ理由の1つかもしれません。 カラヴァッジョの作品で美術史上、最も有名なのは、 「聖マタイの召命」(1600) ということになっていますが、この作品は来ておりません。この作品は彼の評判の出世作で、ルネサンスを飛び出し、バロック絵画の扉を開いたとされる、強い明暗で描かれた絵画です。カラヴァッジョといえば、その後、 カラヴァッジェスキ (国を超えたカラヴァッジョのフォロワーのような、彼のスタイルの追従者。ナポリとユトレヒトでさかんだったそうです。)を産んだ訳ですが、それ程、この「聖マタイの召命」はセンセーションをおこしたわけですね。しかし、有名なエピソードでご存知の方も多いと思いますが、展覧会に

映画2本「アイリス・アプフェル」「アドバンスト・スタイル」

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この2本の映画について、短くまとめて言うなら、ニューヨーカーのおば(あ)さま達が自分のファッション・スタイルを貫く様を追ったドキュメンタリー、でしょうか。 見る順番としては、「アイリス」->「アドバンストスタイル」がよいでしょうか。(監督はそれぞれ違います。)「アドバンスト」にもアイリスはちょこっと出てきますが、「アドバンスト」はおばさま7人の群像劇(ドキュメントですが)。アイリスはアイリス・アプフェルという御年94歳のファッショングールーのようなおばあさまのドキュメントです。実は、私、まちがって「アドバンスト」から観てしまいましたが、順番は「アプフェル」を先に観るのがよいかと。しかし、米国のドキュメンタリー、流行していますよね!しかも、埋もれた人材発掘的な内容が多い。すごくおもしろいので、皆が飽きる前にどんどん作って欲しいですw 「アイリス・アプフェル! 94歳のニューヨーカー」 (以下ネタバレありなのでご注意) NY大で美術史を学び、アートスクールにも進学し、室内装飾で生計を立てていたアイリスは、ファッションが好きで、若い頃から、自分の目で洋服やアクセサリーを選び、コレクションしてきた。仕事の関係でヨーロッパを行き来するうちに、その室内装飾/ファッションのコレクションもさらに充実、倉庫を借りるまでになる。84歳となったある日、うわさを聞きつけたメトロポリタンミュージアムの学芸員が、ファッション企画展にそのコレクションを使用したところ、口コミでその独自さ、コレクションのすごさが広がり、アイリスそのものにも注目が集まるようになる。アイリスのファションは有名ファッションブランドのものに限定されておらず、チープな店、古着屋、蚤の市、エスニックショップなどで調達されたものも多く、その多様性に、心底ファションが好きなのだという事が伝わってきます。彼女のファッションは、多分、東京の人からすると「どハデ」(でも、下品ではありません)。断捨離とは無縁。「 私は発掘をしているのよ 」と発言し、今でもその購買欲は健在。トレードマークの大きな眼鏡、ジャラジャラ大きめのアクセサリー、見事な刺繍の服、等々、大阪のおばちゃんでも太刀打ちできない程の派手さなんですが、不思議に似合ってるんですよね。。不思議です。映画では、もうすこし、説教臭くてもいいので、94歳のファ

我孫子市鳥の博物館 - フクロウさんちの子育て日記展

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フクロウさんちの子育て日記展 は2016年6月26日まで。 5月の末に、安孫子の鳥博物館へ行ってきました。安孫子の鳥博物館の近辺は、手賀沼(てがぬま)という風光明媚な沼があり、民藝や白樺派の作家が移り住んだ場所としても有名です。ちょうど、 白樺文学館では、常設テーマ「民藝運動と我孫子」 が展示中でした。その向かいには、 志賀直哉邸の跡地 (書斎のみ残っています)があります。因みに、志賀を手賀沼の地に引っ越す様にすすめたのは、先に移住していた、 柳宗悦 だったそうです。途中で休憩するお店としては、近くにある、日光の天然水を利用したフワフワかき氷で有名なお店「 吉岡茶房 」さんを目当てにしていたのですが、イベント出店でお休みでした。。残念。 このブログのタイトルにも「鳥」をつける程、詳しくはないのですが、私はけっこう鳥が好きですw フクロウは家の庭にも来る事があり、この展示を観たいなと思って行ってきました。フクロウの生態もおもしろかったのですが、手賀沼の鳥達の剥製展示もあり、あら、「スズメ」だと思っていた鳥が実は「 オオジュリン 」だったかも、、と、身近な鳥たちの事が少しだけ分ったような気になりました。珍しい外国の鳥を紹介する博物館ではなく、身近な野鳥の博物館です。因に、野鳥園ではないので、生きた鳥はいません。小さめのスペースでしたが、ロケーションがよいし、子供達と行くのによいかと思いました。 手賀沼 最寄り駅は、常磐線か千代田線で安孫子なのですが、千代田線だと止まる駅数が多いので、お急ぎの場合は、常磐線がお勧めです。あと、私は柏から歩いて、手賀沼を散策しつつ向かいました。片道5キロくらいかな?と思います。関東も梅雨入りしてしまいましたので、歩くのはちょっとためらわれるかもしれませんが、晴れていればなかなか気持ちのいい道です。 あと、本筋から外れますが、柏駅前には、2016年秋で閉店との噂のある、そごう屋上にある、回転する展望レストラン、「 ホテルオークラ桃源 」さんもあります。中華料理のお店です。こちらは、ランチで行ってみました。ゆっくり回るんですが、しゃべっていると、意外に早く感じました。回転レストランを一度是非体験したい!と思っていたので、とてもよかったです。そして、そごうの建物がメルヘンなデザインでかわいい、と思いました。閉

ブラジルの大地と家族の記憶 大原治雄写真展ー新宿伊勢丹アートギャラリー

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伊勢丹新宿店5Fアートギャラリー 2016年6月1日(水)~7日(火)  午前10時30分~午後8時 後援:ブラジル大使館 協力:モレイラ・サーレス財団 伊勢丹アートギャラリーへのリンク 展覧会のポスター。一部撮影可能でした。 先日、高知県出身のブラジルの移民、大原治雄の個展の話 を書きましたが、東京巡回はないものの、伊勢丹新宿店のアートギャラリーで個展が行なわれております。会期が短いので、さっそく行って参りました。実物が是非見たいと思っていたので、よい機会でした。展示点数は、30点程だったでしょうか?ヴィンテージプリントではなく、8x10インチ程のサイズでの、インクジェットプリントの展示でした。販売もされています。確か1点7.2万円。サーレス財団の保証書付きで、各10部限定とのことでしたが、これはいわゆる写真のエディション販売とはちょっと違うのかもしれません。詳しく聞かなかったので、詳細は分りませんが。。 フィルムカメラで撮影された美しい写真でした。大原本人の銀婚式の前の日に撮影された、夫婦のシルエットの写真が好きです。もう少し大きく引き延ばされたプリントが見たかったです。とても雄大な写真ですので、やはり大きなサイズでみたいですね。身近な道具を撮影した作品群もありました。大原の写真は、美しいですね。他の写真展でも、彼の作品を是非見てみたいと思いました。 にほんブログ村 美術ブログ 美術鑑賞・評論へ 人気ブログランキング 美術鑑賞・評論 ブログランキングへ