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2月, 2016の投稿を表示しています

魔女の秘密展へ

魔女の秘密展公式サイトへ (要フラッシュ) 東京巡回展 ラフォーレ原宿ミュージアムにて 2016年2月19日(金)~3月13日(日)会期中無休 全国を巡回中のこちらの展示、気になっていたので行ってきました。 中世の魔女裁判や魔女に関する展覧会です。 この展示は、大人も楽しめるのですが、どちらかと言えば、中学、高校生向きの展示内容であると思いました。キャプションには全てルビがふってあり、丁寧に魔女裁判をヴィデオで再現したコーナーや、魔女のコスプレをして記念撮影するコーナーもあり、工夫された内容でした。拷問器具の展示もあり、低年齢のお子さんにはちょっと刺激が強すぎるかも、と思います。テニールス(父)、デューラーの作品も2点あり、民俗学的展示物もありましたし、展示物は大変よかったです。ただ、どこの国の作家か、とか、材質の解説が足りなく、展示一覧表もありませんでした。

DOMANI 明日展 PLUS Drawing Lessons in 3331へ

DOMANI 明日展 PLUS Drawing Lessons in 3331 の公式サイトへ 2016年2月18日(木)~2016年3月6日(日) 末広町のアーツ千代田 3331 1 階ギャラリーBにて開催中の文化庁のDOMANI 明日展へ行ってきました。(画廊での展示鑑賞の記録を書くのは、ここでは初めてかもしれません。。実は今年は他に画廊を回ったりもしているのですが、なかなか書き留める時間がとれず。。)

20年ぶりの大きな回顧展、恩地孝四郎展へ

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恩地孝四郎展 -形はひびき、色はうたう 2016.1.13 - 2.28まで 月曜休館 竹橋の東京国立近代美術館にて開催中の、恩地孝四郎展 へ行って参りました。 恩地孝四郎展 形はひびき、色はうたう 恩地孝四郎(おんち こうしろう 1891-1955)東京出身。版画家、想定家、写真家、詩人。日本の抽象絵画の創始者とされ、創作版画の先駆者の1人とされ、日本に於ける版画の父。(一部wikiより) 様々な側面を持つ作家というのは、今や沢山存在していますが、恩地孝四郎はその先駆者の1人であったのではないでしょうか。この展覧会は、その様々な側面を(版画中心ではありますが)沢山の作品数を通してかいま見ることができる、すばらしい展覧会でした!恩地孝四郎については、時々、色々な場所で数点観るにとどまっており、20年ぶりの展覧会であったというこの機会にまとめて観る事ができ、とてもラッキーでした。(図録は完売しており、増刷のため注文制となる人気ぶりでした)

映画:写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと

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公式サイト: 写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと In No Great Hurry 13 Lessons In Life With SAUL LEITER 昨年 ユーロスペース で公開された、「 写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと 」(2012年英/米合作)を見逃したので、遅ればせながら 川崎市アートセンター、アルテリオ にて公開していたのを観てきました。ユーロスペースさんは、割引曜日がないのですが、アルテリオでは、木曜は男性千円、金曜は女性千円でお得に鑑賞することができ、少し都心からは離れていますが、おすすめです。 「人生でみつけた○○の事〜」というたぐいの映画の副題じは、いつから定着し始めたのでしょうか。最初は、売れる為の日本語版の勝手なタイトルかと思ったら、違うのですね。もう少し、違う副題でも十分いけるくらいの内容だった、と思うのですが、どうでしょうか。

ゆかいな若冲・めでたい大観 HAPPYな日本美術展へ

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公式サイト: ゆかいな若冲・めでたい大観 HAPPYな日本美術ー山種美術館 2016.1.3-3.6まで 広尾の山種美術館へ若冲と大観を観に、久々に行って参りました。縁起物の絵が多数あり、一月に観ておけば有り難さが倍増したのに、ちょっと行く月を間違えたかなと思いつつ、それでも、十分楽しめる展示でした。( 着物割引がありますし、ウェブサイトの割引券を印刷していけば、100円引き になりますので、是非。館内で着物美女を1名拝見しました。日本画を着物で鑑賞とは、すばらしい贅沢!関西の友人は、着物で昨年の琳派展を観に行ったそうですが、うらやましい限り。→実際は観客でもみくちゃになり、着物で行って後悔したそうですが、私も一度は着物で行ってみたい。。To Do Listに入れておきます ^_^)山種所蔵の一部の作品は、 2014年のお正月企画展「Kawaii日本美術 - 若冲・栖鳳・松園から熊谷守一」 とも重なっていますが、眼福な作品は、何度観ても眼福ですね。 若冲「河豚と蛙の相撲図」

英国の夢 ラファエル前派展へ

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ウォーターハウス「デカメロン」 公式サイト: 英国の夢 ラファエル前派展 2015.12.22-2016.3.6. Bunkamura ザ・ミュージアム 先週、リバプール国立美術館所蔵のラファエル前派展へ行ってきました。リバプール国立美術館とは、市内にある、それぞれ名前の違う3つの美術館の総称のようです。さすが産業革命で栄えた都市だけあり、文化の充実度が感じられます。「またラファエル前派見に行くの?」と家族に言われましたが -_-; 数年前も確かにラファエル前派の展覧会があり、芸大の夏目漱石展でも、ラファエル前派の作品が数品来日していましたし、人気の程を伺わせます。 ラファエル前派ーこのBritish Schoolの美の世界は、自分の言葉でいかに形容すべきなのか、適切な表現がなかなか見つからないのですが、いい意味で、えぐいまでの究極の神話的な美の世界、と言ったら怒られますかね。。なんだか、見終えた頃にはすっかり食傷気味になる人もいるのではないか?という程の、ぐいぐい来る美の世界、、(ついつい観てしまう何かがあるように思います)という事にしておきます。 ラファエル前派について、若干まとめてみますと、 1848年にホルマン・ハント、J.E.ミレイ、ロセッティらによって結成された英国の芸術同胞団(brotherhood) で、英国ロイヤルアカデミー創始者のヨシュア・レイノルズらにアンチを唱えていました。ラファエルに見られるような、古典的なエレガントさは、マニエリスムによって腐敗させられ、非人間的なものになってしまった、それを押し進めているアカデミーに異議を唱え、15世紀イタリア美術(=中世、初期ルネッサンス)のように、強烈な色使い、複雑な構図、細かいディティールを復興させようという主旨でした。 ハントらによって始まったラファエル前派は、第2世代と言われる1.バーン=ジョーンズ、モリス 2. フレデリック・レイトン、J.フレデリック・ワッツの2グループがあり、さらに20世紀初頭にラファエル前派を復興したともいわれる、ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス、タデマの第3世代に大別できるようです。(美術史上、正式に第二、第三世代と言われている訳ではありません。ウォーターハウスに関しては、主題が似ているだけで、アカデミーサイドにいたこともあり、ラファエ

「世界遺産キュー王立植物園所蔵 イングリッシュ・ガーデン 英国に集う花々」へ行ってきました

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汐留のパナソニックミュージアム にて2016年3月21日(月・祝)まで開催中の「 世界遺産キュー王立植物園所蔵 イングリッシュ・ガーデン 英国に集う花々 」へ行ってきました。イギリスのキューガーデン所蔵の植物画を現代の作家の作品も交え、比較的広範囲の作家(日本人作家の作品もありました)を紹介する展示でした。合計展示数は150点。隙間なく展示されており、充実した展覧会でした。 当初の想像ですと、キューガーデン自体の紹介、ガーデンデザインの話などの比率が多いのかと思っていましたが、植物画が中心でした。そして、ウィリアム・モリスは私も大変好きで、昔は関連施設なども訪問したことがある程ですが、やはり、有名であり、華やかである故か、(モリスは英デザイン史上では外せない存在ではありますが)、目玉として取り上げられている機会が多すぎるような気もし、若干食傷気味でしたが、今回はそこまででもなく、全体的にバランスの整った展覧会であったように思います。 まず最初に、最古の植物画の本と言われる、「 アイヒシュテット庭園植物誌 」(1613)の圧巻の2点、オオカンユリ、ヒマワリの2点が書物を開いた形で紹介されていますが、実物大のエングレーヴィングでとにかく大きい!!植物画の基礎で、まず、実物大で描いていくという手法がありますが、ヒマワリの実物大です。かなりの迫力ですばらしかったです。 植物画は、作者不詳の場合や(上記のアイヒシュテットの場合もそうでした)、スポンサーである人物の名前(バンクスもそうです)が有名となる場合がけっこうあるように思いますが、やはりこれは、当時のプラントハンティングの困難さ、植物学的側面の大きさも理由の1つでしょうか。 個人的には、キューガーデンの marianne north gallery を再現してほしいと思っていましたが、ごく一部(14点程)でしたが、 マリアン・ノース のコーナーがありました!ヴィクトリア朝時代の女性旅行家でもあるマリアンは、ものすごい情熱で旅をし、各地の植物や風景をまさに描きまくった作家です(しかもどうやら油彩+厚紙で)。油彩で描きながら移動ってすごいですよね。。乾きにくいし、携行には向いていない。日本にも滞在し、知恩院の鐘の絵を描いています。キューガーデンの彼女のギャラリーは壁面がびっしりと作品に覆われており、その

フランク・ゲーリー展 - I Have An Idea

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六本木の21_21デザインサイト にて、2015年10月より、2016年2月7日まで公開中の、 「 建築家フランク・ゲーリー展 I Have An Idea 」 へ行ってきました。年配の鑑賞者はほぼ見かけず、若い人がたくさん来ており、その辺は、古代〜近代系の美術展覧会とは大いに違う雰囲気でした。建築の展覧会では、建物そのものを持ってくる訳にはいかないので、模型、写真、映像などで追う事になるだろう、とそんなに期待していませんでしたが、予想より面白かったです。 ゲーリーは、1929年カナダはトロント生まれで、アメリカ西海岸に拠点をおく、建築家です。年譜を読み驚いたのは、彼が遅咲きの建築作家であるという事でした。50近くになってから、自邸のローコストリノベーションで世間の注目を集め、次第に大きな仕事が出来る様になっていったそうです。 ゲーリーの出世作、自邸のリノベーション 下の写真「マニフェスト」にも少しあるように、ゲーリーは「コスト」にも言及、私が知っている、従来の建築系の展覧会ーコストには言及せず、建築哲学や、建築物そのもののデザインや構造について語るーとは違った(御年90近いと思われますが)現代型の建築家で、各所でコストの話が出てきたことに、まず、驚きました。私が知っている彼の建築物は、ビルバオのみと不勉強でしたが、彼はアメリカのスター作家なのですね。シンプソンズにも登場、ディズニーのコンサートホールの建築物を「紙をぐしゃっとしたら、あの建物のデザインができた」などとシンプソン調に描かれていました。 クリックで拡大できます。 ゲーリーのコストダウンは、独自に開発した、多数のプログラムを内包するコンピューターシステム[ CATIA ]のおかげだそうです。彼は、元々好きだった、航空関係のプログラムを建築に応用し、このシステムを開発したそうです。彼の建築物は、表面がぐにゃりと湾曲したかのようなデザインが多いと思いますが、その一見コスト高な建築物を、ローコスト で仕上げる為に、そのシステムが必要不可欠とのこと。例えば、標準的なパネル、特注のパネルをどのような比率で組み合わせれば、いかにコストダウンできるのかを、コンピューターで完全にシミュレーションできるのだそうです。そして、全てのパネルにタグを振り分け、施行ミスが生じない様に、全ての建設の