複製技術と美術家たちーピカソからウォーホールまで
クルト・シュヴィッタース-メルツ絵画1C二重絵画 |
作品リストが配布されていなかったので、以下公式サイトから、主な展示作家を転記しますと、
ナダール/ウジェーヌ・アジェ/パブロ・ピカソ/ジョルジュ・ブラック/アンリ・マティス/クルト・シュヴィッタース/パウル・クレー/ヴァシリィ・カンディンスキー/ライオネル・ファイニンガー/オスカー・シュレンマー/ラースロー・モホイ=ナギ/ナウム・ガボ/エル・リシツキー/フリードリヒ・フォルデンベルゲ=ギルデヴァルト/アレクサンドル・ロトチェンコ/アウグスト・ザンダー/カール・ブロースフェルト/ハンス(ジャン)・アルプ/マックス・エルンスト/マルセル・デュシャン/マン・レイ/イヴ・タンギー/ロベルト・マッタ/ジョゼフ・コーネル/ヴォルス/ロバート・マザウェル/ロイ・リクテンスタイン/アンディ・ウォーホル/クレス・オルテンバーグ/荒川修作/斎藤義重/吉田克朗
とすばらしい作家たちの作品が観る事ができました。個人的には、タトリンの「コーナー・反レリーフ」、エルンストのとても美しいアーティストブック「マクシミリアーナ」、クレス・オルデンバーグの楽しい作品が観れたのがよかったです。
ベンヤミンの「複製技術時代の芸術」がベースとなって構成されています。そのため、横浜美術館の収蔵写真作品も多数出品されています。以下、備忘録的に、メモをまとめてみました。
1.初期の写真は、感材やカメラの技術が未熟であったため、長時間露光で撮影されていました。その「じっとレンズをみつめる眼差し」が、その人物のアウラを感じさせるとしました。(*アウラとは、オーラ=光暈と同じ言葉なのですが、ベンヤミンが定義した意味では、複製できない一回限りの芸術で、作品の中に観客が見い出しす、崇高な共同幻想のようなものーとまあ、私も学生時代に読みましたが、なかなか解釈は難しいですね。)
2. その後、写真技術が向上し、瞬間を捉える事ができるようになり、アウラは写真から失われていったとベンヤミンは言います。そして、絵画の模倣により、アウラを写真の中に作り出そうとしていった(ピクトリアリズムのような、既存の絵画のシーンを模倣したり、絵画調のテーマを撮影する写真の事だと思います。)
3.そこにアジェが登場し、自律した写真独自の手法を展開する。(=無人のパリの町並みの写真の事です。アジェは元々これを絵画の下絵として販売していたので、商売として撮影していただけなのですが。)ベンヤミンはこれを「犯行現場のような、アウラを崩壊させる写真独自の性能をアジェが初めて引き出せた」と絶賛します。
4.瞬間を捉えたマイブリッジの作品も、対象を新たに認識させる写真独自の手法であると絶賛します。
5.ダダの作品も展示されています。ダダは、伝統的アウラに基づく芸術を否定したとベンヤミンは言います。
なんだか、散漫なメモですが、展覧会の内容が少しでも伝わるといいのですが。。
会期は、2016.6.5まで。月曜休館です。
公式サイト
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