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青木野枝「天蓋」展ー東日本橋ギャラリー・ハシモト

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東日本橋にある、ギャラリーハシモトにて開催中の、青木野枝展へ行ってきました。今見るべき展示の1つとして個人的にオススメします。 こちらのギャラリーは、 馬喰町、東日本橋、馬喰横山駅 など数カ所から行くことができます。私は、馬喰町の画廊数件とハシゴをして最後にハシモトへ行きました。 *馬喰町の画廊とは、 kanzan 、 αM 、 TARO NASU です。 青木 野枝 新作彫刻展「天蓋」 2017.4.21(fri.)- 5.20(sat.) 12:00-19:00(日月祝休廊) ギャラリー・ハシモト 月曜、祝日休み 青木野枝は、1958年生まれの彫刻家、版画家です。主に金属を使った立体作品で有名です。 さて、「天蓋」ですが、ダイヤ型の金属(どんな金属かの説明を受けましたが、、メモし忘れて頭から抜けてしまいました、、すみません)を組み合わせて、まるでいくつものダイヤが地に突き刺さっているかのような作品でした。お家芸とも言える、重力を無視したかのような、軽やかな作品です。解説が必要ない、強い力のある作品です。 小さな作品がいくつか販売されていました。そのうちの1つを手で持たせてもらったのですが、やはり、ズシリと重たい。この重たい金属をこんなに軽やかに造形化し、組み合わせて1つの形にするなんて、すごくカッコイイです。一体どうやって搬入したんだろう?と考えるのも楽しい作品です。 1つ本当に欲しかった。。夢ですね〜。 下記ランキングに参加しています。よかったらクリックしてあげてやってください〜。 にほんブログ村 美術ブログ 美術鑑賞・評論へ 人気ブログランキング 美術鑑賞・評論 ブログランキングへ

鏡と穴 - 彫刻と写真の界面vol.1 高木こづえ

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馬喰町のムサビの画廊、αMにて開催中の高木こづえ展へ行ってきました。 鏡と穴 - 彫刻と写真の界面vol.1 高木こづえ「琵琶島 」 (光田ゆりキュレーションシリーズ) ギャラリーαM (アルファエム) 〒101-0031東京都千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤ビルB1F T 03-5829-9109 F 03-5829-9166 alpham@musabi.ac.jp 企画展の共通タイトル「鏡と穴 - 彫刻と写真の界面」の意味がまず分からない、と思って、チラシを読みました。「 彫刻と写真 」の意味は、写真(デジタルデータ)を物質に変換する(=プリントもそうですし、3Dで実体化させることも)ことを意味していて、この、物質に変換する部分を広い意味での「彫刻」と表現しているのかなと思いました。 高木こづえ は、1985年生まれ、東京工芸大出身の写真作家です。2006年の、加工されたポートレート写真で、鮮烈なデビューを飾った、新進気鋭の作家です。 この上の写真は、撮影された写真を、photoshopなどで加工し(その加工は理屈をベースにしたものではなく、感覚的に施された加工だそうです)、さらにそれを、板に転写し、それをなぞって着彩していくことで仕上げた、油彩の作品でした。そしてそれをさらに写真に撮るそうです。「琵琶島」を最初に発表した当初は、油彩や、撮影の為に作られた(立体オブジェのような)衣装は展示していなかったそうですが、今回は、それを「彫刻」と銘打った展示のために展示することにしたそうです。 会場風景 大量のデジタル写真をコラージュや加工していった果てに、作家が見たイメージをさらに現実化することで、脱データ、物質化する、そしてさらにそれを写真に撮影することで再変換する、という展示かな?というのは、見てだいたい理解できるものでした。高木のイメージを操る自由でイキイキとした感性が伝わる、興味深い作品展です。ですが、チラシの解説が若干難解で、それが作品を逆にわかりにくくしているように思いました。 芸術は自由であるべきですので、写真も写真をベースにした作品も、自由であるべきというのが私の考えです。反対意見もあるとは思いますが、高木の、イメージの海を自由に泳ぐその心意気にエールを送りたいです。 私はこの後、

白隠ゆかりの沼津 松蔭寺

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白隠 慧鶴(はくいん えかく)1686 - 1769年は駿河国(静岡)出身の禅僧で人々に教えを伝えるために、自ら描いた禅画が有名です。その白隠慧鶴ゆかりの寺、沼津の松蔭寺では、毎年4月29日(祝日)に白隠の書画を、虫干しのため、一般公開しているそうです。 そう、今日です! 達磨図 80歳の自画像(永青文庫蔵) *パブリックドメイン画像を使用 直前過ぎる告知となりましたが、そちらへ行かれる方は、立ち寄られてみてはどうでしょうか。私はついつい忘れるので、リマインダーに登録することにしました。。。 多分、見れるのは、白隠自画像、とあと、白隠が写した?法華経の経典ではないかと思いますが、詳細がよくわかりませんw お墓も、お寺から少し行ったところにあるそうです。お墓まいりというのも、素敵ですね。 沼津の 松蔭寺のサイト 住所:沼津市原1283-32 JR原駅が最寄りです 沼津市の白隠関連のサイト 下記ランキングに参加しています。よかったらクリックしてあげてやってください〜。 にほんブログ村 美術ブログ 美術鑑賞・評論へ 人気ブログランキング 美術鑑賞・評論 ブログランキングへ

N・S・ハルシャ展:チャーミングな旅 - 森美術館

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インド南部、マイスール (カンナダ語。英語ではマイソール)にほぼずっと暮らしている、1969年生まれのインド人の男性作家、 N・S・ハルシャ の展示です。 「空を見つめる人々」2010年のインスタレーションより 結論から書きます、この展覧会は、インドに興味がなくても、現代アートが苦手でもオススメする、普遍性と芸術性が高い、素晴らしい展覧会です。実は、初めは期待していなかったのです。。事前に、インタビューを読む機会があり、あ、これは行こう、と考えを変えまして、行ってきたのです。そうしたら、大当たりでした。どこかすごいのか?ということを以下、私の言葉でお伝えできたらと思います。6月11日まで開催しています。強くおすすめします。 1.まず、作品量が半端ない! 海外作家の展示は、輸送費、保険、などなどのコストがかかることもあり、まず、大量に1人の作家の作品を見ることは難しい事が多いです。ですが、このハルシャ展、作品数が多いです。大きなインスタレーションもありました。 上の写真は、 2007年の作品「ネイションズ<国家>」 です。このミシンのインスタレーション作品は、大量の各国の国旗を縫っている図、のように見えますが、裏面は真っ白。表面にしか国旗がないのです。大量に工場で生産される国旗の裏面が空白であるという風刺的な見方もできますし、それらがほどけて糸が絡まりあっている様子は、終わることのない国家間の諍いや、紛争、もしくは、関係性を想像させると思いました。足踏みミシンの数がすごく、圧倒されます。 2.政治や経済への批判が作品に含まれているが、嘘が感じられない点 作品は、現代社会への批判にあふれています。そういう視点は、現代美術には多いと思いますが、どこか借りてきた猫のような批判だったり、とりあえず政治性をもたせておけ、といった空虚なものが多いと個人的には思ってしまう事がままあります。ところが、ハルシャの作品からはそういう「嘘」が感じられず、時に笑いを交えた、奇妙な説得力を感じてしまうのです。まさに、蛇使いのような、不思議な作家と言えるのかもしれません。(蛇使い、というのはインド人を形容する西洋の表現だそうです。作品にも出てきましたが、ひょっとしたらインドの人にとっては、あまり好ましい表現ではないかもしれないですが。) 3.現代美

絵巻マニア列伝 サントリー美術館

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六本木開館10周年記念展 絵巻マニア列伝 2017年3月29日(水)~5月14日(日) 10:00~18:00(金・土は10:00~20:00) ※5月2日(火)~4日(木・祝)は20時まで開館 ※ 火曜日休館 、ただし、5月2日(火)は20時まで開館 ※いずれも入館は閉館の30分前まで ※100円割引あり(着物割、 公式サイトの割引ページ 表示等) 絵巻が好きです。何故好きか?という事についてはあまり考えたことがなかったのですが、歴史や風景を題材にした日本画とは全く異質の、画奇想天外で時に破天荒な内容が描かれていることを案に期待しているからかもしれません。巻物であるからこそ描かれている、「何かすごいもの」見たさ、でしょうか〜。。 展覧会は、いくつかの章立てに分かれています。絵巻マニアだった、 後白河院、源実朝、花園院、後崇光院・後花園院父子、三条西実隆、足利将軍家、松平定信 、という絵巻に関連した歴史上の人物別に絵巻が紹介されています。 絵巻は、12世紀後半にその頂点を迎えた芸術 だったようです。12世紀後半といえば、 平安時代末期、鎌倉時代初期 の頃です。武家というよりは公家の文化であり、絵巻、見る?と源頼朝を誘った公家方が、結構です、と断られたというエピソードが紹介されていました。だからこそか、頼朝の子、源実朝は公家の文化に憧れ、絵巻を好んだのかもしれないですね。 後白河院(1127-1192) - 天子摂関御影より 序章が「 後白河院 」ですが、この方は 絵巻マニアの最高峰の人物 だそうです。天秤座男子、今様(いままようー当時の流行歌)が大好き、朝から晩まで歌いまくって喉をからすほどだったそうです。そして、あの今様の集大成「 梁塵秘抄 」(りょうじんひしょう)を編纂させ、今様を後世に残そうとしました。 遊びをせんとや生まれけん〜 というあの有名な今様は、後白河院も歌う、当時の人気の歌の1つで、梁塵秘抄にも収められています。そして、千体の観音様がいるお堂と一緒に、 「蓮華王院」(れんげおういん)という一大メディアセンターを作ります。 そこには、楽器、絵巻、美術品、書物、等々の文物を収めたそうです。多分、かなりエキセントリックな芸術マニアな人物だったのではないでしょうか。 さて、この一大メディアセンターである「

ミュシャ展 スラヴ叙事詩全20作、初の国外展示!

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今年は、 チェコイヤー ! 色々なチェコの文化に触れることができる一年とのことで、嬉しいですね。 さて、こちら、六本木、乃木坂にある 国立新美術館の開館10周年 (早いですね!)の記念事業、そしてチェコ文化年事業による開催だそう。会場は、同時期開催している、草間やよい展のショップレジに並ぶ長蛇の列にびっくり!でした。ミュシャの方が、私が行った時は空いていました。 ミュシャ展 2017年3月8日(水)ー 6月5日(月) 国立新美術館 企画展示室2E 午前10時―午後6時 毎週火曜日(ただし、5月2日(火)は開館) ※毎週金曜日、4月29日(土)-5月7日(日)は午後8時まで ※入場は閉館の30分前まで この展示は、逃すべきではありません。草間やよいより、見るべき、と断言します。何故か?それはサブジェクトにも書きましたが、 スラヴ叙事詩 全20作、初のチェコ国外展示 だからです。チェコイヤーならではのことで、多分、作品の保全などを考えても、日本では二度とない機会の可能性があります。このスラブ叙事詩は、普段は、プラハのヴェレトゥルジュニー宮殿にあります。(昨年私は、1週間ほど個人旅行でチェコに滞在しましたが、このスラブ叙事詩は見ませんでした。市内のムハ・ミュージアムへは行きましたが、ポスターや下絵が中心でした。ちなみに、 プラハ城のステンドグラスはムハ作です。中に入るにはお金がいりますが、一見の価値ありです ) プラハ市内のムハ・ミュージアム 本展に行ってよかったと思います。スラブ叙事詩の巨大な作品群が全て見れます。しかも一部撮影可能ですし、 ガラスケースもない のです。あのポスター作家としての ミュシャの「全く別の側面」 が見ることができます。 ミュシャのポスター画は小さい頃、とても好きでした。でも、色々な場所で長年の間、見過ぎて食傷気味になりました。プラハの街の土産屋もミュシャのポスター画をモチーフにした土産でいっぱいでした。もういいかな、ミュシャはと思いきや、このスラブ叙事詩は全く違うものでした。スラブ民族の成り立ちからその歴史的側面を20作で余すところなく、というくらいに徹底して描いていて、大変古典的、保守的なテーマではありますが、その作家の意欲、仕事量に圧倒されます。とても感動しました。 これはムハには珍しく、

スケーエン:デンマークの芸術家村展 国立西洋美術館新館展示室

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Skagen スケーエン:デンマークの芸術家村 日本・デンマーク外交関係樹立150周年記念 2017年2月10日(金)~2017年5月28日(日) 開館時間:午前9時30分~午後5時30分 毎週金・土曜日:午前9時30分~午後8時 ※入館は閉館の30分前まで 休館日:月曜日(ただし、3月20日、3月27日、5月1日は開館)、3月21日(火) 巡回:碧南市藤井達吉現代美術館 2017年6月6日(火)~7月23日(日) Skagen を「スケーエン」と読むとは知りませんでした。。スカーゲン、と読んでいました。スカーゲンと言えば、デンマークブランドの腕時計ですね。実は、地名だったとは今回初めて知りました。デンマークの最北端、ユトランド半島の最果てに「スケーエン」という街があるそうです。 デンマークといえば、私にとっては、デザイン王国の側面しか知らず、絵画については知識はゼロのまま見に行きました。そんな先北の街に芸術家村があったとは。。 19世紀末〜20世紀 の世紀末芸術の時代に、この素朴な漁村を訪れたアーティストたちが、漁師たちの生活にリアルな人間の生活を見出し、それを題材にして絵を描こうとしたのが始まりだそうです。次第に、そこに他の作家たちが集まり、 スケーエン派 という派を形成し、デンマーク近代絵画革新の嚆矢となったそうなのです。時代はもう少し前になりますが、 バルビゾン派は農村 に集いましたよね。スケーエン派たちは、漁村に集った訳ですね。 スケーエンの場所は赤い点の部分 スケーエン派の中心人物は、 ペーダー・セヴェリン・クロヤー です。妻のマリーも画家です。スケーエンでの穏やかな生活の中を描いた作品、「ばら」は、私も今回ポストカードを買いました。 ペーダー・セヴェリン・クロヤー「ばら」 クロヤーは精神疾患を患い、マリーは次第に夫から気持ちが離れて行き、二人は破局を迎えるそうです。「ばら」はそうなる前の幸せなひと時を捉えた作品と言えるかもしれません。他にも、ミカエル・アンカー、アンナ・アンカーの夫婦作家の各作品も展示されていました。スケーエンでののどかな家族の生活を描いたものから、港湾労働の様子を描いた作品など、比較的リアリズムな作品群が60点ほど展示されていました。 5月28日までです。シャセリオー展のチケットで

シャセリオー展 国立西洋美術館

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シャセリオー展 ―19世紀フランス・ロマン主義の異才 国立西洋美術館 会期:2017年2月28日(火)~2017年5月28日(日) 午前9時30分~午後5時30分 毎週金曜:午前9時30分~午後8時 休館日:月曜日(ただし、3月20日、3月27日、5月1日は開館)、3月21日(火) *巡回はないようです。 シャセリオーの自画像 行くかどうか、かなり迷っていましたが、同時開催のスケーエンが見たくて、行ってきました。結論として、この展覧会を逃さなくてよかったと、、特に、 シャヴァンヌ、モロー への影響を観て解くのに、この展覧会は必須かと思いました。 テオドール・シャセリオー Théodore Chassériau, 1819-1856 一言で言えば、早逝した事と、パリコミューンのせいで、大家になり損ねた、不幸な天才。といったところでしょうか。乙女座男子です。繊細で優美、そして確かな画力。見終えたときに、気の毒な気持ちでいっぱいでした。こういった不幸な作家、歴史に埋もれている作家はまだまだたくさんいるのでしょうね。 さて、シャセリオーですが、   ドミニク・アングル(1780-1867 ) の弟子だったそうです。イタリアに長く滞在していたアングルが帰国してすぐ、11歳で弟子入りしたという早熟ぶりです。今気がつきましたが、アングルも乙女座男子みたいですね。 繊細で優美、見事なデッサン力 、この辺が二人に共通した点かなと思います。アングルと言えば、どの作品でしょうか?色々思いつきますね。。私は、子供の頃、教科書に載っていたアングルの絵は、 「アンジェリカを救うルッジェーロ」1819年作、です。 アングル「アンジェリカを救うルッジェーロ」 他にも、 「グランドオダリスク」「泉」「トルコ風呂」 などなど、エロティックで優美な、女性を描いた絵画がすぐ頭に浮かびます。アングルは 新古典主義 ですから、歴史を題材にした作品が多いですよね。一方、 シャセリオーは新古典主義からはみ出て、ロマン主義的な傾向を高めていき、師とは別の道を歩む こととなります。 ロマン主義絵画の代表格といえば、 ドラクロワ(1798-1863) ですね。 「民衆を導く自由の女神」 でも有名です。 ロマン主義の時代は 1780~1830年 であるという

テリ・ワイフェンバック The May Sun展 - 伊豆フォトミュージアムへ

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伊豆フォトミュージアム で開催中の、アメリカ人写真家、 テリ・ワイフェンバック の国内外初のミュージアムでの個展である「The May Sun」展へ行ってまいりました。 会期:2017年4月9日〜8月29日まで 休館日は水曜日ですが、5月3日はオープン。 入館料は800円、JR三島駅より、1時間に1本のほどの無料の送迎バスが出ています。車の場合は、伊豆縦貫道で長泉ICが最寄りです。 伊豆フォト は、「 クレマチスの丘 」という、 ヴァンジ彫刻庭園美術館、ビュフェ美術館、井上靖文学館 、などなどがある複合芸術文化施設の中にあります。クレマチスや桜が栽培されているヴァンジ彫刻庭園は、お花好きの方には一見の価値ありです。(入館料が必要です) ヴァンジ彫刻庭園では、4月22日から、 日高理恵子さんのサルスベリを描いた「空と樹と」 が開催されます。二つを合わせて見られたらよかったのですが。。。 ヴァンジ彫刻庭園の中の桜です さて、 テリ・ワイフェンバック(1957-) は米国の写真作家、女性です。元々の専攻は絵画、というだけあってか、美しい画面構成が見事です。日本の写真作家、 川内倫子 さんとの交流が有名で、二人で作品集も出されています。 風景写真のようであってそうではない、不思議な浮遊感のある風景写真でした。今回の展示のメインは、伊豆に滞在して撮影された新作の作品が中心で、伊豆の光景を撮影しています。あとは、「 The Politics Of Flowers 」という、テリの今までの作品群とは違う、社会的なテーマを盛り込んだ作品の展示もありました。パレスチナで採集された19世紀の押し花帳を使った、現代アート寄りの作品なのですが、パレスチナでの厳しい紛争から、生と死の厳しさを想起し、そこへテリ自身の母親の死という個人的な事情を混ぜた作品となっていました。いわゆる、「既存のもの」を再利用した再解釈の作品となりますが、テリの新境地とも言えるかもしれません。 クレマチスもちらほら咲き出す季節です。GWに日高さんの展示と合わせてどうぞ。オススメです。 下記ランキングに参加しています。よかったらクリックしてあげてやってください〜。 にほんブログ村 美術ブログ 美術鑑賞・評論へ 人気ブログランキング 美術鑑賞・評論 ブログランキ

Mememnto Mori -ロバート・メイプルソープ展

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銀座のシャネルネクサスホール にて2017年4月9日まで開催していた、銀座のシャネルを設計した、建築家ピーター・マリーノコレクションの、写真家ロバート・メープルソープの写真展「Memento Mori」へ行ってきました。 展示は、今週末から始まる、「 KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 」にも巡回するそうです。(2017年4月15日〜5月14日) 白の部屋、黒の部屋の2室構成で、白の部屋は全面白、黒い部屋は、全面黒一色で、展示の方法が面白かったです。メープルソープの写真は4年ほど前?に渋谷西武で見た記憶があります。その時は花中心でしたが、展示会場は今回の方がさすがに良かったです。 美しい写真付きのレポが 美術手帖のブログ に載っていましたので、リンクを載せておきます。 KYOTOGRAPHIE は行ったことがないのですが、先ほど公式サイトをざっと拝見したところ、有料のポートフォリオレビューもあるのですね。展示している作家の数が思ったよりとても少ないように思うのですが、会場は豪華で京都が散策できるようになっていて、観光もできるのが良いなあと思いました。いつか機会があれば行ってみたいです。 下記ランキングに参加しています。よかったらクリックしてあげてやってください〜。 にほんブログ村 美術ブログ 美術鑑賞・評論へ 人気ブログランキング 美術鑑賞・評論 ブログランキングへ

蘇る!孤高の神絵師 渡辺省亭展へ

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渡辺省亭(わたなべ せいてい1852-1918) は、江戸生まれ、明治~大正に活躍した、日本画家です。日本人で初めてパリに留学した画家だそうです。最近では、 山種美術館で開催中の「日本画の教科書」展 で2点、その美しいタッチの日本画を見たところでしたが、不勉強で詳しく知りませんでした。私もその時の感想をブログにしています。 こちら でご覧いただけますので、よろしければご覧ください。 さて、 京橋の加島美術 さんでは、2017年4月9日まで、 「蘇る!孤高の神絵師 渡辺省亭展へ」 が開催されていました。会期終了後の感想となってしまいましたが、根津美術館、迎賓館、松岡美術館、山種美術館では、まだ今でも作品を数点見ることができるようです。 七宝の図案家でもあったそうです。赤坂迎賓館では渡辺省亭の下絵による七宝が30点も見れるそうです。上の絵にもあるように、非常に繊細、しかし細かすぎず、色彩は淡めです。岡倉天心にも認められたそうですが、弟子も取らず、孤高の存在であったようです。 菖蒲と鯉が描かれています。こちらも大変透明感のある色彩です。 花鳥風月を癖なく描く作家で、こちらは、雪村の後に見に参りましたので、非常にそのコントラストというか、対照的な雰囲気が良かったです。 この展示は、渡辺省亭の100回忌の4月に合わせて開催されたという、粋な展示でした。省亭も喜んでいるのではないでしょうか。 *写真は許可を得て撮影しています。 下記ランキングに参加しています。よかったらクリックしてあげてやってください〜。 にほんブログ村 美術ブログ 美術鑑賞・評論へ 人気ブログランキング 美術鑑賞・評論 ブログランキングへ

雪村-奇想の誕生展 東京藝術大学美術館

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「 ゆきむらではなく、せっそんです 」というキャッチフレーズがなかなかいい、雪村展@東京藝術大学美術館へ行ってまいりました。偶然、桜吹雪の中の来訪となり、上野公園はすごい人でした。 雪村展特設サイト 展示替えがあり、 2017年3月28日〜4月9日、4月11日〜23日、25日〜5月7日、5月9日〜21日 と4期に分かれています、、、、大雑把に、 4月23日までを前期、のこりを後期 、としても良いと思いますが。。ちょっと複雑すぎますよね! 巡回があります。東京展の後、滋賀の MIHO MUSEUM へ(8月1日〜9月3日まで) さて、「 奇想 」と言えば、 辻惟雄 (つじのぶお)先生ですね。名著「 奇想の系譜 」との関連性は?と思いきや、やはりそこから命名されたのだそうです。辻先生は、MIHO MUSEUMで館長をされていたのも関連しているのかもですね。 雪村の大きな展覧会は、平成14年千葉市立美術館での「雪村展 -戦国時代のスーパー・エキセントリック-」以来だそうです。なので、、15年ぶりですね。 この展覧会、早くも、後期にもう一度行く可能性が出てきました。それくらいとても気に入った展覧会でした。私の今年度NO.1の展覧会となるかもしれません。 一体何が気に入ったのか?といいますと、風景図では、見ているうちに、画面の中に入り込み、物語を想像させる点、動物画では、普通に綺麗、可愛いだけではなく、「変な」表情を捉えて描いている点、人物図(人間ではなく主に仙人や神様ですが)の破格な点、でしょうか。破格、ユニークなのですが、万人の心を捉える普遍性があると思います。その点が素晴らしいと思いました。 さて、雪村は、 雪村周継(せっそんしゅうけい) とも名乗る、 1504年? - 1589年の室町ー戦国の時代 に生きた、水墨画家、僧侶だそうです。詳しい出生の事情がわかっておらず、茨城県の常陸大宮市の武家の生まれという説があるそうです。小田原、鎌倉、三春、郡山などで活躍した、関東の作家と言えます。あの、京都の 雪舟(1420-1506) がなくなる頃に生まれていますので、弟子ではなく、私淑はしていたようですが、画風の類似性はないとされているそうですね。雪村が最も影響を受けたのではないかと言われているのが、 牧谿(もっけい) です。中国の13世紀後半の水