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6月, 2017の投稿を表示しています

川端龍子 -超ド級の日本画 〜山種美術館

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きもの・ゆかた で行くと、割引あり(団体料金になるそうです) もうすぐ 七夕 ですし、ゆかたを着てレッツゴー!(とはなかなかならない、ですよね〜。でもいつかは着物で行きたい山種美術館と歌舞伎座です^_^) あと、ホムペの割引ページを印刷していくと百円割引になります(スマホ提示は不可) 期間中、展示と連動したカフェの和菓子メニューもとっても良い感じの山種美術館は渋谷と恵比寿の間にあります。私はだいたい、渋谷からバス-> 山種美術館 ->写真美術館 ->界隈のギャラリーという感じで回ります。ガーデンプレイスに映画館もあるので、後ろ髪を惹かれますが、、、だいたいそんな感じのコースで回ります。 さて、 川端龍子 (1885-1966/かわばた りゅうし/男性作家ですよ〜)ですが、ずっと「 大田区立龍子記念館 」へ行きたいと思っていて実現せず、先日、東銀座にある 歌舞伎座 で川端龍子の大きな絵をホール階段で見て、これは早く行かねばと、と改めて思った次第です。話が逸れますが、歌舞伎座は日本画の宝庫です。休憩時間はぜひ回ってご覧になることをおすすめします。 さて、 川端龍子の魅力は何か? と言いますと、大画面、自然、生命への慈愛、そう、超ド級とタイトルにあるように、迫力がある点でしょうか。とりあえず、キャンバスが日本の作家にしたら大きい気がします。先日川村記念美術館で見たステラもニューマンも超デカかったですけど、負けてないかも?と思わせる大きな作品ばかり。アメリカは天井も高いし、場所もたくさんあるし、そりゃ作品もでかくなるわよ、と思いますが、川端龍子は大田区にアトリエを構えていたわけですから、保管とかどうしてたのかな〜と思いきや、アトリエの天井が足りなくて、小さくせざるを得なかったという作品もありました。 で、その大画面、迫力、というのは、「 会場芸術 」と批判されたそうです。要するに、大衆におもねっているというような意味でしょうか。龍子は最初、文展、院展に出展していたそうですが、そういう経緯で院展を脱退して、自分で「 青龍社 」という団体を立ち上げ、そこでメンバーが展示ができる場を作ったそうです(一種の分離派みたいなものですかね。。) 龍子が犬を抱いている写真が展示されていました。大の犬好きだったそうです。そして家族を愛して大切に

ダヤニータ・シン ー インドの大きな家の美術館

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インド人の女性写真作家、 ダヤニータ・シン の作品展が 恵比寿の写真美術館 で開催されています。 プリントがすごく美しいな〜と思いました。そして最近大流行している、 写真のインスタレーション スタイルでの展示です。インスタレーション、楽しくて私は大好きです。 ダヤニータは1961年インドの富裕層生まれ、デザインの大学を出て、フォトジャーナリストとして活動、世界各地で展覧会を開催、ドイツのシュタイデル社から作品集も出版された今勢いのある作家の1人のようです。 作品は11のテーマから構成されていますが、以下の4つを紹介します。 1.〈マイセルフ・モナ・アハメド〉 - 第3の性を扱った意欲作 2.〈ミュージアム・オブ・チャンス〉 - 期間中もどんどん展示が変化していく移動式のインスタレーション型展示。 3.〈リトル・レディース・ミュージアム-1961年から現在まで〉 -インスタレーション。インド女性をテーマにした作品 4.〈私としての私〉 - セルフィーを含む作品 カタログをざっと読んだだけなので記憶違いがあるかもしれないですが、<リトル・レディース・ミュージアム>の展示内容がどんどん変わっていくけども、そのチョイスはどのようになされているのか?という質問に、 「チューニングが合うかどうか、ピッチが合うかどうか」 という音楽用語で説明していて、要するに、「感性で作品をセレクトしている」らしいです。感性、結構日本の写真に通じるものがあるかもしれないですね。その感性が全く理解できないと全くつまらない展示に思えてしまうかもしれないですが、普遍性があるように個人的には思いましたので、誰が見ても考えさせられるところがある作品ではないかと思います。 同時開催中の 「いま、ここにいる」 という開館20年記念コレクション展示もオススメです。 総合開館20周年記念 ダヤニータ・シン インドの大きな家の美術館 2017.5.20(土)—7.17(月・祝) 休館日:毎週月曜日(ただし7月17日[月・祝]は開館) 第3水曜日は65歳以上無料 下記ランキングに参加しています。よかったらクリックしてやって下さい〜。 にほんブログ村 美術ブログ 美術鑑賞・評論へ 人気ブログランキング 美術鑑賞・評論 ブログランキングへ

「岡本太郎×建築」展へ 〜丹下健三、磯崎新、アントニン・レーモンド

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岡本太郎 といえば、井の頭線に入るところの渋谷駅の壁面!というのが若者の認識でしょうか?もう少し上の世代だと、青山の国連大学前のこどもの城の像「こどもの樹」(移転したのかな?)、そして団塊世代だと大阪の万博広場にある太陽の塔、と、世代を超えて認知されている岡本太郎ですが、青山と川崎に関連美術館が実は2つもあるという贅沢ぶり!今回は、久々に川崎市にある岡本太郎美術館へ行ってきました。 「岡本太郎×建築」展  Okamoto Taro×Architecture  ─衝突と協同のダイナミズム― 2017年4月22日(土)~7月2日(日) またも!明後日で終わってしまうという展示を紹介することに。。すみません〜。でもこの企画が終わっても、次がありますw そしてこのミュージアム、広場もすごく素敵で、すぐ近くに、   「 かわさき宙(そら)と緑の科学館 」 (プラネタリウムがオススメです。七夕テーマの企画あり)もある 生田緑地 にあるので、お子さんと家族で、デートにも使えるし、穴場といえば穴場!川崎?遠い、、と思いますが、 小田急線向ヶ丘遊園駅 からバスで行けますし、皆でおしゃべりしながら行けば、案外すぐかと。。 今回の展示は、国家的プロジェクトである建築とのコラボに注目した企画展示でした。 丹下健三の代々木体育館の陶板アート制作〜 旧東京都庁舎の壁画、東京オリンピック、そして1970年の日本万国博覧会での太陽の塔などがその内容の一部ですが、どれもモニュメンタルな建築に必ず太郎のアートが採用されていたと言っても過言でないほどなのですね。 常設展も楽しかったです〜。 私は、犬の形の植木鉢が欲しいですw 梅雨明けにでも、よければ足を運んでみてください。 下記ランキングに参加しています。よかったらクリックしてやって下さい〜。 にほんブログ村 美術ブログ 美術鑑賞・評論へ 人気ブログランキング 美術鑑賞・評論 ブログランキングへ

六月大歌舞伎 昼の部 千秋楽とタマゴサンド^_^

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六月大歌舞伎、行ってまいりました。千秋楽は初めてです。 千秋楽 < 昼の部 > 名月八幡祭 澤瀉十種の内 浮世風呂 御所桜堀川夜討 弁慶上使 名月八幡祭 はとても恐ろしく、辛い話で、環境の違う二人が一緒になるなんていうのは、不幸の始まりという警句が聞こえてきそうなお話でした。最後が怖かったです。市川笑也さんが悪女なのか、切符のいい芸者の女性なのか、どちらとも取れるファムファタルを好演されていました。 浮世風呂 はとても面白く、お風呂屋の三助さんと、その風呂屋のナメクジさんの駆け引きが面白かったです。猿之助さんと種之助さん、お二人が演じていました。 弁慶の話も辛い話でした。。。 歌舞伎って、なんと、実の娘でした!とか実は姉弟だった!とか、そういうメロドラマ的な設定が結構多い。コテコテの設定がこれまた良いのですね、きっと。 さて、七月は海老蔵さんと息子さんの舞台がありますが、辛くて見に行けないですね。。 八月は納涼歌舞伎、野田秀樹の「桜の森の満開の下」 を勘九郎兄弟、染之助さんが演じるそうです。これは見に行かねばです。 久々に舞台を観れてチャージできました。いいですよね、生の舞台。今年はまだライブもN響も行けてない、、、なんとか、行きたい!これが後半期の目標の1つですね。 [YOU]のタマゴサンド 歌舞伎の後は、昼の部でしたので、銀座をブラブラしまして、喫茶YOUさんでタマゴサンドをいただきました。歌舞伎座界隈では「アメリカン」も有名とのことなのですが、終わる頃にはしまっていたので、YOUさんでいただきました。YOUさんはオムライスのお店らしいのですが、このトロっとしたオムレツ風のタマゴサンド、クセになる感じです。美味しかったです。 下記ランキングに参加しています。よかったらクリックしてやって下さい〜。 にほんブログ村 美術ブログ 美術鑑賞・評論へ 人気ブログランキング 美術鑑賞・評論 ブログランキングへ

ヴォルス- 路上から宇宙へ展 DIC川村記念美術館

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千葉の佐倉市にある、大日本インキ、DICが経営する 川村記念美術館 へ行ってきました。こちらは、フランク・ステラや マーク・ロスコ の常設展示があることでも有名です。2013年には、 カラーフィルードペインティング(*1) の バーネット・ニューマン の「アンナの光」が売却されたこともプチニュースになりました。(残念でした。。) ●ヴォルスは、どんな人だったのか? ->ドイツ人、裕福で教養ある家庭環境に生まれるが、親の死により貧しい境遇に転落、 ナチスの兵役を拒否し国を捨てるが、仏で敵国人として投獄されるなどの苦労をする。 ->美術教育は受けてはいないが、 独自に絵画、写真 で才能を発揮した美術作家。 ->絵画は アンフォルメル(*2) の作家とみなされている。 ●まず、写真で活躍(1930年代、仏にて) 「脚を噛む鶏」1938頃 シュールな感じがします。シュールレアリストたちと交流があったそうです。写真は、個展を開いて成功し、肖像写真家としても活動したそうです。 ●水彩画を描き出す 戦争が始まり、仏で敵国人として投獄され、写真家の道が中断します。釈放後、南部に逃れる中で、水彩や、油彩、銅版画を始めます。 ドライポイントやグアッシュを使って着色した作品では、細部の抽象的な細かさがすごいです。小宇宙があるかのような、見ていて引き込まれてそのまま出たくない気持ちにさせるような細部描写が素晴らしいです。個人的には、油彩よりドライポイントの作品が気に入りました。 *1 カラーフィールドペィンティング バーネット・ニューマン、ロスコらの絵画。 グリーンバーグ が定義した。色の面が画面のほぼ全域を覆うような、 ミニマルアートのようにも見える絵画(実際、ミニマルを含むこともある)。 私見ですが、ミニマルアートとの差異は、領域(フィールド)なのか、最小単位(ミニマル)なのか、どちらを重視するかの違い、ではないでしょうか。 注意したいのは、音楽のミニマルとは少し解釈が違い、音楽は、最小単位(ミニマル)の繰り返しがミニマルミュージックであり、絵画は繰り返しには重点が置かれていないことではないかと思います。 また、フランク・ステラの絵画はミニマルアートとされることが多いようです。他のミニ

静嘉堂文庫美術館 「珠玉の香合 香炉」展へ

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世田谷にある 静嘉堂(せいかどう)文庫美術館 へ行ってきました。三菱の創業者一家、岩崎家が蒐集した主に東洋美術工芸のコレクションを展示する美術館なのですが、世田谷美術館の近くにあり、国宝7件、重要文化財が84件もありつつも、知る人ぞ知る、という趣のある美術館です。庭も紫陽花が咲いており美しいですし、美しい小さな森の中にあります。個人的には、デートにおすすめしたい、ちょっと秘密にしておきたいような、そんな穴場の美術館です。 国宝 曜変天目茶碗(稲葉天目)南宋時代(12-13世紀)が 会期中特別公開中です。 びじゅチューン! で 曜変天目茶碗 が出てきて、今や子供も知ってる存在という、静嘉堂文庫美術館の看板作品の一つです。実物を見るのは初めてでした。異様な、と言っていいほどの奇妙な泡めいた模様、藍と青色のグラデーション、青色を出すのが難しかった時代ですから、当時の職工もさぞ驚いたのではないかということです。何か見ちゃいけない模様を見てしまったようで、怖美しかったです。。。そして、学芸員の方の工夫により、台座を低くし、子供も見やすい高さに工夫されたとのこと。そして実物大の重さと大きさが体感できる、レプリカがさわれました。持ってみてすごく驚いたのは、、、かなり実用的な大きさ&重さ(276g)という印象!観賞用、という思い込みがあったのでこれはかなり驚きました。実用物として作られた中の偶然の傑作、ということでしょうか。 さて、今回の展示は 2017年8月13日まで開催されている「珠玉の香合 香炉(こうごう こうろ)」展 なのですけども、まずは、香合と香炉についての説明から入った方が良いようです。私が今回伺った解説をまとめてみました。 「呉州都鳥香合」明時代(17世紀前半)漳州釜(福建省) ※呉須とは、白と青の色合いの焼き物 「紅葉蒔絵香包型香合」(明治時代) 香合 (こうごう)とは、 合子 (ごうす)ともいい、「 焼き物や漆でできた蓋つきの小さな入れ物 」のことだそうです。香に関係するものを入れていたとは必ずしも言えないそうで、薬や、貴金属など貴重なものも入れていたのではないか、という事です。現代的には高価なピルケースのようなものを想像しても良いかもしれません。香道(こうどう)の道具として、または、茶道でも使用するそう

アドルフ・ヴェルフリ展へ

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アドルフ・ヴェルフリ[1864-1930] の、日本における初めての大規模な個展だそうです。関西からの巡回で、 東京ステーションギャラリーで6月18日(日)まで 開催中です。 「揺り籠から墓場まで」第4冊より1910年 (頭に十字架がはえた人物は自画像とのこと) さて、ヴェリフリさんは、非常に不幸な生い立ちのもと、スイスで生まれ育ち、成人してから、女児への性的暴行(未遂含む?)を何度か犯し、35歳の時、統合失調症と診断され、精神病院に入ります。そしてその時から彼の作家人生が死ぬまで続きました。生涯に描いた数は25,000頁。すごい仕事量です。 統合失調症のせいだったのかもしれませんが、子供への性的暴行と聞くとかなり反社会的ですし、エッ!と思います。もし彼が現代の人だったら展覧会開催はかなり難しいのではないでしょうか。 「地理と代数の書」第12冊 1914年 (音符部のみ拡大しています) 死後、80年以上経ってこうして初めて日本で個展を開くほどになった訳ですが、作品はすごいです。確かな才能があります。絵画的というより、デザイン的です。そして、上の写真にあるように、音符が頻出して描かれますが、音楽に関心が深かったのかどうかはわかりません。米国のアウトサイダー作家の王者、ヘンリー・ダーガーをふと思い出しますが、作風はかなり違います。ただ二人とも、壮大な物語作品を作っている点が奇妙に一致するんですよね。不思議です。(一番上の写真は、壮大な自伝「揺り籠から墓場まで」の一部) ヴェルフリが繰り返し用いた「形態言語」が研究されています。上の音符の図の中に、白い鳥のようなものが描かれていますが、これは「フォーゲリ」という名前で、彼の守護天使的な存在とされているようです。 クリックで拡大します 「 アウトサイダーアート 」とは、正規の美術教育を受けていない人のアートを意味しますが、そういうふうにカテゴライズするのは、純粋に見て考えたり、楽しんだりすることの前には、まるで意味がない気がします。何のために「アウトサイダー」というのでしょうか?評論家や美術史家が論じやすくするためでしょうか?それとも、正規の美術教育を受けた人にとって教育を受けたことというのが、既得権益となりうるからでしょうか?「アウトサイダー」と聞くたびに、大変虚しい思

ソール・ライター展へ

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Bunkamuraザ・ミュージアムにて開催中のソール・ライター、行ってきました。昨年、ライターのドキュメント映画「 写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと 」を観て、気にはなっていました。 ソール・ライターは、1923年アメリカ生まれの写真家です。 画家を志すも、生活のために長年、 「ハーパーズ・バザー」「エル」 誌などでファッション写真家として活躍しましたが、本人の情熱は商業的なファッション写真にはなく、引退後はマイペースに個展開催、日々絵を描き、近所をスナップする、という穏やかな日々をNYで送っていたのですが、83歳の2006年に、 ドイツのシュタイデル社 (世界一美しい本を作る男〜シュタイデルとの旅、というドキュメント映画にもなりました)より写真集「 early color 」が出版され、 晩年にして一躍注目される こととなります。ついには、2012年、89歳の時に、前述したドキュメント映画も撮影もされ、翌年、90歳でこの世を去ります。 ヴィヴィアン・マイヤー の写真作品の発見とともに、「埋もれていたアメリカ人作家発掘」の一連のブームの流れかな、と思っていたのですけど、ドキュメントに出てきた作品が結構好みだったので、かなり期待して展覧会へ行きました。 展覧会は、 「ファッション」「ストリート」「カラー」「絵画」「ヌード」 と5つにカテゴライズされ、この順番で展示されていました。 ライターの作家人生を網羅的に紹介するのにはとても素晴らしい構成 でしたが、個人的には、写真作品、特に個人的に撮りためていた作品にフォーカスした 「写真作家ソール・ライター」としての展示が見たかった です。網羅的にしたことによって、写真作家としてのライター像が薄まって紹介されている感じで、彼の写真作品の衝撃が少ししか伝わってきませんでした。辛口になりすみませんが、個人的にはかなりがっかりしました。でも!ライター作品を知らない方には、 ナビ派からの影響 などがわかって興味深いかもしれません。個人的にはライターのNYのスナップ写真がとても好きです。今後は、スナップ写真だけの展示がどこかで観たいです。 ライターは、 NYスクール と呼ばれる作家にカテゴライズされるそうですが、他の同世代のNYスクールのダイアン・アーバスやロバート・フランク(ちなみにBun

横尾忠則 HANGA JUNGLEへ!

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町田市立国際版画美術館 へ久々に行ってきました。 美術作家、横尾忠則の60年代〜現在に至るまでの、250点あまりの版画と印刷物(ポスター)を展示するこの展覧会、このフライヤーからしてアイキャッチ力があります。 横尾忠則は、 1936年 兵庫県西脇市で生まれます。最初に頭角を現したのは、イラストレーションなどのグラフィックアートの世界でした。31歳の時、 天井桟敷 にも参加、公演ポスターも作ります。同年、MOMAにも作品がパーマネントコレクションとして収蔵されるなど、認められるのも早かったようです。 ハイレッドセンター に参加したり、 Y字路 を撮影した写真集も出版したり、多彩な才能を発揮し活躍します。グラフィックだけにその勢いはおさまらず、 46歳で「画家宣言」 とみなされるペインティングやドローイングの発表をし、その作品の幅をさらに広げます。 赤ちゃんも食い入るように見ていました。 さて、全体を通して改めて思ったのは、結構性的な描写が多いな、という点です。(実際、カーテンで仕切られた別室がありました。)裸の女性がガンガン出てくる。裸体を描くことは西洋美術の基本の1つですが、ここまで多いとは思っていなかったので、へ〜と思いました。最近、裸体を題材にする作家は、写実や写真の作家を除くと、あまり思いつかないですよね?この傾向は別途考察してみる必要があるかもしれません。。 ポスター作品 グイグイ鑑賞者を惹きつける魅力に溢れた横尾作品ですが、今回、美術館の常設展の内容が 「11人のポップ・アーティスト」 でポップアートの作家作品( ウオーホル、リキテンシュタイン、ジム・ダイン、トム・ウエッセルマン )のシルクスクリーン作品を紹介しており、そちらも併せてご覧になると、横尾作品との比較もできて、興味深いと思います。ポップアートはなぜ「アート」と呼ばれ、なぜ、横尾作品のシルクスクリーンは「グラフィック作品」とも言われるのか?商業が絡んでいるからなのか?線引きする必要性はどこまであるのか?カテゴライズしないと不都合なのは誰なのか?等々、考えさせられるよい機会でした。 版画美術館は、閑静な自然の中の、リラックスできる場所にあります。公園と隣接しているので、お子さんと一緒に行くのもアリですね。お勧めします。 横尾忠則 HANGA JUN