オットー・ワーグナーのウィーン郵便貯金局

オットー・ワーグナー (1841-1918) の建築シリーズ、今回が最後です。1906-12年のウィーン郵便貯金局です。「芸術は必要にのみ従う」(Artis sola domina necessitas)を体現した合理的な建物/内装です。マジョリカハウス、メダイヨン館、カールスプラッツ駅には、アールヌーボー的な要素がありましたが、郵便貯金局には特に内装にはその影が見受けられないように感じました。しかし、外観には古典的な要素はあると思いました。


屋根上に彫像があります。メダイヨン館にも彫像がありました。

上の写真で分るように、外壁に丸いビスのような意匠があると思います。これが現代的な印象を与えているように私は思いますが、どうでしょうか。

「非実用的なものは決して美しくなりえない」というワーグナーの言葉が。
この言葉、装飾の否定ともとれなくもありません。。アドルフ・ロースが彼を尊敬していたとあるので、このころには、すっかりマジョリカハウスを作ったことは否定していたりして。。。と思わせられました。

見応えありました。



この上の写真の内装を見ていると、北欧デザインの源流的な機能性を感じます。。


上の写真をみると、ちょっとアーツ&クラフツ調なものもあるような。。

と、駆け足で紹介してしまいましたが、これでオットー・ワーグナーの紹介はおしまいです。最後に、すごく彼の作品が好きになってしまったのは自分で少し意外でした。装飾的〜合理的への変遷がたどれたのがとても興味深かったのです。郵便貯金局は、MAK(ウィーン応用美術館)からも歩いて行けるので、個人的には大変おすすめです。


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