フランスの風景 樹をめぐる物語 - コローからモネ、ピサロ、マティスまで

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東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
新宿区西新宿1-26-1 損保ジャパン日本興亜本社ビル42階)

2016年4月16日(土)より、6月26日(日)まで
休館 月曜/開館時間 午前10時-午後6時、金曜日は午後8時まで(入館は閉館30分前まで)

観覧料 一般:1200円(1000円)、大・高校生:800円(650円、シルバー:1000円 、中学生以下:無料、障害者:無料、※障害者手帳(身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者手帳)の提示によりご本人とその介護者(1名まで)は無料。※( )内は20名以上の団体料金 および前売り料金。

主催:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館、日本経済新聞社
オフィシャルサイトへのリンク
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楽しみにしていた、「フランスの風景 樹をめぐる物語」へ行ってきました!風景画は私の最も好きな絵画テーマの1つです。ロマン派からフォーヴまでの仏の風景画を集めた展覧会です。ターナーやコンスタブルの英国風景画が仏サロンで紹介され、バルビゾン派たちが戸外で自然を描く様になるまでは、風景画といえば、仏では「習作」扱いで、絵画のテーマとしては下位の存在でした。そして、絵画といえば、室内のアトリエでの作成が主で、神話や、肖像画の方がランクが上だったのですね。そういう意味では、西洋人が風景画を発見するのには、結構時間がかかった訳で、中国の絵画が山水などを主題の1つとして扱っていたことを考えると、東西の文化の違いを感じます。話が少しそれますが、「青のパティニール」として有名な16世紀のベルギーの作家ヨアヒム・パティニールこそ西洋風景画の祖だ、とする石川美子さんの本が2年前に出ました。bunkamuraでの展示も記憶に残っています。ですが、「戸外で」描き出したのは、バルビゾン派が最初なのですね。

展示は、美しい作品が多々出品されていました。ドニ、セルジェなどナビ派の風景画は独特でやっぱり好きです。個人的には、フェリックス・ヴァロットンの「オンフルールの眺め、朝」が観れてうれしかったです。ヴァロットンの絵は、やはり観てすぐ判別がつきます。強い作家性がありますよね。あと、ピサロは四男まで画家で、息子たちの作品も出ていたのが興味深かったです。ピサロはやっぱり絵がうまいですね!とベーシックな所で感心してしまいました。
フェリックス・ヴァロットン「オンフルールの眺め、朝」

あと、ジョルジュ・サンドの水彩画も出品されていました。個人的に見たのは初めてではないかと思います。なかなかうまく、驚きました。それから、ルドンの「ペイルルバードのポプラ」という作品が出品されていましたが、ルドンはコローから、「毎年同じ木を描け」と指示されていたそうです。このポプラの木がそうなのだと思いますが、この木はだんだん生き物のように描かれていったそうです。残念ながら1点しか展示はなかったのですが、ルドンならではの興味深いエピソードでした。

東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館は、入館してすぐ、新宿の風景が広がる大きな窓の部屋があり、新宿がよく見れます。ご旅行の方にもおすすめの美術館です。あと、英語の解説を紙で配っていましたので、外国人旅行者の方にもお勧めできるかと思います。

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