「世界遺産キュー王立植物園所蔵 イングリッシュ・ガーデン 英国に集う花々」へ行ってきました
汐留のパナソニックミュージアムにて2016年3月21日(月・祝)まで開催中の「世界遺産キュー王立植物園所蔵 イングリッシュ・ガーデン 英国に集う花々」へ行ってきました。イギリスのキューガーデン所蔵の植物画を現代の作家の作品も交え、比較的広範囲の作家(日本人作家の作品もありました)を紹介する展示でした。合計展示数は150点。隙間なく展示されており、充実した展覧会でした。
当初の想像ですと、キューガーデン自体の紹介、ガーデンデザインの話などの比率が多いのかと思っていましたが、植物画が中心でした。そして、ウィリアム・モリスは私も大変好きで、昔は関連施設なども訪問したことがある程ですが、やはり、有名であり、華やかである故か、(モリスは英デザイン史上では外せない存在ではありますが)、目玉として取り上げられている機会が多すぎるような気もし、若干食傷気味でしたが、今回はそこまででもなく、全体的にバランスの整った展覧会であったように思います。
まず最初に、最古の植物画の本と言われる、「アイヒシュテット庭園植物誌」(1613)の圧巻の2点、オオカンユリ、ヒマワリの2点が書物を開いた形で紹介されていますが、実物大のエングレーヴィングでとにかく大きい!!植物画の基礎で、まず、実物大で描いていくという手法がありますが、ヒマワリの実物大です。かなりの迫力ですばらしかったです。
植物画は、作者不詳の場合や(上記のアイヒシュテットの場合もそうでした)、スポンサーである人物の名前(バンクスもそうです)が有名となる場合がけっこうあるように思いますが、やはりこれは、当時のプラントハンティングの困難さ、植物学的側面の大きさも理由の1つでしょうか。
個人的には、キューガーデンのmarianne north galleryを再現してほしいと思っていましたが、ごく一部(14点程)でしたが、マリアン・ノースのコーナーがありました!ヴィクトリア朝時代の女性旅行家でもあるマリアンは、ものすごい情熱で旅をし、各地の植物や風景をまさに描きまくった作家です(しかもどうやら油彩+厚紙で)。油彩で描きながら移動ってすごいですよね。。乾きにくいし、携行には向いていない。日本にも滞在し、知恩院の鐘の絵を描いています。キューガーデンの彼女のギャラリーは壁面がびっしりと作品に覆われており、その様子は圧巻の一言に尽きます。植物画は学術、科学的であるべき事から、没個性的な側面があると思いますが、マリアンの絵は、ものすごく個性的です。好悪が分かれる作家かもしれませんが、私は好きです。
あと、1つ、個人的な発見がありました。第3章の「花に魅せられたデザインコーナー」コーナーでは、ウェッジウッドの食器1930年代のエリック・ラヴィリオスによる「ガーデンシリーズ」の食器がウェッジウッド的ではなく、意外なほどに大変素朴で、絵柄もかわいく、好みでした。写真がなく残念ですが。。(因にウェッジウッドの創設者はダーウィンのおじいさんだそうです。)
充実した英国の植物画の歴史が、垣間見れます。植物好き、英国好きにはお勧めいたします。
「世界遺産キュー王立植物園所蔵 イングリッシュ・ガーデン 英国に集う花々」
2016年1月16日(土)~3月21日(月・祝)
10時am〜6pmまで(入館は5:30pm) 毎水曜日休館
公式サイト
当初の想像ですと、キューガーデン自体の紹介、ガーデンデザインの話などの比率が多いのかと思っていましたが、植物画が中心でした。そして、ウィリアム・モリスは私も大変好きで、昔は関連施設なども訪問したことがある程ですが、やはり、有名であり、華やかである故か、(モリスは英デザイン史上では外せない存在ではありますが)、目玉として取り上げられている機会が多すぎるような気もし、若干食傷気味でしたが、今回はそこまででもなく、全体的にバランスの整った展覧会であったように思います。
まず最初に、最古の植物画の本と言われる、「アイヒシュテット庭園植物誌」(1613)の圧巻の2点、オオカンユリ、ヒマワリの2点が書物を開いた形で紹介されていますが、実物大のエングレーヴィングでとにかく大きい!!植物画の基礎で、まず、実物大で描いていくという手法がありますが、ヒマワリの実物大です。かなりの迫力ですばらしかったです。
植物画は、作者不詳の場合や(上記のアイヒシュテットの場合もそうでした)、スポンサーである人物の名前(バンクスもそうです)が有名となる場合がけっこうあるように思いますが、やはりこれは、当時のプラントハンティングの困難さ、植物学的側面の大きさも理由の1つでしょうか。
個人的には、キューガーデンのmarianne north galleryを再現してほしいと思っていましたが、ごく一部(14点程)でしたが、マリアン・ノースのコーナーがありました!ヴィクトリア朝時代の女性旅行家でもあるマリアンは、ものすごい情熱で旅をし、各地の植物や風景をまさに描きまくった作家です(しかもどうやら油彩+厚紙で)。油彩で描きながら移動ってすごいですよね。。乾きにくいし、携行には向いていない。日本にも滞在し、知恩院の鐘の絵を描いています。キューガーデンの彼女のギャラリーは壁面がびっしりと作品に覆われており、その様子は圧巻の一言に尽きます。植物画は学術、科学的であるべき事から、没個性的な側面があると思いますが、マリアンの絵は、ものすごく個性的です。好悪が分かれる作家かもしれませんが、私は好きです。
あと、1つ、個人的な発見がありました。第3章の「花に魅せられたデザインコーナー」コーナーでは、ウェッジウッドの食器1930年代のエリック・ラヴィリオスによる「ガーデンシリーズ」の食器がウェッジウッド的ではなく、意外なほどに大変素朴で、絵柄もかわいく、好みでした。写真がなく残念ですが。。(因にウェッジウッドの創設者はダーウィンのおじいさんだそうです。)
充実した英国の植物画の歴史が、垣間見れます。植物好き、英国好きにはお勧めいたします。
筆者撮影のキューガーデンです。 |
「世界遺産キュー王立植物園所蔵 イングリッシュ・ガーデン 英国に集う花々」
2016年1月16日(土)~3月21日(月・祝)
10時am〜6pmまで(入館は5:30pm) 毎水曜日休館
公式サイト