横尾忠則 HANGA JUNGLEへ!



町田市立国際版画美術館へ久々に行ってきました。
美術作家、横尾忠則の60年代〜現在に至るまでの、250点あまりの版画と印刷物(ポスター)を展示するこの展覧会、このフライヤーからしてアイキャッチ力があります。

横尾忠則は、1936年兵庫県西脇市で生まれます。最初に頭角を現したのは、イラストレーションなどのグラフィックアートの世界でした。31歳の時、天井桟敷にも参加、公演ポスターも作ります。同年、MOMAにも作品がパーマネントコレクションとして収蔵されるなど、認められるのも早かったようです。ハイレッドセンターに参加したり、Y字路を撮影した写真集も出版したり、多彩な才能を発揮し活躍します。グラフィックだけにその勢いはおさまらず、46歳で「画家宣言」とみなされるペインティングやドローイングの発表をし、その作品の幅をさらに広げます。

赤ちゃんも食い入るように見ていました。
さて、全体を通して改めて思ったのは、結構性的な描写が多いな、という点です。(実際、カーテンで仕切られた別室がありました。)裸の女性がガンガン出てくる。裸体を描くことは西洋美術の基本の1つですが、ここまで多いとは思っていなかったので、へ〜と思いました。最近、裸体を題材にする作家は、写実や写真の作家を除くと、あまり思いつかないですよね?この傾向は別途考察してみる必要があるかもしれません。。

ポスター作品

グイグイ鑑賞者を惹きつける魅力に溢れた横尾作品ですが、今回、美術館の常設展の内容が「11人のポップ・アーティスト」でポップアートの作家作品(ウオーホル、リキテンシュタイン、ジム・ダイン、トム・ウエッセルマン)のシルクスクリーン作品を紹介しており、そちらも併せてご覧になると、横尾作品との比較もできて、興味深いと思います。ポップアートはなぜ「アート」と呼ばれ、なぜ、横尾作品のシルクスクリーンは「グラフィック作品」とも言われるのか?商業が絡んでいるからなのか?線引きする必要性はどこまであるのか?カテゴライズしないと不都合なのは誰なのか?等々、考えさせられるよい機会でした。

版画美術館は、閑静な自然の中の、リラックスできる場所にあります。公園と隣接しているので、お子さんと一緒に行くのもアリですね。お勧めします。

横尾忠則 HANGA JUNGLE
2017年6月18日(日)まで
町田市立国際版画美術館にて
平日 10:00~17:00 (入場は16:30まで)
土・日・祝日 10:00~17:30 (入場は17:00まで)
小田急小田原線町田駅、JR横浜線町田駅より徒歩15分。
バスでもいけます。詳しくは公式ホームページをご覧ください。

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