美の法門展ー日本民藝館へ
日本民藝館にて開催中の「美の法門ー柳宗悦の美思想」展へ1月10日に行ってきました。初日が9日ですから、珍しく会期2日目にしての訪問ができました。日曜でしたが、幸運にも空いており、有り難い事に、ゆっくり鑑賞できました。(多分ですが、「西洋の民芸」コーナーが2月5日からからの展示なので、そのためもだったのかもしれません)
「法門」とタイトルにあるように、この展示は、仏教美学の観点から構成された展示でした。名もなき職人が作ったものが、何故、この上もなく美しいのか、という長年の柳の疑問は、「大無量寿経」を読んでいる時にひらめいたそうです。
「たとい我れ仏を得たらんに、国の中の人天、形色同じからずして、好と醜とあらば、正覚を取らじ」
仏教は門外漢なので、現代語訳は遠慮するとして、正覚というのは仏教用語での悟りのこと、柳はこの、人天を器物におきかえ解釈したそうですが、平たく言うと、物々を「美しい、醜い」というのは人間の後付けであり、「本来は、美も醜もない」という意味のようです。これは、「うまい、へた」という概念も同じかもしれません。
17世紀、江戸時代の大津絵の阿弥陀如来の像、室町時代の築島物語絵巻もありました。築島物語絵巻はいつ見てもすごい絵巻です。柳は「直感、つまり知識で見るのではなく純粋に見よ」と言っていたそうですから、このような解説を読まず、頭を空にして観るとよいかと思います。(と、最後に書くのはどうかなと思いますが、、ご容赦あれ)