映画「さすらいのレコード・コレクター 10セントの宝物」



原題:「Desperate Ma Blues」 2003年の映画です。
現在、新宿K's Chinemaにて公開中です。
全国を巡回予定。詳細はこちらをごらんください。

この映画は、「すごいアメリカ人発掘」ドキュメンタリーの流れを汲む作品だと私は思いました。

海外版のフライヤー

海外版のデザインの方が私は好きです。タイトルもすごく違いますね。日本版は「ほんわか」してますね。

「ハーブ&ドロシー」「ソール・ライター」「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」「アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー」などの近年公開されたアメリカ人のドキュメント映画と似た匂いがします。どれも観ましたが、の「さすらいのレコード・コレクター 10セントの宝物」は「鬼コレクター」という点では、「ハーブ&ドロシー」に似ていますが、音楽を扱っている、という点と、ジョー(このドキュメンタリーの主人公)は新しいものではなく、古いブルース、カントリー、ブルーグラスのレコード(しかも、LPではなくSP版)を集めている点が特徴的です。

SP版とは、天然樹脂などでできた「78回転」のレコードで、LPレコード(プラスチック製、33回転)ができる前、およそ1940年代より前のレコードのことだそうです。ジョーは、アメリカ発祥の黒人音楽であるブルーズや、カントリー、ブルーグラスといった音楽が、商業主義に飲み込まれていってしまう前、自由に純粋に演奏されていたこれらの音楽が録音されているSP版のみを集めていて、その数は、25000枚!だそうです。

故人となった夫人も、近くに住む娘も父のコレクションに理解があり、コレクターとしてはかなり幸せな部類の人ではないかと思います。しかも、ジョーは、コレクションを「綺麗に」びっしりと並べています。ぐちゃぐちゃのごちゃ混ぜ!ではないのです。今まで見たドキュメンタリーでは、整頓状態がそこまではよろしくないコレクターが多かったように思いますが、ジョーは違うんですね。SP版はカビや衝撃に弱いので、きちんとしてないと保存できないという面もあるとは思いますが、性格が出ていて面白いなと思いました。

ロバート・ジョンソン
サン・ハウス
ジミー・ロジャーズ
ジミー・マーフィー

などなど、たくさんの音楽が映画の中で流れます。



私はブルーズに詳しくないのですが、ブルーズがとても盛んな街に一時期住んでいたことがあり、聴くのは大変好きで、ジョーが集めているレコードのシンガー達よりもっと新しいブルーズとカントリーですが、たまに聴いています。

そう、でも、やっぱりレコードで聴きたいですよね。。

良い感じのひとときが過ごせました。
音楽好きな方にオススメです。



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