いかにして建築が音楽を進化させたか?ー美術も同じか?
興味深いTED TALKがありましたので、シェアしたいと思います。
デビッド・バーン:いかにして建築が音楽を進化させたか(日本語字幕付き)
David Byrne |
デビッド・バーンは、トーキングヘッズというポップバンドを昔やっていました。その後、映画「ラストエンペラー」で坂本龍一と一緒にサウンドトラックを作ったりしたところまで知っていましたが、その後も音楽制作していたんですね。しかも、ウィキのおかげで、彼が実はロードアイランド・スクール・オブ・デザイン(著名人をたくさん輩出している、アメリカの美術系大学の中のトップスクールと聞きます)出身でアメリカに住むイギリス人だったということを今更知りました。
で、本題のTED TALKですが(注意:ネタバレあり)、ハコによって音楽はその場所に適した形で発展、変化してきたという内容で、納得です。音楽だけではなく、美術も同じだと思いました。そして、その「発表する環境」に合わせて制作するというのもありだとバーンは言います。美術の場合も、美術館、ギャラリー、またはアートブックに載せる際、などなど、発表する場所により形態を変えることはありでしょう。土地によってもそれは違うとも思います。例えば、アメリカのごく限られた都市部を除いては、家屋は日本より大きく、その場合、そこにあうアートを考えると、制作場所も広いし、当然日本で制作するよりも大きめのものが好まれる、とか大きなものを展示するキャパがある、とか、そういうことは十分に考えられます。
加えて、近年、MP3で鑑賞するというのに合わせて発展してきた音楽もある、とバーンは言います。周波数帯がレコードとは違うのでその音域にふさわしい音楽が好まれ、作られると。美術も、モニター越しにまず見る機会が増えていると思います。インターネットデータベースにアクセスし、色々な美術館の作品が自由に鑑賞できるようになってきています。そんな中、実際に実物を見たときに、あれ、思ったより色が浅い、シャープネスが低い、と思ったことはないでしょうか?私はあります。つまり、photoshopなどで、ネット上で鑑賞するのにふさわしい形に整えられているのと、色の表現がモニターと絵の具は違うというのものあると思います。そんな中でモニターで見るのに最適化したアートが、どんどんこの先、生まれて来るように思います。そうすると、それはもはや「イメージデータ」であり、物質としてのアートを捨てることになるかもしれないですね。一方、音楽でもレコードを愛好する若者がアメリカで増えていて、日本でも例えば、チェキなどのインスタントカメラを愛好する若者が多いということを考えると、逆方向のベクトル、時代を遡るかのような動きも同時にあるわけです。面白いですね。音楽、美術といった芸術がこの先どう変わって行くのか、興味は尽きないです。
TED TALK、字幕付きですので是非ご覧ください。
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