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大阪の国立民族学博物館へ

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ジャガンナード神(インド) 太陽の塔 の内部公開へ行ってから、そのすぐ近くにある「 国立民族学博物館 」(通称みんぱく、なのですが、民泊のイメージと被ってしまい、少し残念です、、)へ久々に行ってきました。この博物館は、文化人類学、民族学の研究とその成果を展示公開するための施設だそうです。創設は1974年。太陽の塔の内部で、 岡本太郎 が展示に用いた民族学的資料として優れた民芸品も収蔵されています。 日々、収蔵品はアップデートしているとのことで、無料で借りられる音声ガイドの項目がなんと400以上はあったと思います。これは途中で聴くのを断念!!なぜかと言うと、全てを見て回る時間が足りなくなってしまったからです。 初めて、みんぱくへ行かれる方は、十分に時間を取ることをおすすめします!もしくは、1回で見るのは諦め、ターゲットを絞ることをお勧めします。 さて、展示なのですが、A〜Cブロックに分かれており、 世界の様々な地域に分かれて展示 されていて、世界旅行をした気分になれます。数も半端ないですし、展示も、 現代アートそのものでは、、という展示も数々あり 、インスパイヤされることしきり。非常に充実した時間を過ごすことができました。 いくつか、写真を紹介します。まずは、お昼ご飯から。ランチは、博物館内のレストランで食べました。 クリックで拡大できます〜 メニューはさすが!エスニック料理が各種用意されており、楽しいランチとなりました。 写真撮影はokでした。以下、いくつか写真でご紹介します。行ってから楽しみたいと言う方は、これ以降は見ないでくださいね〜。 インドのコーナーにて。すごい物量でした。 こちらもインド。山車と思われます。巨大でした。 パプアニューギニアの仮面。中に人が入るそうです。 先祖の霊が降臨すると考えられているとか。 右のお面は、、あの「カオナシ」に似ていませんか!? 中国の少数民族の衣装。 左の帽子?は、、太陽の塔の顔に似ている!? と、アートに引用されたのでは!?と思われる類似点の発見をしては楽しんでいましたw が、インスパイヤしてしまう気持ち、わかります。本当にフォークロア・アートは美しい。。 そしてこれは日本のコーナーより、山菜採り用の地下足袋です!

太陽の塔、内部公開へー太陽の塔ミュージアム

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太陽の塔、内部公開へ行ってきました〜。楽しかったです!完全予約制でした。 こちらから予約できます。 そして、緑地は吹きっさらしなので寒い!! 私は、10時半の予約で入ったのですが、時間前に着いてしまい、どうしよう、外は寒いし、と思っていたらどうやら中にはとりあえず入れてもらえるようでした。 ガイド付きでグループ16名ほどに別れて観覧しました。 なので、最後の方に入館した方は、5名くらいで閲覧できており、あらら?と思いましたが、仕方ないw ガイドの方はマイクを使っているわけではないので、説明の声が聞こえなかったりもします。3箇所くらいで止まって、解説を聞きました。写真撮影は一切禁止です。身を乗り出したりして危なそうですもんね。ただ1箇所でいいから、撮影スポットくらい欲しかったですね。 太陽の塔、トーテムポールに似ているように思います。万博時代は、この両手の中に、エレベーターがあり、違う建物へ移動できたとか。70年代に考えられた未来ですね。かっこいい。なんかこう、怪獣ぽくって可愛いんですよね。太陽の塔が見れれるところに実家がある友達がいるのですが、ちょっと羨ましい。 聞いた話では、この万博に参加するのか、しないのかで、当時の芸術家の間では議論があったらしいのです。万博参加=体制側ということで、自由で自律した存在であるべき芸術家が体制側につくのか、と。岡本太郎は、そういうこともあり、この万博参加で相当疲労してしまったと聞きました。それだけ、仲間からの圧も強かったのでしょうね。 一方、現代では2020年のオリンピックに芸術家が協力するのは名誉な事とされていて、議論なんて全然ない。そう思うと、今の芸術家は問題意識が低いのではないかと思ったりしてしまいますが、時代が違うのでしょうか?乗っかった方が、名前も残るし、売れるし、いいじゃないかということでしょうか。議論すら出ないのが寂しい気がします。そんなことをふと思いました。  ■-□-■-□-■-□-■-□ 下記ランキングに参加しています。 よかったらクリックしてやって下さい〜。 にほんブログ村 美術館・アートミュージアム 人気ブログランキング 美術鑑賞・評論 ブログランキングへ

描かれた「わらい」と「こわい」展 ─ 春画・妖怪画の世界 ─京都細見美術館

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終了間際のご報告となってしまいましたが、細見美術館へ行ってきました。 「描かれた「わらい」と「こわい」展 ─ 春画・妖怪画の世界」 です。 「笑い」と「怖い」、という相反する感情をテーマにした日本画の展示でした。怖い!でも面白い!ということなのかと思いつつ、見てきました。 細見美術館は、ロッカーが外にあるので、寒い日には注意が必要です。 18歳以上のみ入場可能です。 2018年12月9日までの展示です。  ■-□-■-□-■-□-■-□ 下記ランキングに参加しています。 よかったらクリックしてやって下さい〜。 にほんブログ村 美術館・アートミュージアム 人気ブログランキング 美術鑑賞・評論 ブログランキングへ

マルセル・デュシャンと日本美術/京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ

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更新がだいぶ滞ってしまいました。酷暑の夏は美術館から足が遠のき、そのまま初冬に至った次第。。そんな中、東博へはなんとか行けておりましたので短い感想を。 正直に感想を書きますが、個人的には、デュシャンと日本美術を結びつけなくてもよかったのでは、、と思いました。色々と諸事情があったのかもしれませんが、個人的には、デュシャンの展示内容だけをもっと充実させて欲しかったです。 写真は有名な瓶を乾燥させるレディメイド作品です。私はこの形が好きなので、新品が販売されているのを見つけた時に、買おうかと思ったことがあります。マグカップをかけてディスプレイ収納したらいいなあと思ったのですが、日本のキッチンには大きすぎるので諦めたのでした。 東京国立博物館 マルセル・デュシャンと日本美術 2018年12月9日までです。 ----------- 東博で、デュシャンと同時開催されているのが、 特別展「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」 です。こちらも会場は、すぐ隣なので、一緒に行くことをお勧めします。京都にある、千本釈迦堂として知られる、真言宗智山派の大報恩寺の秘仏が公開されていました。鎌倉彫刻、特に慶派の秘仏がたくさん展示されておりました。これらは、お寺の外に持ち出すのは初めてだそうです。。 聖観音菩薩立像/定慶作 展示の解説で、 仏像の「耳」に注目してみよう というのがありました。 この耳の中の軟骨である「Y」字型のライン(対耳輪)には、それぞれ「上脚(じょうきゃく)」「下脚(かきゃく)」という名前があるそうです。   快慶 の一門にはこの部分に特徴があり、それにより作者を見分けられることがあるそうです。例えば、快慶は、上脚が斜め上方向に伸びていることが多いそうです。また、 行快 の耳は上の図のように耳たぶに穴が空いていることが多いとか(加えて目尻は上がり気味のものが多いそうです)仏像は、主に頭と耳の形に特徴があるそうです。仏像の中には、確かに、上脚が、垂直方向に伸びたものもあったりと、様々でした。耳に注目するのも面白いなと思いました。 話が変わりますが、 仏像の手相 を見る方もいらっしゃるとか。大仏様には生命線がない、とかあるとか、諸説あるようですが、この手相もまた興味深い見方ですね。 こちらの展覧会も東京国立

2018年晩夏〜秋、これから観たいもの

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{映画} クレアのカメラ(ホンサンス) ペギー・グッゲンハイム アートに恋した大富豪 {美術展} 琉球美の宝庫  サントリー美術館(~9.2まで) イサム・ノグチ ─ 彫刻から身体・庭へ  オペラシティアートギャラリー(~9.24まで) 仙厓礼賛 出光美術館(9.15-10.28) 滋賀の佐川美術館の田中一村展が一番観たいです。。。  ■-□-■-□-■-□-■-□ 下記ランキングに参加しています。 よかったらクリックしてやって下さい〜。 にほんブログ村 美術館・アートミュージアム 人気ブログランキング 美術鑑賞・評論 ブログランキングへ

夏休み色々〜東大博物館、原美術館など

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東京大学総合研究博物館 暑中お見舞い申し上げます!ご無沙汰してしまいました。2018年夏、平成最後の夏は猛暑ですね。ついつい美術館どころか、外出から足が遠のいております。これから晩夏へ向け、できればもう少し美術館へ行ってみたいと思っています。皆さんも、外出時は十分お気をつけください。 まとめての簡略レポとなりますが、ご容赦ください。 内藤正敏 異界出現(2018.5.12-7.16)東京都写真美術館 内藤は一見、多様な作品展開を見せる理系出身の写真作家で、初期はコラージュ的なSF風の作品を発表していましたが、その後、都市を撮ったり、民族学的アプローチで<婆バクハツ!>の恐山のイタコに取材したり、日本のミイラを撮影したり、、など、すごい作品量でした。迫力ありました。ミイラがすごかったです。。。 小瀬村真美:幻画〜像(イメージ)の表皮(2018.6.16-9.2)原美術館 この作家は長らくネット上でのみ作品を知っており、今回まとめてレジデンスで海外滞在した際の作品群が観れるとのことで、期待して行きました。好きなタイプの作家だと思うし、趣味が合う気がしたのですが、期待が大き過ぎて、少しだけ肩透かしだったような感じもあります。デジタルを使った作品は、ネットで見るのには適していても、現実の展示としての展開が難しいと感じることが多いのですが、その辺がやはりもう少し、私には物足りなかったのかもしれません。 珠玉の昆虫標本 (2018.7.14-10.14)  東京大学総合研究博物館 夏休みのお子さんがたくさん来ていました。 東京駅KITTE にも標本が並ぶ東大のギャラリーがありますが、こちらは本郷の東大内にあります。無料です。今回は蝶のコレクション展でしたが、すごい量でした。写真OKです。構内のわらび餅やかき氷が有名な、「 厨菓子くろぎ」 (隈研吾建築)は1時間半待ちでした!先に、予約してから博物館を見るのがよろしいかと思います。 東京大学総合研究博物館  ■-□-■-□-■-□-■-□ 下記ランキングに参加しています。 よかったらクリックしてやって下さい〜。 にほんブログ村 美術館・アートミュージアム 人気ブログランキング 美術鑑賞・評論 ブログランキングへ

イントゥ ザ ピクチャーズ -写真の定番作を見に写美へ

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TOP MUSEUM(東京都写真美術館) 2018.5.12(土)—8.5(日) 休館日:毎週月曜日(ただし7月16日(月・祝)は開館、7月17日(火)は休館) TOPコレクションよりの展示だそう。 フライヤーのデザインが好きで、行く気になりました。載っているのは、 ピカソ のポートレート。よく見ると、手がパンでできていて、面白い ドアノー の撮影したポートレートです。展示作品はいわゆる有名作家のみなので、ザ定番!が見たい方にはオススメです。 「たのしむ、まなぶ」 という展覧会のサブタイトルがついてるので、写真通史がわかるのではなく、楽しい作品があつめられているという印象でした。ささっと見てしまって、いけないなと思ったのですが、特別な解説もなかったので、その鑑賞でもいいのかなと思いました。でも何か見落としている気がして、解説がどこかにあっても良かったのかなと、欲張りな私は思ってしまいました。夏休みのデートにおすすめかもですね〜w  ■-□-■-□-■-□-■-□ 下記ランキングに参加しています。 よかったらクリックしてやって下さい〜。 にほんブログ村 美術館・アートミュージアム 人気ブログランキング 美術鑑賞・評論 ブログランキングへ

縄文―1万年の美の鼓動展へ

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行ってきました、東博の縄文展! 今年のベスト展覧会入りするのではという人もいるそうです。縄文はファンが熱いですね!私ももちろん好きです。 展覧会を見て知ったこと〜 1.縄文時代は6つに区分される。(約1万年持続) 2.縄文時代のピアスは、耳たぶに穴を開けて、その中に玉を突っ込んで皮膚を広げる感じで装着させるものがある。 3.土偶は、故意に割られて埋められているので、完全な形で出土することはない。 2018年7月3日(火) ~9月2日(日) 9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで) (ただし、金曜・土曜は21:00まで開館。日曜および7月16日(月・祝)は18:00まで開館) 特設サイト 東博の案内サイト グッズも充実してました! とりあえず、ハガキと、小さな土偶を買いました。写真なくてすみませぬ。 下の写真は、岡本太郎の愛した逸品だそう。撮影可のコーナーにて。  ■-□-■-□-■-□-■-□ 下記ランキングに参加しています。 よかったらクリックしてやって下さい〜。 にほんブログ村 美術館・アートミュージアム 人気ブログランキング 美術鑑賞・評論 ブログランキングへ

写真都市展 −ウィリアム・クラインと22世紀を生きる写真家たち

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六本木の21_21 DESIGN SIGHTにて開催中の 「写真都市展 −ウィリアム・クラインと22世紀を生きる写真家たち−」 へ遅まきながら行ってまいりました。 2018年2月23日(金)- 6月10日(日) 21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー1&2 休館日/火曜日(5月1日は開館) 火曜が休館なのですよね。界隈の国立新美術館や 東京ミッドタウンのサントリーミュージアム も同じ 火曜日休館 ですね。 さて、こちらの展覧会は、伝説的な存命の写真家、映画監督の ウィリアム・クライン が、車椅子に乗り、現在の東京を撮影した新作がある!と聞いて、大変期待して行ったのですが、 「クライン&」 ということなのですね〜。 彼の作品は、過去作と合わせ、最初のコーナーにてプロジェクションにて展示されていました。プロジェクションも面白かったのですが、思ったより数が少なくて、残念でした。。プリントでも普通にたくさん見たかったです。。(でも見る価値はあります!特に、クラインを知らない方にはおすすめです) ディレクターは評論家の 伊藤俊治 氏で、「ヴィジュアルコミュニケーションの新しい冒険」をテーマにしたそうです。なので、参加作家は、伝統的な意味での写真ではなく、写真をカッティングしてあったり、コラージュしてあったり、多重露光してあったりと一手間加えたアート寄りの作品が多かったです。 参加作家 ウィリアム・クライン、石川直樹+森永泰弘、勝又公仁彦、沈 昭良、須藤絢乃、TAKCOM、多和田有希、西野壮平、朴 ミナ、藤原聡志、水島貴大、安田佐智種 写真のみの展示って、いろんな意味で難しいものなのですね。 鑑賞者が飽きないようにしなくてはならないし、ビデオインスタばかりでも疲れる。 ちょっと考えさせられる展示でした。  ■-□-■-□-■-□-■-□ 下記ランキングに参加しています。 よかったらクリックしてやって下さい〜。 にほんブログ村 美術館・アートミュージアム 人気ブログランキング 美術鑑賞・評論 ブログランキングへ

ターナー 風景の詩(うた)

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この展覧会は、京都から巡回してきて、この後郡山に巡回する巡回展です。 東京展  2018年4月24日(火)~7月1日(日) 東郷青児記念館 郡山展 2018年7月7日(土)~9月9日(日) 郡山市立美術館 『ターナーの水彩、油彩、版画作品約120点を、「地誌的風景画」「海景‐海洋国家に生きて」「イタリア‐古代への憧れ」「山岳‐あらたな景観美をさがして」という4つの章でご紹介し、その核心と魅力に迫ります。』------  展覧会公式ウェブサイト より ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー(1775-1851) の展覧会は、今までも度々日本で開催されてきました。 この展覧会の特徴は、小品の水彩、版画が中心で、日本初公開のものも多いというところでしょうか。数が多いのもポイントです。今までターナー展を度々見てきた方には、大作品とはまた違ったターナーの一面を見ることができるのではないでしょうか。 まず、著名なターナーの絵画は、 ぼんやりした蜂蜜色の光、渦巻状の煙、波、雲 、と言った、抽象絵画につながるかのような風景画や海景画ではないでしょうか。これらのスタイルは、どちらかというと ターナーの晩年 に特等的なものなのだそうです。 今回、版画の展示が多いのですが、私にとって少し意外だったのは、 ターナーが自作の版画を重視していた らしいということです。 英国各地の風景を版画にすることにより、それは 旅行ガイド の役割を果たすとともに、自作の普及への一助となったため、ターナーは厳しく彫版師を管理し、喧嘩も絶えなかったとか。自ら彫ることもあったそうですが、大半は、彫版師に頼んでいたそうです。 そして、版画や水彩の小品には、 人間が結構描かれている のも今回の新たな発見でした。 しかも、結構可愛いというか、イラスト的というか、晩年のぼんやりした蜂蜜色の風景からは想像ができませんでした。下の2点は、水彩ですが、人物がどこか愛らしく、ターナーの海景画からは想像できないものがあります。 20のヴィニエットのうちの1点ーヘルゴランドの死の舟 1835頃/水彩 モンテ・マリオから見たローマ(部分)1820/水彩 話が逸れますが、日本では、 歌川広重が東海道五十三次を製作したのは、1832年 。これも旅行ガイド的な版画です

モネ それからの100年 -名古屋市美術館/横浜美術館

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GW中に、旅の途中でふらっと久々に 名古屋市美術館 へ行ってきました。 前回訪問してから、多分、20年ぶりくらいでしょうか。。。 バリー・フラナガン の野うさぎ彫刻が出迎えてくれました。 箱根彫刻の森 にも、フラナガンの野うさぎのシリーズがあります。躍動感ある楽しいウサギ彫刻ですが、目が悲しげなようにも見えます。好きなシリーズです。最近彼の新作の噂が日本には入ってこないように思うのですが、お元気に制作されているのでしょうか。。。 ===================== 「モネ それからの100年」 名古屋市美術館 開館30周年記念  会期:2018年4月25日(水)~7月1日(日) 休館日月曜日 オフィシャルサイト 横浜美術館 に巡回します! 会期:2018年7月14日(土) ~ 9月24日(月・休) オフィシャルサイト ===================== 実は、予備知識なく行きました。 なんとなくその時は、印象派を見る気分ではなかったのですが、この展覧会は、 「印象派の展覧会」ではなく「現代美術」の展覧会でもありました。 「モネ」の遺産を受け継いだ作家たちというテーマで集められた展覧会で、作家や主義で集められた展覧会ではなく、時代や国を超えたテーマのある展覧会こそ、最近見たいと思っている展示のあり方でしたので、予期せず、旅先で良い展覧会に遭遇できラッキーでした。 美術史専攻の友人曰く、『 美術史は歴史なので、時代を超えて論証することは好まれない傾向にある』 とのこと。展覧会は、美術史と関連が深いのは当たり前ですが、 そろそろ、もっと自由な展示があってもいいのではないか。。 と個人的には思います。 さて、本題ですが、まず、 なぜ100年なのか? と思いました。 クロード・モネ(1840-1926) が 睡蓮の制作に着手 してちょうど100年だから、ということだそうです。今年は、印象主義音楽とも言われる、 クロード・ドビュッシー(1862-1918) の 没後100年 にも当たります。(二人ともクロードですね!) シュールレアリスムの作家、 アンドレ・マッソン の1975年の言葉に以下のものがあるそうです。 「つまり、モネは印象派ではなく、 あらゆる現代美術の生みの親ではないの

「光画」と新興写真 / 写真発祥の原風景 長崎 ー東京都写真美術館

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GW中にアップしたかったのですが、会期が終了後のレポとなってしまいました。 この展示は現在、終了しています。 「光画」と新興写真  モダニズムの日本 写真発祥の原風景 長崎 この2つはそれぞれ異なる展示ですが、便宜上1つにまとめました。 GWの最中、 恵比寿の写真美術館 へ久々に行ってまいりました。 まず、 「光画」と新興写真 ですが、正直に言いますと、勉強不足で何のことやら全く分からず、ただ、フライヤーに使用されている写真が、「お、 シュールレアリスム のかほり?」と思わせるもので、気になる感じでしたので、行ってみた感じです。  「光画」も「新興写真」も時代は 1930年頃 、 「光画」は雑誌名、「新興写真」はグループ名で、 「リアリズム写真」の影に隠れて今まで見過ごされることが多かった そうです。 木村伊兵衛 は「光画」の関係者だったそうで、作品も並んでいました。 中山岩太<福助足袋>1930年 中山岩太<・・・・>1932年   中山岩太 、かっこいいです。シュールです。ポートレート(煙をふかす白人女性のもの)も有名ですが、彼の フォトグラム は繊細で美しいです。 小石清<クラブ石鹸>1931年  小石清 もシュールで良いです。時計がぐわ〜んと歪んだフォトグラム?の作品も好きです。 佐久間兵衛<・・・・>1932年ころ 佐久間兵衛は、 ノイエザッハリッヒカイト 系ですね。直線、メカニカル、といった都市の美も時代を感じさせつつ、時に超越していて、かっこいいです。 この<・・・・>というタイトルがたまに出て来ていますけど、漫画の吹き出しの「・・・・」と同じなのか、分からないですけども、何でしょうか。面白いですね。 以下、公式サイトからの引用です。 『本展は1930年前後に日本の写真史において盛んとなっていた「新興写真」に注目した展覧会です。「新興写真」とはドイツの「新即物主義(ノイエザッハリヒカイト)」やシュルレアリスムなどの影響をうけ、それまでのピクトリアリズム(絵画主義写真)とは異なり、カメラやレンズによる機械性を生かし、写真でしかできないような表現をめざした動向です。  『光画』とは1932年から1933年まで

いかにして建築が音楽を進化させたか?ー美術も同じか?

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興味深いTED TALKがありましたので、シェアしたいと思います。 デビッド・バーン:いかにして建築が音楽を進化させたか(日本語字幕付き) David Byrne デビッド・バーン は、 トーキングヘッズ というポップバンドを昔やっていました。その後、映画「 ラストエンペラー 」で 坂本龍一 と一緒にサウンドトラックを作ったりしたところまで知っていましたが、その後も音楽制作していたんですね。しかも、ウィキのおかげで、彼が実は ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン (著名人をたくさん輩出している、アメリカの美術系大学の中のトップスクールと聞きます)出身でアメリカに住むイギリス人だったということを今更知りました。 で、本題のTED  TALKですが(注意:ネタバレあり)、ハコによって音楽はその場所に適した形で発展、変化してきたという内容で、納得です。音楽だけではなく、美術も同じだと思いました。そして、その「発表する環境」に合わせて制作するというのもありだとバーンは言います。美術の場合も、美術館、ギャラリー、またはアートブックに載せる際、などなど、発表する場所により形態を変えることはありでしょう。土地によってもそれは違うとも思います。例えば、アメリカのごく限られた都市部を除いては、家屋は日本より大きく、その場合、そこにあうアートを考えると、制作場所も広いし、当然日本で制作するよりも大きめのものが好まれる、とか大きなものを展示するキャパがある、とか、そういうことは十分に考えられます。 加えて、近年、MP3で鑑賞するというのに合わせて発展してきた音楽もある、とバーンは言います。周波数帯がレコードとは違うのでその音域にふさわしい音楽が好まれ、作られると。美術も、モニター越しにまず見る機会が増えていると思います。インターネットデータベースにアクセスし、色々な美術館の作品が自由に鑑賞できるようになってきています。そんな中、実際に実物を見たときに、あれ、思ったより色が浅い、シャープネスが低い、と思ったことはないでしょうか?私はあります。つまり、photoshopなどで、ネット上で鑑賞するのにふさわしい形に整えられているのと、色の表現がモニターと絵の具は違うというのものあると思います。そんな中でモニターで見るのに最適化した

映画「さすらいのレコード・コレクター 10セントの宝物」

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原題:「Desperate Ma Blues」 2003年の映画です。 現在、 新宿K's Chinema にて公開中です。 全国を巡回予定。詳細は こちら をごらんください。 この映画は、「すごいアメリカ人発掘」ドキュメンタリーの流れを汲む作品だと私は思いました。 海外版のフライヤー 海外版のデザインの方が私は好きです。タイトルもすごく違いますね。日本版は「ほんわか」してますね。 「ハーブ&ドロシー」「ソール・ライター」「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」「アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー」 などの近年公開された アメリカ人のドキュメント映画 と似た匂いがします。どれも観ましたが、の 「さすらいのレコード・コレクター 10セントの宝物」 は「 鬼コレクター 」という点では、「ハーブ&ドロシー」に似ていますが、音楽を扱っている、という点と、ジョー(このドキュメンタリーの主人公)は新しいものではなく、 古いブルース、カントリー、ブルーグラス のレコード(しかも、LPではなくSP版)を集めている点が特徴的です。 SP版 とは、天然樹脂などでできた「 78回転 」のレコードで、 LPレコード (プラスチック製、 33回転 )ができる前、およそ1940年代より前のレコードのことだそうです。ジョーは、アメリカ発祥の黒人音楽であるブルーズや、カントリー、ブルーグラスといった音楽が、商業主義に飲み込まれていってしまう前、自由に純粋に演奏されていたこれらの音楽が録音されているSP版のみを集めていて、その数は、 25000枚 !だそうです。 故人となった夫人も、近くに住む娘も父のコレクションに理解があり、コレクターとしてはかなり幸せな部類の人ではないかと思います。しかも、ジョーは、コレクションを 「綺麗に」 びっしりと並べています。ぐちゃぐちゃのごちゃ混ぜ!ではないのです。今まで見たドキュメンタリーでは、整頓状態がそこまではよろしくないコレクターが多かったように思いますが、ジョーは違うんですね。 SP版はカビや衝撃に弱い ので、きちんとしてないと保存できないという面もあるとは思いますが、性格が出ていて面白いなと思いました。 ロバート・ジョンソン サン・ハウス ジミー・ロジャーズ ジミー・マーフィー などな