先月、ウィーンの
MAK-応用芸術美術館へ行ったときの感想です。
MAKは、工芸、建築など、応用芸術を扱う美術館です。常設展示は、アジアコレクションルーム(中国、日本、韓国)、カーペットの展示室(16-17世紀オスマン帝国時代のカーペットが中心、18世紀のフランスのSavonnerieのカーペットも。世界3大カーペットコレクッションに入るそうです。)、ロココ、バロックの家具コレクションルーム、アールヌーボーの家具の部屋(主にウィーンのもの)、レースの部屋、ウィーン1900年の部屋(アーツアンドクラフツを中心とした1890-1938年の応用美術、クリムト作品含む)といったところだったように記憶しています。
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入り口を入ってすぐのホール |
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アールヌーボーの部屋 |
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アールヌーボーの部屋 影絵を利用した展示 |
アールヌーボーの部屋では、ウィーンで作られたトーネット(曲げ木の椅子)の展示が、影絵と、実物の両方から鑑賞できる美しい展示がなされていました。キュレーションがうまいですね!
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ウィーン1900の部屋 - ホフマンの分離派展示の為のキャビネット |
ウィーン1900の部屋では1900年代界隈の、セセッション、ユーゲントシュテール、アーツアンドクラフツの紹介がなされていました。ウィーンが世紀末美術で輝いていたころの展示室です。写真は、ウィーン工房を立ち上げた、
ヨーゼフ・ホフマン Josef Hoffmann 1870-1956が、1898年第1回分離派展のアトリエのキャビネットとして作成した家具です。後にコロマン・モーザが所有したそうです。
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ウィーン1900より、ロースの室内装飾 |
上の写真は、
アドルフ・ロース Adolf Loos の、
「Corner seating ensamble from the study of Mary and Gustav Turnowsky」1900年とありました。詳しい事情が分らないのですが、装飾を否定したのに、思ったより装飾的だと思ったのですが、どうでしょうか。ロースについては、アルベルティーナ美術館2階に展示室があるのでそこを見てから発言すべきかもしれませんが。。
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ウィーン1900より、Eduard Josef Wimmer-Wisgrillの家具 |
上の写真は、私のメモによると、
Eduard Josef Wimmer-Wisgrillの家具とあります。(いいという意味で)すごく、変な家具!と思いました。実用的ではなさそうです(笑)パールの埋め込みが素敵でした。不勉強で作者と思われる、Eduard Josef Wimmer-Wisgrill (1882-1961)を知らなかったので調べたら、ウィーン工房(Wiener Werkstätte)のメンバーで、デザイナー、画家。ウィーン工房にファッション部門を設け、アメリカやドイツでも活動した。というところが出てきた情報です。。独語が読めないので情報が今1つ正しくないかもしれません。。ご容赦ください〜。
MAKのアーカイブ(独語のみ)で名前検索すると、いろいろ作品が見れます。おすすめです。
あとは、MAK design LABというデザイン関係の展示室も地下にありました。ロゴとか見せ方がかっこいい・・!
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MAK Design Lab |
2017年2月10日までは、建築家/芸術家のKIESLERの展示
「Friedrich Kiesler Lebenswelten(Life Visions)」でした。フレデリック・キースラーは、ユダヤ系オーストリア人で、「
デ・スティル」に参加し、アメリカに渡った建築家です。ロースの下で働いていたこともあったそうです。しかし、彼の建築は、ビジョンが中心でなかなか建物が建設されないことで有名らしいです。代表作「
Endless House」の資料展示もありました。現代建築の先駆けとなった点が評価されているそうです。
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フレデリック・キースラーの展示 |
じっくり見て回るのにはけっこう時間がかかると思います。私は残念ながら、アジアンルームは見る時間がなかったのですが、ちょうど今、日本の春画の企画展をしているようです。全体として、個人的には、じっくり見たい展示が多く、キュレーションを含め、魅力満載の美術館だと思いました。
火曜日の夜は6−10時までは入場無料でお得でした。郵便貯金局からもまあまあ近いです。
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MAK-夜のライトアップ |
お化け屋敷っぽい気もしますが、夜のライトアップがおもしろかったです。こういう古いものと、新しい物の共存を見せるのは、面白いですよね。MAK、おすすめです。
ウィーンの美術館シリーズ、もうすこし続きます。
しかし、またもや今月も展覧会に行けておらず。。。(涙) 鈴木其一もまだです。。なんとか行ける様にしたいです。
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