静嘉堂文庫美術館 「珠玉の香合 香炉」展へ
世田谷にある静嘉堂(せいかどう)文庫美術館へ行ってきました。三菱の創業者一家、岩崎家が蒐集した主に東洋美術工芸のコレクションを展示する美術館なのですが、世田谷美術館の近くにあり、国宝7件、重要文化財が84件もありつつも、知る人ぞ知る、という趣のある美術館です。庭も紫陽花が咲いており美しいですし、美しい小さな森の中にあります。個人的には、デートにおすすめしたい、ちょっと秘密にしておきたいような、そんな穴場の美術館です。
国宝 曜変天目茶碗(稲葉天目)南宋時代(12-13世紀)が 会期中特別公開中です。 |
「呉州都鳥香合」明時代(17世紀前半)漳州釜(福建省) ※呉須とは、白と青の色合いの焼き物 |
「紅葉蒔絵香包型香合」(明治時代) |
そしてポイントなのが、香合、というのは日本の「茶の湯」において、「見立て」として日本独自に発展したものだということでしょうか。「見立て」とは、本来とは違う用途に流用するアレンジの精神とでも言えばいいでしょうか?(元は、お菓子入れだったものを、香木入れに使って、香合とする、とか、そういう意味です。)
しかし、全て日本製かというと違います。当時の人々には、唐物がクールとする傾向がありましたので、交趾船(こうちせん - ベトナムよりやってきた交易船、中国のものも積んでいたそうです)から運ばれてきた、中国の焼き物などが重宝されていたそうです。上の写真の呉州都鳥香合も、中国から唐物です。本当に小さい入れ物で愛らしいです。
「色絵鳥兜香炉」18世紀(江戸時代) (舞楽の舞人の帽子の形をした、可愛い香炉です) |
「青磁舟型香炉」明時代(17世紀) |
マリーアントワネットもコレクターだったという 蒔絵の香箱の中身(部分)これは「吉野山蒔絵十種香道具」(江戸時代) |
香合、については、てっきり香木のみを入れるものだと思っていましたので、目からウロコでした。また、10センチそこそこの小さなものが多く、かわいらしい入れ物が目を惹きつけました。そして、ジャポニズムブームがヨーロッパで起きたときには、外国人香合コレクターが実際に存在したそうです。(マリーアントワネットは香箱と蒔絵の素晴らしいコレクターだったそうです。香箱とは、香道の小さな道具類を収納しておくための箱です)
曜変天目茶碗があまりに美しかったので、ミュージアムショップでは、手ぬぐいを購入しました。戸田屋さんの手ぬぐいでした。
「〜かおりを飾る〜珠玉の香合 香炉」展
会期:2017年6月17日(土)~8月13日(日)
休館日:月曜日(7月17日は開館)、7月18日(火)
開館時間:午前10時~午後4時30分(入場は午後4時まで)
入館料:一般1,000円、大高生700円、中学生以下無料 ※団体割引は20名以上
※リピーター割引:会期中に本展示の入館券提で、2回目以降は200円引き。
あの松栄堂さんが主催するワークショップがあるそうです!
松栄堂さん、個人的にとても愛用させていただいてます。カジュアルブランドの「lisn」もすっごくオススメです。東京だとlisnと松栄堂のお店は表参道にあります。lisnでは、1本からお香が買えて、しかも種類が豊富で楽しいお店です。秘密にしておきたいけど(笑)おすすめします。
【ワークショップ】
A:匂い香づくり体験
日時:7月1日(土)
1)午前10時30分~
2)午後1時~
3)午後3時~
所要時間:約60分
定員:各回30名様(予約優先)
会場:地下講堂
教材費:1,620円(税込)
※別途当日有効の入館券が必要です。
担当:香老舗 松栄堂
二子玉川駅もしくは、成城学園、狛江駅からバスで行くことができます。成城からは20分くらいでした。
写真は、美術館の許可を得て特別に撮影させていただいたものです。無断転載はおやめください。
下記ランキングに参加しています。よかったらクリックしてやって下さい〜。
にほんブログ村 美術ブログ 美術鑑賞・評論へ
人気ブログランキング 美術鑑賞・評論 ブログランキングへ