武田五一の建築標本展 -リクシルギャラリー



上の写真ーこのハガキを見た時から、この展示は絶対に行くつもりでした。どこらへんがグッときたのかと言うと、金物の美しさ、しかも整然と並んでいる標本の美しさ、そういったものが見たかったのだと思います。京橋のリクシルギャラリーは久々の訪問でしたが、やはり面白い展示をしますね。

武田五一、この人はNHKの朝ドラ「ごちそうさん」(杏ちゃんが主演のドラマ)に出てきた関西建築界の重鎮と言われた人物だそうです。広島は福山生まれ、1872-1938、若い頃の写真は美丈夫な感じでした〜w 美しいものを作る人が美しいと、ちょっと嫌味?な気もしますが、スター性が出てドラマにするのにうってつけですね。

武田五一は、英国に留学して、アールヌーボーやセセッションを日本に紹介、自分でも色々な建築資材を輸入し、資材の見本を作り、日本の近代建築をグッと底上げして近代化する為に尽力した建築界の大重鎮で、京都工芸繊維大学や名古屋工業大学の教授をつとめながら、精力的に資材の改良を考案しながら、建築物を西日本中心に作り続けて行き、今でもその建築物はたくさん見ることができますし、私も、このサイトを拝見して、あ!ここは行ったこと/見たことあるね、という建物がいくつかありました。

■□ 知らなかったことなどのロバメモ □■

■□ 卵鏃紋(らんぞくもん)egg-and-dart ornament ー卵と鏃(やじり)の組み合わせの西洋の模様、建築物、特に装飾的な部位(モールディングなど)に使用されると思われます。

Egg-and-dart ornament.jpg
卵と鏃が交互に配置されている(クリックで拡大可)

■□ ロイロ仕上げ
これはネットでもあまり情報がなかったのですが、どうも漆塗りの仕上げの一種のことのようです。五一はコンクリの上に、この漆仕上げの建物を作りたかったそうで、そこで、業者と協力し、漆にコールタール(だったと思いますがメモ詳しくはなし)を混ぜることで、コンクリに漆がしみ込んでいかないようにすることに成功したそうです。漆がこんもりと乗っているサンプルはどれもガラスやアクリルの質感とは違ってなんとなく艶が美しい気がしました。

展示は、小さなギャラリーで行われたので、もっとたくさんの建築標本が見たかったです。そしてそれらを「撮影OK」にすべきだと思いました。そしたらもっとたくさんの方が来たのではないでしょうかー。残念ながら、撮影は不可でした。

武田五一の建築標本 -近代を語る材料とデザイン
ギャラリー1(東京)2017年6月8日(木)~8月26日(土)
水曜日休み
AM10:00~PM6:00
入場無料


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