没後100年 宮川香山展ーサントリーミュージアム

欧米を感嘆させた、明治陶芸の名手(ファンタジスタ)。
2016年2月24日(水)~4月17日(日)
10:00~18:00 (金・土は10:00~20:00)
火曜日休館(4月12日は開館)
サントリー美術館
東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階
宮川香山(みやがわこうざん)展



写真を見ても分るように、これは飛び出す!陶芸です。飛び出すだけではなく、壷を凹ませて、中に細かい細工を入れこんだりと、芸が細かい。これらは「高浮彫(たかうきぼり)」というそうです。明治の作家ですが、不勉強で詳しく知らず、今回初めてまとめて作品を見る事ができ、よかったと思っています。

当時、輸出用であった薩摩焼の金襴手は、金の海外流出を招くとされ、高浮彫(たかうきぼり)が政府により推奨されていたという政治的な側面もあったそうです。

工芸、そして陶芸というと、絵画や彫塑と比べるとどうしても華やかさにかけると思われがちですが、現代では、ターナー賞を受賞した、グレイソン・ペリーのすばらしい風刺のきいた陶芸作品を始め、可能性を秘めたジャンルないし、手法として注目は常にあると思います。そういう意味では、香山の陶芸は、作品に込められた意味だとか、社会へのメッセージ、というものはありませんが、その手法や、純粋な造形だけで、ものすごいインパクトが現代的にもあると思いました。

作品の中には、河鍋暁斎の絵を参考にしたものや、鳥獣戯画のようなものもあったりと、日本画的に、先達の図案を手本としているものもありました。ただのインパクトのある陶芸ではなく、深く読み解くと、色々な読み方ができるとも思いました。

4月17日迄です。
上の写真もそうですが、フラッシュなしで一部撮影できるコーナーがありました。

そのあと、大阪市立東洋陶磁美術館(4月29日-7月31日)、瀬戸市美術館(10月1日-11月27日)へ巡回するそうです。