生誕150年 黒田清輝 日本近代絵画の巨匠展へ

平成館 特別展示室   2016年3月23日(水) ~ 2016年5月15日(日)
東京国立博物館/月曜休館
5月2日開館、6日金曜は休館。


黒田清輝(1866-1924)の回顧展に行ってきました。生まれは1866年なので、明治維新の2年前ですね。私の記憶では、中学の美術の教科書に載っていたのは、「読書」で、上の写真の重文「湖畔」は載っていなかったと記憶しています。仏のサロンで入選したのが「読書」で、「湖畔」は日本の美術史上で西洋画を確立した記念碑的作品として評価されての重文なのでしょう。今回、初めてまとめて黒田清輝の作品群をみました。黒田の油絵は薄塗りというか、重ね重ねて描くという感じではないのですね。これも展示を観て初めて分りました。黒田は、後年、政治家になったのですね。これまた知りませんでした。日本に洋画を定着させるべく、奮戦した彼の功績はとても大きいと思います。「裸体画」が賛否を巻き起こし、良俗を乱すとし、絵画の下半分に布を被せられ展示された「腰巻き事件」は、現代の会田誠さんの展示での話を思い出させました。つまり、黒田の絵画は今こそ危険のない絵画に見えますが、明治時代にはものすごく尖った存在だったのですね。

「裸体画」は、西洋のギリシャ美術の中で発展した、肉体美をたたえる絵画の1ジャンルで、今でも美術を学ぶ人は、裸体のデッサンは必ず学び、裸体を通じて人間を正しく描くことを学ぶ訳ですが、これを「エロ」と見なすのは、人間の1つの物の見方な訳ですが、、どうも私には、同時に展示されていた、黒田の師匠にあたるコランの「フロレアル」なんかは、ちょっといやらしいと思ってしまうのですが、、皆さんはどう思われますでしょうか。そして、ギリシャとローマの彫刻には男性のものがありますが、仏で発展した近代洋画の裸体画は基本、女性がモデルですよね。何でかというと、作家が男中心だからでしょうかね。その辺、なんか偏ってるなあ、、と思わなくもないです。

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