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2017年11月に見たもの〜まとめ

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<ギャラリー> アンセル・アダムス展 ーフジフィルムスクエア ムン&チョン 「フリーダム・ヴィレッジ」展ーSCAI THE BATHHOUSE <美術館> 野生展 ー21_21デザインサイト 運慶展 ー東京国立博物館 オットー・ネーベル展 ーBunkamuraザ・ミュージアム 数、見れてないです〜。。 運慶は、、外で1時間ほど並びました。。。並ぶと知ってはいましたけど、人が多すぎて、鑑賞するには辛い状況。しょーがないですけど、、、気分的には撃沈しました。 オススメは、野生展と、ムン&チョンです。ムン&チョンはすごく政治的な内容を扱っているのに、ちょっとスチームパンクが入った美的な映像を用いることで、何だか奇妙な架空の世界に入り込んで行くかのような力がある作品でした。アンセル・アダムスもすごかったです。はるか昔にデジタルのような高画質を目指した写真家がいたのですね。その美しいオリジナルプリントに息をのみました。 野生展より 今年もあとわずか!!来年の展覧会情報もボチボチ出てきていますね。トーハクの干支にちなんだ初詣展覧会、いきたいな〜(今年は行けなかったのです)さて、みなさまも忙しい時期と思いますが、展覧会、まだまだ見て参りましょう〜。 ■-□-■-□-■-□-■-□ 下記ランキングに参加しています。よかったらクリックしてやって下さい〜。 にほんブログ村 美術ブログ 美術鑑賞・評論へ 人気ブログランキング 美術鑑賞・評論 ブログランキングへ

長島有里枝「そしてひとつまみの皮肉と、愛を少々。」東京都写真美術館

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東京都写真美術館 で開催中の長島有里枝の個展に行って来ました。美術館での大規模な個展は初めてだそうです。今や大物感のある写真作家ですが、初期の頃、確か90年代のガールズフォトのブームの時期に、最初の写真集を見た程度でした。で、正直、写真的な審美眼がない私には、彼女の魅力が昔はよく分からなかったのです。ユースカルチャーっていう感じかな、くらいにしか思っていなくて、初期の家族写真のシリーズをよく見もせずでしたが、あの家族写真のシリーズは破壊力がありますね。若い人たちも食い入るようにスライドを見ていました。写真=自分や他人の人生を記録するもの、という側面が大きい作家で、アラーキーに似た面があるのですね。夫を撮影したシリーズは、従来の、妻(彼女、女)=撮影される側、という構図が覆されているのが新鮮でよかったです。ま、そういうのも今や新鮮ではないですけど、パイオニアですよね。評価されている理由が少しわかった気がしました。 11月26日まで 。90年代ユースカルチャーや家族写真に興味がある方には特にオススメです。 追記* i-dのインタビュー がとても良かった。ガールズフォトという名前を当時そう呼ばれた作家たちがダサいね、って思っていた話、などなど。長島さんの作品理解につながるようなインタビューでした。おすすめです。 ■-□-■-□-■-□-■-□ 下記ランキングに参加しています。よかったらクリックしてやって下さい〜。 にほんブログ村 美術ブログ 美術鑑賞・評論へ 人気ブログランキング 美術鑑賞・評論 ブログランキングへ

映画:セザンヌと過ごした時間

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原題は「セザンヌと私」 。これはセザンヌと作家ゾラの二人の友情を描いた物語なのですが、「セザンヌと私」が原題ということならば、「私」とは、ゾラのことだと思いますが、視点はゾラ目線で描かれているということもなく、二人の人生を描いている、という内容だったと思います。この映画は、身も蓋もなくいいますと「エクスアンプロヴァンス」って美しいなあ、芸術家の妻は辛いなあ、真の成功とは何か、、という内容だったと思いました。観る価値ありです。オススメです。 ■-□-■-□-■-□-■-□ 下記ランキングに参加しています。よかったらクリックしてやって下さい〜。 にほんブログ村 美術ブログ 美術鑑賞・評論へ 人気ブログランキング 美術鑑賞・評論 ブログランキングへ

横浜トリエンナーレ2017、行って来ました。

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ご報告遅れましたが、 横浜トリエンナーレ2017「星と星座とガラパゴス」 行ってまいりました。 11月5日まで ですので、まだの方は、最後の三連休にぜひ!! 実は、第1回から行っておりますw 今回で6回目 !!わ〜恐ろしいっ。時間が経つのが早すぎる。で、思ったのが、前回より規模が小さくなってない?ガラパゴスなだけに小さく?と思ったのですけど、みなさんの感想はどうでしょうか?今や、北海道から沖縄まで、アートフェスが普通に開催される昨今、草の根的なヨコトリも含め、その存在意義が問われる時期に来ている気がします。作家側としてはチャンスが増えるからOK、行政側としても観光客が増えるからOK、で、その先は??本当に意味のある芸術祭になっているのか?そのテーマと中身が乖離していないのか?等々、色々考えることがある気がします。 さて、前置きは置いておいて、、ヨコトリを回るときのアドバイスを1つ。 赤煉瓦と横浜美術館をセットで1日目を見る場合は、赤煉瓦を先に!横浜美術館の方が映像作品が多いので、時間配分としては、美術館の方が多めに必要です。なので、先に赤煉瓦をみて、お昼は中華街で、そして午後から美術館でゆっくり映像作品も見る、と。そして今回から、撮影OK!となりました。時代の流れですね〜。18年目にして初めて撮影がほぼほぼ解禁。 以下、ネタバレありなので、3連休に観に行く!という方はスルーで。 風間サチコ ドン・ユアン アン・サマット 他に木下晋、ワエル・シャウキーが私の気に入った作品でした。アジアの作家が多くて良かったです。一方、私には、クリスチャン・ヤンコフススキーの写真&映像作品は理解できませんでした。私が持ち上げられた彫刻の作者だったら怒りますし、嫌な気持ちになると思います。そういうことを含め、問題提起することもテーマに含まれていて、賛否両論をまきおこすものこそ芸術の1つの役割、かもしれないですけど。 トリエンナーレ、よければ足を運んでみてください。 ■-□-■-□-■-□-■-□ 下記ランキングに参加しています。よかったらクリックしてやって下さい〜。 にほんブログ村 美術ブログ 美術鑑賞・評論へ 人気ブログランキング 美術鑑賞・評論 ブログランキングへ

9月に観たもの

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ベルギー奇想の系譜 ーボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで(Bunkamuraミュージアム)  サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで(国立新美術館)  映画: パターソン 感想を書く時間が持てず、とりあえず備忘録として観たものを。3つ。少ないな〜。 ベルギー奇想の系譜は1928年、 ヴァレリウス・ド・サードレールの「フランドルの雪」 という作品が好きになりました。ブリューゲルの「雪中の狩人」から狩人を追い払ったかのような風景画。面白かった。現代のベルギー作家も紹介されていてそれも面白かった。 フランドルの雪 サンシャワー は、職場の女子と何故、この展覧会は政治的な作品ばかりなのか?についてトークした。若い彼女は大学時代に、同じようなテーマで討論を授業でしたらしい。何故社会的なものが多いのだろう?私の勝手な推理では、政治的に不安定だと日々の生活の基本的な自由が脅かされるので、政治の安定を求める気持ちが人々の中に深くあり、アーティストもそういう社会問題にフォーカスして行くことが自然なものとしてあるのと、そういう作品を政治的に売り出そうとしている売り手がいるのかも。。と思った。 パターソンは傑作だった。 ジャームッシュ の映画はほぼ観てますが、これも良かった。今、この映画がマイフェヴァリットベスト10に入る予感がしてます。。この映画は、ハートブレイクな人が見ると、辛い映画かも。ものごく幸せな人の映画だから。。  10月はいよいよ、 トリエンナーレ に行きたい。。寒くなる前に行きたいのに、結局いつも寒くなってから行ってる!いつもの私のパターンです。。 ■-□-■-□-■-□-■-□ 下記ランキングに参加しています。よかったらクリックしてやって下さい〜。 にほんブログ村 美術ブログ 美術鑑賞・評論へ 人気ブログランキング 美術鑑賞・評論 ブログランキングへ

アルチンボルド展 - 国立西洋美術館へ

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アルチンボルド(1526?-1593)は、イタリアはミラノ生まれ、神聖ローマ帝国、ハプスブルグ王朝で歴代の皇帝に仕えた マニエリスムの画家 です。(日本では室町時代。同時代の作家には、ピーテル=ブリューゲルやダヴィンチなどがいます。) アルチンボルドは、生物や静物を使った独特な肖像画で有名で、今までの私のブログの中でも、 クエイ兄弟 が ピーター・ガブリエルのPVで アルチンボルドの肖像画をモチーフにした映像作品を作ったことに触れた事がありますが、現代でも大変人気のある作家だと思います。が、彼のユニークな肖像画は、当初、「 宮廷内に嘲りの声あり 」だったと グレゴリオ・コマニーニ の本の中で触れられているように、100%受け入れられていた訳ではなかったようではありますが、時の皇帝に愛され、アルチンボルドは今で言うところの 宮廷のアートディレクター の役割も果たしていたようです。具体的には、王の威光を皆に知らしめるための、プロパガンダとしての祝祭の演出家を務めたり、多忙な日々をウィーンにて送っていたようです。 私が最初に本物を見たのは、いつだったのかはっきり記憶にないのですが、2009年のだまし絵展(名古屋市美術館、Bunkamuraザミュージアム)で、 ウェルトゥムヌス(ルドルフ二世) を見たことは確かなようです。その後、 ウィーン美術史美術館 で、「水」を見て、その同じ「水」をまた今回見ることができました。(珍しく図録を買っており、かつ処分せず保存されていたので、判明しましたが、、図録、ないしメモは大事ですね。) 「水」 まあしかし、 春夏秋冬 とよく揃いで展示できたなと。。 アルチンボルドは宮廷画家ですので、普通の肖像画も描いていたのですね。(下の作品は出品されていません) 「マキシミリアン二世とその家族」 1563 なんかフツーですよね?キラリとしたものがない。。 そして、全く見た事がなかったものの中では、下の作品が興味深かったです。 「司書」1566 キュビスト の絵のようではないでしょうか??斬新です。当時にしたらものすごくアバンギャルドだったのではないかと。。。 他には、同時代の作家として、ダヴィンチのグロテスクなカリカチュアも展示されており、アルチンボルドよりもダヴィンチの方が先に、奇想絵の着想が

観たい映画メモ!詩人に関する映画が3本も公開中

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観たい映画メモです。何故か今月は結構たくさんあります!! な、なんと 詩人に関係する映画が3本 も!!なぜ??暦の上ではそろそろ9月。芸術の秋だからでしょうか? まず、 9月15日まで なので、急いで観に行かねば、の映画『 静かなる情熱 エミリ・ディキンスン 』 。 書簡集も英語版の詩集も読みましたし、ディキンスンファンとしては行かねばならない映画ですが、話が大体わかる、気がする。。そしてそんなにハッピーではない人生、なので、観た後に気が滅入るかもしれないのという憂慮もありますが、ディキンソンの映画って多分なかなかないと思うので、行く予定。 ● 静かなる情熱 エミリ・ディキンスン | 公式サイト 岩波ホール ● ジャームッシュ の新作『 パターソン 』。本日、8月26日より公開中です。ジャームッシュは昔から好きな監督です。今回は 詩人の7日間 を描いた映画だとか。 永瀬正敏 が ミステリートレイン 以来の出演を果たします。主演はスターウォーズのカイロ・レンを演じた アダム・ドライバー がバスの運転手(=ドライバー!!)で詩人である主人公パターソンを演じます。 パターソンという街に住む、ドライバーのパターソンさん役を、ドライバーさんが演じる 訳です!!これは面白そう。。新宿、有楽町、渋谷などで上映中。 ● パターソン| 公式サイト ● 最後に、イメージフォーラムで上映中の『 日曜日の散歩者 ーわすれられた台湾詩人たち 』も気になっています。1920−30年代の台湾、しかも古都台南で日本語で詩を書いていた詩人の話です。切ない話の気がするな〜。ディキンスンとはしご見したら辛そう?見るならパターソンと一緒に観るべきか。19日〜公開していて終了が未定。巡回もありの様子。 ● 日曜日の散歩者 ーわすれられた台湾詩人たち |公式サイト ● 最後に、『 セザンヌと過ごした時間 』です。 9月2日から、Bunkamuraルシネマ他で上映。ゾラとセザンヌの長年の友情 を描いた映画だそうです。監督は15年にも渡りリサーチをして制作にこぎつけたとか。売れっ子小説家ゾラが売れない画家セザンヌの事をモデルに小説を書いて、揉めるという話は有名ですが、それを描いた映画と思われます。美しい エクス=アン=プロバンス の映像が観れるといいなあ〜と映

リクシル 世界のタイルミュージアムへ

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残暑お見舞い申し上げます。 夏休みに、 愛知県常滑市にある、 リクシル(旧INAX)世界のタイルミュージアム へ行ってきました。 タイル好き、昔の便器などを見たいという人がいたらオススメです。 あれ?タイルミュージアムといえば、 岐阜の多治見にある、「多治見市モザイクタイルミュージアム」 じゃないの? ーと思われるかもしれませんが、実は、リクシルの世界のタイルニュージアムの方が、昔からあるようです。多治見の方は、 建築家 藤森照信 が設計した愛らしい建物ですが、常滑の方も地元の黒壁の建物を使った施設などもあり、なかなか良かったです。そして実は常滑と多治見はそんなに遠くないので、車であれば、はしごすることも可能かもしれません。 リクシルのタイルミュージアム は複合施設で、ミュジアムの他にも建物が複数あり、泥団子を作るワークショップのための建物、トイレの歴史を紹介するための小さな建物、などなど色々な施設があることには驚きました。昔の建築を紹介する建物では、先日リクシルギャラリーで見た、 武田五一 の資料もありました。 私は、久々に旅に出て、暑さとクーラーにやられたのか、タイルミュージアムにいる間ずっと偏頭痛がしており、ちょっと集中できないこともありましたが、なんとか全て見て回りました。 以下ざっくりと、写真でお送りします。 INAXとかいてありますねw 昔の日本のタイル 上の写真の拡大図。モザイク、いいですね。 円錐形のタイル モロッコだったかな?->偏頭痛でメモ取れず。 エジプトで使われたタイルの例。すでにタイルがあったのが驚き。 イスラムのモザイクタイルは寄木細工のように細かかったです。 デルフト焼きタイル イギリスのタイルとトイレw このレンガ、見たことない気がする。 いいアイデア。 昔の豪華な陶器トイレ。 トータルコーディネートw 厠下駄というそうです。 素敵だけど、夜中に入ったら転倒しそう。。 こちらは建築部材の紹介の建物にて 武田五一 同じく建築部材。美しいですね。 多治見のタイルミュージアムにも行ってみたいです。 それでは皆様、良い夏を! ■-□-■-□-

武田五一の建築標本展 -リクシルギャラリー

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上の写真ーこのハガキを見た時から、この展示は絶対に行くつもりでした。どこらへんがグッときたのかと言うと、金物の美しさ、しかも整然と並んでいる標本の美しさ、そういったものが見たかったのだと思います。 京橋のリクシルギャラリー は久々の訪問でしたが、やはり面白い展示をしますね。 武田五一、この人はNHKの朝ドラ「ごちそうさん」(杏ちゃんが主演のドラマ)に出てきた関西建築界の重鎮と言われた人物だそうです。広島は福山生まれ、 1872-1938 、若い頃の写真は美丈夫な感じでした〜w 美しいものを作る人が美しいと、ちょっと嫌味?な気もしますが、スター性が出てドラマにするのにうってつけですね。 武田五一は、英国に留学して、 アールヌーボーやセセッションを日本に紹介 、自分でも色々な建築資材を輸入し、資材の見本を作り、日本の近代建築をグッと底上げして近代化する為に尽力した建築界の大重鎮で、京都工芸繊維大学や名古屋工業大学の教授をつとめながら、精力的に資材の改良を考案しながら、建築物を西日本中心に作り続けて行き、今でもその建築物はたくさん見ることができますし、私も、 このサイト を拝見して、あ!ここは行ったこと/見たことあるね、という建物がいくつかありました。 ■□ 知らなかったことなどのロバメモ □■ ■□  卵鏃紋(らんぞくもん)egg-and-dart ornament  ー卵と鏃(やじり)の組み合わせの西洋の模様、建築物、特に装飾的な部位(モールディングなど)に使用されると思われます。 卵と鏃が交互に配置されている(クリックで拡大可) ■□ ロイロ仕上げ これはネットでもあまり情報がなかったのですが、どうも 漆塗りの仕上げの一種 のことのようです。五一はコンクリの上に、この漆仕上げの建物を作りたかったそうで、そこで、業者と協力し、漆にコールタール(だったと思いますがメモ詳しくはなし)を混ぜることで、コンクリに漆がしみ込んでいかないようにすることに成功したそうです。漆がこんもりと乗っているサンプルはどれもガラスやアクリルの質感とは違ってなんとなく艶が美しい気がしました。 展示は、小さなギャラリーで行われたので、 もっとたくさんの建築標本が見たかった です。そしてそれらを「撮影OK」にすべきだと思いました。そしたらもっとたくさん

没後40年 幻の作家 不染鉄 - 東京ステーションギャラリー

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1891年(明治24年)〜1976年(昭和51年) まで存命した、 不染鉄 (ふせんてつ/ふせん、が苗字、てつが名前。本名は、ふせん てつじ、だそうです。因みに、不染、という珍しい苗字は、賦船、という字であれば山形系の苗字であるようですが、それ以上はわかりませんでした。東京の小石川で、お寺の家に生まれたそうです。) 恥ずかしながら、今回、初めてその存在を知りました。 東京ステーションギャラリー さんは、いつも独特な企画をされて、個人的には、本当に目が離せない存在というか、いつも展示が秀逸で素晴らしいなあと思っています。今回もとても素晴らしい展示で、すっかり 不染鉄 に魅了されて大好きになってしまいました。 「いい人になりたい」 と言っていたという 不染鉄。 「芸術はすべて心である。芸術修行とは心をみがく事である」 とも言っていたそうです。 この笑顔!人柄がにじみ出てる〜。 上記の言葉を聞いて、私はショックを受けました〜。10代後半、そういうことをかなり熱心に考えていたことが一時期あり、その際に、「いや、作品の出来不出来と、人柄は関係ない。確かに高度な修練を重ねるうちに人格が研ぎ澄まされていくことはありうるが、本質的には作品そのものとは関係がないよ」というようなことを、周囲から言われ、そうなのか?そうなのかなー?と思いつつ、そうなんだ、、そうかもね。。と考えが次第に変化していった経験があります。。。 不染鉄は、結局、いい人になろうとし、自分の芸術には邁進したけど、政治的に動かなかったので、出世、とか、東京で認められる、とかは考えなかったので、こうして評価が遅れて「幻の作家」と言われてしまうようになったのかなあ、、、と思うと結構複雑な気持ちです。。。 まず、人生の変遷がすごい。東京->式根島->京都->東京->奈良、、、東京〜関西間をかなりうろうろと。しかも神奈川の鶴見、あと大磯?とかにも住んだことがあるらしい。自由だ!いいなあ。。。そして、東京での回顧展は今回初めて!故郷に錦を飾ったのですねー。なんだかしんみりきちゃいます。 作品そのものの話から逸れてしまいましたw 「山海図絵」1925 このチラシにもなった「山海図絵」、大きな絵でした。小さなところまで本当に細かく描かれていて、でも中

ジャコメッティ展、夏休みフェア

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新国立美術館で開催中の ジャコメッティ展 、7月19日から、 後期展示 が始まります。12点が展示替えされるらしいです。 あと、7月21日(金)から、ジャコメッティ展の図録を含むグッズ3,000円以上(税込)お買い上げの方に、 犬の彫刻のB3ポスター (非売品)をプレゼントするフェアを開催中とのことです。 フェア告知サイト スイス生まれ、フランスで活躍した アルベルト・ジャコメッティ(1901-1966) は、20世紀を代表する彫刻家のひとり。本展覧会はジャコメッティの大回顧展であり、マーグ財団美術館のコレクションを中心に国内コレクションの協力を仰ぎつつ、初期から晩年まで、彫刻、油彩、素描、版画など、選りすぐりの作品、 132点 が公開中。 公式サイト 私は前期に行きました。後期もぜひ行きたいです。 この後、 豊田市美術館へ巡回 するそうです。関西へは行かないみたいですね。 「国立新美術館開館10周年 ジャコメッティ展」 会期:2017年6月14日(水)~9月4日(月) 会場: 国立新美術館 企画展示室1E(東京・六本木) 主催:国立新美術館、マーグ財団美術館、TBS、朝日新聞社 一般問合せ:03-5777-8600(NTTハローダイヤル) 展覧会公式ホームページ 下記ランキングに参加しています。よかったらクリックしてやって下さい〜。 にほんブログ村 美術ブログ 美術鑑賞・評論へ 人気ブログランキング 美術鑑賞・評論 ブログランキングへ

ジャコメッティ展 - 国立新美術館

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「歩く男」1959年 スイス生まれ、パリで活動した、彫刻家、 アルベルト・ジャコメッティ(1901-1966年) の展示です。私の学生時代も周りでそれなりに人気があり、個人的にもいいなとは思っていたものの、まとめて観るチャンスがなく、ジャコメッティのみの展覧会は、今回が初めてでした。 何故、こんなに細長い立体像を作ったのか? 実は理由があったのですね、、当たり前か、、 モディリアニ の細長い絵には、細長く描く理由が説明されていたことがないように思うので、ジャコメッティも細長〜い人が好きなのかと勝手に思っていたら、彼なりの明確な理屈があったのだということが実はまず驚きでした。その理由は、 距離を含んだ全体として対象を捉えると、そう見えるから だそうです(言いたいことは分かるので、な、なるほど!と思いました。)見えたままを描く(作る)、という意味では尊敬していたらしいセザンヌの影響があるそうです。また、 アフリカンアートからの影響 が色濃いのも初めて知りました。そして、この細長い立体像は 44歳から作り始めた というからこれまた驚きでした。 ジャコメッティの作品にライトが当たり、地面に作品の影ができているのを見たとき、私は、「 名たんていカゲマン 」という山根青鬼先生の古い漫画を思い出さずにはいられませんでしたわ〜。 影って、冬は特に細長〜く見えること、ありますよね。ジャコメッティはカゲマンを作りたかった訳ではなく、見えたまま、記憶のままにブロンズ像を作ったわけなのですが。。 今回私の記憶のプールの中では、 「カゲマン」「首長族」「モディリアニ」「バリー・フラナガンのブロンズ像」 などが浮かび上がってきたんですが、皆さんは何を思い出されたでしょうか。 上/バリー・フラナガンのうさぎブロンズ像 下/モディリアニ グーグル画像サーチより ジャコメッティの細長い人間像に関して、もう1つ驚いたことがありました。 像の土台部が、ミシンの踏み板みたいな感じ なんですね。これは、細長いブロンズ像を支えるという現実的な理由もあるのだと思います。そして、それだけではなくて、足、特に甲の部分がとても他の部位に比べて大きいんですね。これまた重量を支える為という理由があるのかどうかはわかりせんが、土台部と合わせて、ジャコメッティ立像の