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「仁和寺と御室派のみほとけ ― 天平と真言密教の名宝 ―」東博

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2018年、2つ目の展示は、初回に引き続き、トーハクです。 特別展「仁和寺と御室派のみほとけ ― 天平と真言密教の名宝 ―」 へ行ってきました〜。 恥ずかしながら、仏教及び仏教美術全般に造詣が浅く、 仁和寺、といえば、吉田兼好の「先達はあらまほしき事なり。」 がまず頭に思い浮かぶ、京都市内洛西にあるお寺、という事くらいしか知識がなく、 真言系 という事を知って驚きました。 御室派は「おむろは」 と読むそうです。そんなことも知りませんでした。 さて、こちらは、「特別展」です。これまた知らなかったのですが、トーハクには「 特別展 」とそうでないものがあるようですね。「博物館で初もうで」は、常設系。特別展「運慶展」を昨年見て、暮れに京都を観光したためか、仏様のお導きでこちらの展示へ行く事になりました。 予想外なことに、内容は盛りだくさんで、 見るのに軽く2時間はかかりました。 仁和寺の観音堂は改修されるとのことでこの特別展が実現したのだそうです。 仁和寺 観音堂再現コーナーが圧巻です 貴重な仏様、中には秘仏までもが公開されており(秘仏なのに公開して大丈夫なのかな?と思ってしまいますが、ありがたいことです。。)実はこの展示はかなり貴重な機会だったと知った次第です。 チラシ下方にある、 天平の秘仏「国宝 葛井寺の千手観音」 は 後期展示(2月14日〜3月11日) です。しかもこの千手観音、チラシだと雰囲気がわかりませんが、かなりサイズが小さいのですね。展示場所はかなり混み合いそうです。 チェン・カイコー監督の映画「空海」とのタイアップや、おかざき真里の漫画「阿・吽」とのコラボグッズもありました。かなり大掛かりな企画なのですね。 早めに鑑賞を計画されることをお勧めします。 後期も多分行くと思うので、今回は後期編もブログを書けたらなと思います。 ■-□-■-□-■-□-■-□ 下記ランキングに参加しています。よかったらクリックしてやって下さい〜。 にほんブログ村 美術ブログ 美術鑑賞・評論へ 人気ブログランキング 美術鑑賞・評論 ブログランキングへ

博物館に初もうでー東博へ

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円山応挙 朝顔狗子図杉戸 1784 東博 のお正月企画、「 博物館に初もうで 」、 2018年戌年編 へ行ってまいりました。私は1月3日に行きましたが、 毎年配られるカレンダーシート は今年は上の写真の 応挙 の犬ちゃんカレンダーだったそうです。。一度も頂けた事がない私w 今年はちょっと欲しかった、、残念。早起きしないとダメですね〜。 1月28日まで公開しています。特別展ではないので、常設展の入館料だけで見ることができるようです。 あと、 「黒田記念館 特別室」(トーハクの敷地外の上島珈琲と同じ建物です)では、1月2日(火)~1月14日(日) まで開室、黒田清輝の代表作である「智・感・情」「読書」「湖畔」「舞妓」の4作品を特別公開、とのことです。 昨年12月末に、京都博物館で、同じ干支企画を見たせいか、ついつい比較してしまいますが、これは完全にトーハクの勝利かと思います。内容も充実していると改めて実感しました。あと、犬ちゃんの作品は、やはり、鳥や猿に比べると少ない?のかもしれないと少し感じました。なぜでしょうか。猿や鳥は縁起に関係しますよね。だからでしょうか。 緑釉犬 1−3世紀 中国 私は上の写真の緑釉犬が気に入りました。口を開けていてぽか〜んとしてるように見えるところがのんびりしていて良いです。日本の犬張子にも似た雰囲気がある気がします。紐を通すような輪が背中にありますが、この犬は置物だったのか、玩具だったのか、お墓に入れるためか、想像が膨らみます。 柴田是真 狗子 19世紀(明治時代) あら、と思ったのは、是真の狗子です。是真が犬を描くとこうなるんですね。丸々としていて人間臭い感じです。 狆 狆(チン)は、京博でも注目されていました。長さは一尺五寸、オランダ産、とありますので、45センチ!小型犬ですね。口は短くないように見えます。なので、「(現在のチンとは違って)外来の小型犬を総称して狆と呼んでいた」という説に沿っています。ただこの犬、何犬なんでしょうか。。毛がかられているのか、短い毛の犬なのか、よくわからないですけども。 犬にまつわる作品、面白かったです。 こちらのトーハクのサイト で展示されている犬ちゃんたちの人気投票をやっています。私も参加しました!行かれた方は投票してみてはいかがでしょうか。

2017年美術展覧会 マイベスト3

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その年に見た展覧会マイベスト3は、画廊での(無料の)展示はのぞくということにし、2017年は40は見たいとの目標を立てました。一応、書けてないものが2つ(うち1つは盆栽美術館の展示、もう1つはTOPだったと思います)、2回行った展示が1つあるので2017年度は 合計43展示 を見たようです。夏以降、仕事が激務になり、鑑賞が危ぶまれましたが。。2018年もなんとか40は鑑賞できたら嬉しいところです。 ちなみに、2016年は、36展示見ていた様子。 2016年マイベスト3 では、2017年度の12月から遡るリストです。 相国寺承天閣美術館「山水ー陰谷の声 遊山の詩」 新春特別展示「いぬづくし 十二支を愛でる」展 建築家「安藤忠雄展ー挑戦」 野生展ー21_21デザインサイト 運慶展ー東京国立博物館 オットー・ネーベル展ーBunkamuraザ・ミュージアム 長島有里枝 トリエンナーレ ベルギー奇想の系譜 ーボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで(Bunkamuraミュージアム) サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで(国立新美術館) アルチンボルド 不染鉄 ジャコメッティ展 x2 クエイ兄弟 川端龍子 -超ド級の日本画 〜山種美術館 ダヤニータ・シン  Okamoto Taro×Architecture ─衝突と協同のダイナミズム―  ヴォルス- 路上から宇宙へ展  静嘉堂文庫美術館 「珠玉の香合 香炉」展へ アドルフ・ヴェルフリ ソール・ライター展 横尾忠則 HANGA JUNGLE 大エルミタージュ美術館展 N・S・ハルシャ 絵巻マニア列伝 サントリー美術館 ミュシャ展 スラヴ叙事詩全20作 スケーエン:デンマークの芸術家村展 国立西洋美術館新館展示室 シャセリオー展 国立西洋美術館 テリ・ワイフェンバック The May Sun展 - 伊豆フォトミュージアム 雪村-奇想の誕生展 東京藝術大学美術館 山崎博 計画と偶然 - 写真美術館 TOP MUSEUM 日本画の教科書 東京編-山種美術館 SNOOPY ミュージアム「もういちど、はじめましてスヌーピー。」展 ゴールドマンコレクションこれぞ暁斎!世界が認めたその画力展 江戸の絶景 雪 月 花 展へ

相国寺承天閣美術館「山水ー陰谷の声 遊山の詩」展へ

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2017年の最後に見た展覧会は、 京都の相国寺承天閣美術館 での「 山水 」でした!こちらは、月曜もオープンしている美術館で、京都博物館は前日の24日までで休館になりましたが、25日の月曜にもありがたいことに開館しており、行くことができました。 しかし、相国寺の法堂は閉まっていました。残念! 師走も師走、クリスマスの日だったせいか、観客も少なく、静かに鑑賞できました。最初の写真の中のポスターにも書いてありますが、「 相国寺 金閣 銀閣の名品より 」とあります。金閣、銀閣は、相国寺に所属する建物、という立場なのですね。金閣や銀閣の方が観光スポットとして華々しいだけに、意外に思うかもしれません。 相国寺は、足利義満によって建立された、 臨済宗無想派 のお寺だそうです。「山水」展でも、初めの方に、夢窓疎石墨蹟という作品が展示されていました。仏夢想は、作庭家でもあったそうです。 さて、 山水とは、何か? ということですが、メモだけを頼りに私なりにまとめますと、日本の中世では、自然の中に仏性が宿ると考え、そこで生まれた風景画が「山水」である。そこは隠者が住まう場所でもあった。一方、近世になると、「山水」画は変化して行く。それは町衆が力を持っていた時代であるので、色々な階級の人が楽しむ「遊山」としての山水画が中心となった。さらにそれは、臥遊の世界ー身を横たえ、山に遊ぶことをイメージした絵画世界へと繋がっていく。ということで、この展示の「山水」では、「陰谷」「遊山」「臥遊」へと三つの展開でまとめられたものでした。分かりやすかったと思います。 陰谷の部にあった、 [江天暮雪図 牧谿、山水図屏風 雪村、松下眺望山水図 夏珪] (全て相国寺蔵)がよかったとメモにありますが、サーチしても画像が見つかりませんでした。 また、伊藤若冲の「若冲」は相国寺のお坊さんがつけた名前だそうです。彼の描いた大徳寺障壁画も展示されていました。それもとても素晴らしかったです。 また訪れたい美術館の1つです。 ■-□-■-□-■-□-■-□ 下記ランキングに参加しています。よかったらクリックしてやって下さい〜。 にほんブログ村 美術ブログ 美術鑑賞・評論へ 人気ブログランキング 美術鑑賞・評論 ブログランキングへ

京都国立博物館〜いぬづくし 十二支を愛でる

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2017年12月、暮れも差し迫る京都へ久々に行ってまいりました。なんと、翌日から休館日入るというその前日に滑り込みで、 京都国立博物館 へ行くことができました。クリスマスの日でもあったせいか、館内は空いており、ゆっくりと鑑賞することができました。 新春特別展示「いぬづくし 十二支を愛でる」展 は、12月19日から翌2018年1月21日まで 開催されており、干支関連の展示は、お正月からスタートする東博とは違って、12月から観ることができるようです。  その前に、東博のマスコットは、 ハニワの「トーハクくん」と「ユリノキちゃん」 ですが、京博のマスコットは、所蔵する 尾形光琳画の「竹虎図」のトラりん です。 尾形光琳「竹虎図」18世紀ーーこれが、下の写真のようにデフォルメされて、 京博のマスコット、トラりん!となったようです。 ラッキーにもトラりん登場に遭遇!気さくで、皆とハグや記念撮影に応じてくれるとってもサービス精神旺盛でした。 トラりんのオフィシャルサイト まで!う〜ん、これはトーハクの負けかも?巨匠作のキャラにはさすがに勝てないですよね。 オフィシャルキャラは東博の負けかと思いますが、干支の展示に関しては、東博の方がちょっと世界基準に合わせていて、写真撮影が一部OKなんですよね。もちろんフラッシュは禁止ですが。その点、 京博は撮影は一切禁止!博物館だけではなく、 全般的に、 京都は「撮影禁止」 が多かった、という印象です。それだけ観光客が多い、いや、多すぎるのでしょうね。 さて、「いぬづくし 十二支を愛でる」展ですが、最近は猫人気に押され、犬の飼育数が減ってるとはいえ、人類と犬の付き合いは長いし、さぞたくさんのものがあるだろうと思ったのですが、意外にも、思ったよりインパクトのあるものが少なかったです。多分、それだけ、「あまりにも人間に密接すぎる存在」だったのだろうか、、と思いました。 花卉鳥獣図巻 国井玉泉/江戸時代 狆(ちん) という小型犬の絵です。現在では、上の絵のように、チベットの犬を先祖に持つ、日本原産の短吻種(口の短い犬の種類)、白黒の長毛の小型犬を狆のことを指すらしいのですが、昔は外来の小型室内犬を狆と総称していたとか。現在も、狆だけでなく小型室内犬は大変人気ですし、昔と変わらないなと思いました。

安藤忠雄展〜挑戦

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2017年9月27日〜12月18日まで新国立美術館 で開催されていた、 建築家「安藤忠雄展ー挑戦」(新国立美術館開館10周年記念) を観た時の感想及び覚書です。 私が訪問したのは、最終日1日前の休日の午後でした。チケットは持っていましたので、並ばずにすみ、30分ほど、展示室の外に並びました。場内は満員、展示物を見るのも一苦労という状態でした。建築家の作品を「美術館でその活動の軌跡を観る」というのは、なかなか現物を持ってこれないために、展示に現物のリアリティの持つ迫力を表現するのに苦労すると思いますが、実物と原寸大の「 光の教会 」を屋外に作ったことで、他の建築家の展覧会とは一味違うリアリティを表現できていた稀有な展覧会であったと思います。 オリンピックスタジアムのザハの件もあり、安藤忠雄への不信感が私の中にあり、展示自体の内容を期待する気持ちになれずに行ったので、光の教会を美術館に再現するその政治力や、圧倒的な仕事量を展示で垣間見て、そのパワーの強さにある種の感動を覚えました。独学で建築を学ぶとか、エピソードが超人すぎて、誰もがただただ圧倒されたのではないかと思いました。 新国立美術館10周年を記念する、すごい展覧会だったと思います。 ■-□-■-□-■-□-■-□ 下記ランキングに参加しています。よかったらクリックしてやって下さい〜。 にほんブログ村 美術ブログ 美術鑑賞・評論へ 人気ブログランキング 美術鑑賞・評論 ブログランキングへ