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写真都市展 −ウィリアム・クラインと22世紀を生きる写真家たち

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六本木の21_21 DESIGN SIGHTにて開催中の 「写真都市展 −ウィリアム・クラインと22世紀を生きる写真家たち−」 へ遅まきながら行ってまいりました。 2018年2月23日(金)- 6月10日(日) 21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー1&2 休館日/火曜日(5月1日は開館) 火曜が休館なのですよね。界隈の国立新美術館や 東京ミッドタウンのサントリーミュージアム も同じ 火曜日休館 ですね。 さて、こちらの展覧会は、伝説的な存命の写真家、映画監督の ウィリアム・クライン が、車椅子に乗り、現在の東京を撮影した新作がある!と聞いて、大変期待して行ったのですが、 「クライン&」 ということなのですね〜。 彼の作品は、過去作と合わせ、最初のコーナーにてプロジェクションにて展示されていました。プロジェクションも面白かったのですが、思ったより数が少なくて、残念でした。。プリントでも普通にたくさん見たかったです。。(でも見る価値はあります!特に、クラインを知らない方にはおすすめです) ディレクターは評論家の 伊藤俊治 氏で、「ヴィジュアルコミュニケーションの新しい冒険」をテーマにしたそうです。なので、参加作家は、伝統的な意味での写真ではなく、写真をカッティングしてあったり、コラージュしてあったり、多重露光してあったりと一手間加えたアート寄りの作品が多かったです。 参加作家 ウィリアム・クライン、石川直樹+森永泰弘、勝又公仁彦、沈 昭良、須藤絢乃、TAKCOM、多和田有希、西野壮平、朴 ミナ、藤原聡志、水島貴大、安田佐智種 写真のみの展示って、いろんな意味で難しいものなのですね。 鑑賞者が飽きないようにしなくてはならないし、ビデオインスタばかりでも疲れる。 ちょっと考えさせられる展示でした。  ■-□-■-□-■-□-■-□ 下記ランキングに参加しています。 よかったらクリックしてやって下さい〜。 にほんブログ村 美術館・アートミュージアム 人気ブログランキング 美術鑑賞・評論 ブログランキングへ

ターナー 風景の詩(うた)

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この展覧会は、京都から巡回してきて、この後郡山に巡回する巡回展です。 東京展  2018年4月24日(火)~7月1日(日) 東郷青児記念館 郡山展 2018年7月7日(土)~9月9日(日) 郡山市立美術館 『ターナーの水彩、油彩、版画作品約120点を、「地誌的風景画」「海景‐海洋国家に生きて」「イタリア‐古代への憧れ」「山岳‐あらたな景観美をさがして」という4つの章でご紹介し、その核心と魅力に迫ります。』------  展覧会公式ウェブサイト より ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー(1775-1851) の展覧会は、今までも度々日本で開催されてきました。 この展覧会の特徴は、小品の水彩、版画が中心で、日本初公開のものも多いというところでしょうか。数が多いのもポイントです。今までターナー展を度々見てきた方には、大作品とはまた違ったターナーの一面を見ることができるのではないでしょうか。 まず、著名なターナーの絵画は、 ぼんやりした蜂蜜色の光、渦巻状の煙、波、雲 、と言った、抽象絵画につながるかのような風景画や海景画ではないでしょうか。これらのスタイルは、どちらかというと ターナーの晩年 に特等的なものなのだそうです。 今回、版画の展示が多いのですが、私にとって少し意外だったのは、 ターナーが自作の版画を重視していた らしいということです。 英国各地の風景を版画にすることにより、それは 旅行ガイド の役割を果たすとともに、自作の普及への一助となったため、ターナーは厳しく彫版師を管理し、喧嘩も絶えなかったとか。自ら彫ることもあったそうですが、大半は、彫版師に頼んでいたそうです。 そして、版画や水彩の小品には、 人間が結構描かれている のも今回の新たな発見でした。 しかも、結構可愛いというか、イラスト的というか、晩年のぼんやりした蜂蜜色の風景からは想像ができませんでした。下の2点は、水彩ですが、人物がどこか愛らしく、ターナーの海景画からは想像できないものがあります。 20のヴィニエットのうちの1点ーヘルゴランドの死の舟 1835頃/水彩 モンテ・マリオから見たローマ(部分)1820/水彩 話が逸れますが、日本では、 歌川広重が東海道五十三次を製作したのは、1832年 。これも旅行ガイド的な版画です

モネ それからの100年 -名古屋市美術館/横浜美術館

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GW中に、旅の途中でふらっと久々に 名古屋市美術館 へ行ってきました。 前回訪問してから、多分、20年ぶりくらいでしょうか。。。 バリー・フラナガン の野うさぎ彫刻が出迎えてくれました。 箱根彫刻の森 にも、フラナガンの野うさぎのシリーズがあります。躍動感ある楽しいウサギ彫刻ですが、目が悲しげなようにも見えます。好きなシリーズです。最近彼の新作の噂が日本には入ってこないように思うのですが、お元気に制作されているのでしょうか。。。 ===================== 「モネ それからの100年」 名古屋市美術館 開館30周年記念  会期:2018年4月25日(水)~7月1日(日) 休館日月曜日 オフィシャルサイト 横浜美術館 に巡回します! 会期:2018年7月14日(土) ~ 9月24日(月・休) オフィシャルサイト ===================== 実は、予備知識なく行きました。 なんとなくその時は、印象派を見る気分ではなかったのですが、この展覧会は、 「印象派の展覧会」ではなく「現代美術」の展覧会でもありました。 「モネ」の遺産を受け継いだ作家たちというテーマで集められた展覧会で、作家や主義で集められた展覧会ではなく、時代や国を超えたテーマのある展覧会こそ、最近見たいと思っている展示のあり方でしたので、予期せず、旅先で良い展覧会に遭遇できラッキーでした。 美術史専攻の友人曰く、『 美術史は歴史なので、時代を超えて論証することは好まれない傾向にある』 とのこと。展覧会は、美術史と関連が深いのは当たり前ですが、 そろそろ、もっと自由な展示があってもいいのではないか。。 と個人的には思います。 さて、本題ですが、まず、 なぜ100年なのか? と思いました。 クロード・モネ(1840-1926) が 睡蓮の制作に着手 してちょうど100年だから、ということだそうです。今年は、印象主義音楽とも言われる、 クロード・ドビュッシー(1862-1918) の 没後100年 にも当たります。(二人ともクロードですね!) シュールレアリスムの作家、 アンドレ・マッソン の1975年の言葉に以下のものがあるそうです。 「つまり、モネは印象派ではなく、 あらゆる現代美術の生みの親ではないの

「光画」と新興写真 / 写真発祥の原風景 長崎 ー東京都写真美術館

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GW中にアップしたかったのですが、会期が終了後のレポとなってしまいました。 この展示は現在、終了しています。 「光画」と新興写真  モダニズムの日本 写真発祥の原風景 長崎 この2つはそれぞれ異なる展示ですが、便宜上1つにまとめました。 GWの最中、 恵比寿の写真美術館 へ久々に行ってまいりました。 まず、 「光画」と新興写真 ですが、正直に言いますと、勉強不足で何のことやら全く分からず、ただ、フライヤーに使用されている写真が、「お、 シュールレアリスム のかほり?」と思わせるもので、気になる感じでしたので、行ってみた感じです。  「光画」も「新興写真」も時代は 1930年頃 、 「光画」は雑誌名、「新興写真」はグループ名で、 「リアリズム写真」の影に隠れて今まで見過ごされることが多かった そうです。 木村伊兵衛 は「光画」の関係者だったそうで、作品も並んでいました。 中山岩太<福助足袋>1930年 中山岩太<・・・・>1932年   中山岩太 、かっこいいです。シュールです。ポートレート(煙をふかす白人女性のもの)も有名ですが、彼の フォトグラム は繊細で美しいです。 小石清<クラブ石鹸>1931年  小石清 もシュールで良いです。時計がぐわ〜んと歪んだフォトグラム?の作品も好きです。 佐久間兵衛<・・・・>1932年ころ 佐久間兵衛は、 ノイエザッハリッヒカイト 系ですね。直線、メカニカル、といった都市の美も時代を感じさせつつ、時に超越していて、かっこいいです。 この<・・・・>というタイトルがたまに出て来ていますけど、漫画の吹き出しの「・・・・」と同じなのか、分からないですけども、何でしょうか。面白いですね。 以下、公式サイトからの引用です。 『本展は1930年前後に日本の写真史において盛んとなっていた「新興写真」に注目した展覧会です。「新興写真」とはドイツの「新即物主義(ノイエザッハリヒカイト)」やシュルレアリスムなどの影響をうけ、それまでのピクトリアリズム(絵画主義写真)とは異なり、カメラやレンズによる機械性を生かし、写真でしかできないような表現をめざした動向です。  『光画』とは1932年から1933年まで