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新春大歌舞伎:大津絵道成寺他へ

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2017年 新春大歌舞伎 の昼の部へ行って参りました。昨年も新春大歌舞伎には行く事ができたので、東博の「博物館に初詣」の干支シリーズと併せて、毎年の恒例としたいところです。 演目  大政奉還150年 「将軍江戸を去る」 大津絵道成寺 愛之助五変化 伊賀越道中双六「沼津」 お目当ては、 「大津絵道成寺」 でございます。 大津絵がモチーフとなった歌舞伎 は幾つかあるそうなのですが、不勉強で知らずでした。大津絵の鬼の絵、娘道成寺、鷹匠などなど、絵画ファンにはおなじみのあの素朴な絵、こちらをモチーフとした河竹黙阿弥の作品で、踊りあり、お囃子あり、愛之助さんの早変わり有りの大変楽しい変化に飛んだ舞台でした。 「将軍江戸を去る」 こちらは染五郎さんが徳川最後の将軍慶喜を好演されています。江戸幕府が終わって、たった150年なんですね。。。たった150年です。なんとこの世の変化は早いのだろうと思ったりしました。慶喜が水戸へ去る最後のシーン、川面が美しく版画のようで、美しい舞台でした。聞けば美術を担当された伊藤 熹朔(いとうきさく、故人)氏は日本の舞台美術を代表する方だそうです。 伊賀越道中双六「沼津」 こちらは、悲劇です。28歳の若者を吉右衛門さんが大変熱演、年齢を感じさせないすばらしい仕上がりでした。この「沼津」は、父親役の荷持安兵衛の方が年下が演じることが多いとの事。今回は吉之丞さん、こちらもすばらしい演技でした。 楽しいひとときでした。 1月26日が千秋楽 です。大津絵に興味が有る方、歌舞伎座では、 「幕見」(まくみ) というとてもリーズナブルな当日券もありますので、是非見てみて下さい。 「歌舞伎美人(かぶきびと)」 という歌舞伎上演総合情報サイトがありますので、詳しい情報はそこに載っています。 今年も許す限り、色々な芸術に触れていきたいと思います。 下記ランキングに参加しています。よかったらクリックしてあげてやってください〜。 にほんブログ村 美術ブログ 美術鑑賞・評論へ 人気ブログランキング 美術鑑賞・評論 ブログランキングへ

「マティスとルオー展 ― 手紙が明かす二人の秘密 ― 」へ

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ルオー「窓辺の静物」1930 さて、前回告知させて頂いた、 パナソニック汐留ミュージアム での マティスとルオー の友情に迫る展覧会へさっそく、行って参りました。今年はじめて訪れた展覧会となりました。 マティスとルオーはモローの同門 だったのですね。マティスは 1869年 12月生まれ、ルオーは 1871年 5月生まれなので、ルオーの方が2年年下で、ルオーの方が少し長生きしましたが、だいたい同じような年ごろで亡くなっていて、作風も住んでいた地域(マティスはモロー美術館の初代館長の仕事があり、パリに。マティスは色彩を求め、南仏に在住)も全く違うのに、家族ぐるみで晩年迄仲良く交流、そして文通していたのですね。陶芸家を紹介したり、展覧会の情報を交換したり、戦火の元で油絵のための油がないとぼやいたり、体調不純をぼやいて健康法について書いたり、と、この作家同士ならではの、現実的な会話が多くて面白かったです。また、マティスの息子がNYで画廊をオープンして、そこでルオーを紹介する展覧会を企画したり、子供の代に渡っても交流があり、本当に仲が良かったんだなということが分りました。 書簡もおもしろいのですが、作品群も充実していました。パナソニックさんは、ルオーのよき作品を沢山お持ちなので、ルオー作品が特に充実しており、一見の価値がある展覧会となっています。2人の全く作風が違う作家を年代順に並列して追う事で、 2人の画業全体がざっと俯瞰できるような展示 でした。 2人は作風が違うと書きましたが、共通したテーマとして、 「サーカス」 というのがあるのだということがこの展覧会を見てよく分りました。ルオーの方がサーカスのテーマを用いたのは先なようですね。 左:曲芸団の娘たち1924-25 右:JAZZ 1947 1924-25年「曲芸団の娘たち」 1925年頃 「女曲芸師(人形の顔)」 1931年の「大馬車(旧題:サルタンバンク)」 1938年の「流れる星のサーカス」(ヴォラールの出版) などが展示されていました。ルオーは従来のアカデミーのテーマである、歴史、神話、といった内容ではなく、独自のテーマを探していたそうです。そんな中、流浪の民である、サーカスの人々の中にある、人としての神聖さを描きたかったのかなと思いました

告知:「マティスとルオー展 ― 手紙が明かす二人の秘密 ― 」

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あけましておめでとうございます。今年も 「ロバと鳥と、」 を宜しくお願い致します〜。 2017年 は、昨年に引き続き、観た展覧会の記録や感想を書き留めること、そして、1週間に1つは観る、つまり、合計年間で48展覧会は観る、を目標にしたいと思います。 パナソニック 汐留ミュージアム にて、 2017年1月14日から、3月26日まで、 「マティスとルオー展 ― 手紙が明かす二人の秘密 ―」 が開催されます。 マティスとルオーは、友達だったのか、、!!というのが第1印象です。「マティスとピカソ」は「 マティスとピカソ 二人の芸術家の対話」というDVDも出ていますし、書籍も出ており、多少はその友情ー交流は知っていましたが(ピカソの方が10歳程年下ですが)、ルオーとマティスはモロー門下で友達だったんですね。ルオーが孤独なイメージがあるので、何となくマティスと長きにわたって友情を築いていたのは意外な感じですが、興味深いです。   公式サイト ウエブ割引ありです!   この ルオーとマティスの手紙を発見した 学芸員の方、ジャクリーヌ・マンク氏(パリ市立近代美術館 学芸部長)が来場され、講演会が行なわれるようです。詳細は上記の公式サイトに出ていますので、興味のある方はどうぞ。 マティスとルオー展 ― 手紙が明かす二人の秘密 ―」 開館期間 2017年1月14日(土)~3月26日(日) 開館時間 午前10時より午後6時まで(入館は午後5時30分まで) 休館日  1月18日、25日/ 2月1日、8日、15日 よかったらクリックしてあげてやってください〜。 にほんブログ村 美術ブログ 美術鑑賞・評論へ 人気ブログランキング 美術鑑賞・評論 ブログランキングへ