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Chim↑Pom展:ハッピースプリング/MAMスクリーン015: ルー・ヤン(陸揚)

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 森美術館で2022年5月29日まで開催中の「 Chim↑Pom展:ハッピースプリング 」、金曜の夜間開館で行ってまいりました。Chim↑Pomの破壊力は相変わらず。展示もこなれておりベテラン域のアートコレクティブの気概を感じました。 上の写真は歌舞伎町で捕獲した「ネズミ」を剥製にしたものを、都市のミニチュアと共に展示した「スーパーラット」という作品。展示は今までの回顧展的な要素を含みつつ、新しい見せ方を試みている点がさすがでした。私が最後に見た大きなChim↑Pom展は実は2012年のパルコでの展示で、もうかれこれ10年も前でした。  また、森美の企画展示「 MAMスクリーン015: ルー・ヤン(陸揚) 」も併せて見ることができたのですが、こちらを個人的に見るべき映像作品として大々的に推します。全プログラムを見終わるのに60分はかかりますが、ネットにも出ておりませんし、今現在、森美でしか見れないと思います。インタビューだけを読んだ時は、日本のアニメからの影響が強すぎるのではないかと思っていましたがアニメからの引用や影響は副次的であり、本質的には哲学的な作品で、人生とは?生きる意味とは?という直球のビッグテーマに挑んだ作品であったと思います。迫力のある破壊力ある映像作品で今後が楽しみな作家です。 さて、2020年5月、ようやくコロナ禍の規制も緩和され、美術館に行きやすい状況に整って参りましたが、今月は、できれば東京都美術館と現代美術館でみたい展覧会がありますので、なるべく時間を作って行きたいと思います。  ■-□-■-□-■-□-■-□ 下記ランキングに参加しています。 よかったらクリックしてやって下さい〜。 にほんブログ村 美術館・アートミュージアム 人気ブログランキング 美術鑑賞・評論 ブログランキングへ  ■-□-■-□-■-□-■-□ 前の投稿へ

東博「琉球展」〜神猫、ノロなど

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 ご無沙汰しています。最後の投稿が、コロナ前でしたので、2年半ほど休筆していたことになります。巷ではNOTEが主流でブログという形式がオールドメディアになりつつあり、継続を迷いましたが、自分の記録のためにも、再開することにしました。 最初のカムバック投稿は、東博の「琉球展」です。開館150周年の節目、今年が沖縄復帰50周年というダブル節目の展示だったと思います。 さて、「琉球展」ですが、色々と不勉強で知らないことがありました。 以下、私が知ったことを感想を交えて書いていきたいと思います。まずは、琉球王国を統治した王家の名前は「尚(しょう)家」というそうです。家紋は「 左巴紋 」(ひじゃいぐもん)。左巴紋の家紋は他にも土方歳三も用いていたとか。目を惹く家紋です。 第二 尚家の家紋: 左巴紋 琉球王国は、距離的にも中国との結びつきが強く、 冊封使 という中国からの使者が 1663年 に沖縄に来ており、結果、中国の臣下という扱いになる代償として、さまざまな庇護を受けていたようです。その冊封使を迎え入れる様子を描いた「 琉球来聘使登営図 」に描かれている中国側が掲げる「旗」の虎の絵が気になりました。 琉球来聘使登営図-東京国立博物館所蔵 画像が小さいのですが、直立した虎がコミカルに描かれています。こういう図像はあまり見たことがないように思います。今回の展示は、猫や虎が少しですが描かれている作品が展示されており、そのどれもがユニークな表現のように思いました。 虎図ー第2尚氏時代、19世紀 上の図も展示されていました。東博収蔵の作品です。前脚をクロスし、尾を立てているのが、長崎や朝鮮の虎図と共通した特徴だそうです。デフォルメされた目や口が琉球的な描画だと解説にありました。 琉球来聘使のはたに描かれている虎もそうですが、コミカルで大変愛らしいと思いました。(シーサーの目に似ているようにも思いました) また、下の「神猫図」も展示されていました。山口宗季(唐名:呉師虔 1672~1743年)という福建に留学した琉球王国の絵師の作です。 神猫図 1725年ー那覇市歴史博物館蔵 こちらの猫の目も、コミカルな感じがして目を惹きました。この作品と似た「神猫図」は他に2作ほど確認されているようです。十二支から外れている猫はあまり日本画の画題としてはポピュラーではなかったように思いますが、なぜ神