浮世絵モダーン -町田市版画美術館

町田版画美術館は、開館30周年だそうです。それを記念して、この「浮世絵モダーン
深水の美人! 巴水の風景! そして ・・・」展を開催しているのだそうです。

伊東深水「対鏡」1916年

以前も、町田版画美術館への行き方についての投稿をしましたが、何故かグーグルだと病院の前を通る道を推奨されるんですよね。で、、今更知ったのですが、町田版画美術館は、会期初日は無料なんですね!嬉しい限りです。遠方の方にはなかなか行きにくい場所かもしれませんが、遠足気分で行かれることをお勧めします。

この展覧会は、大正初期に登場した「新版画」とは何か?がテーマです。「新版画」はいつどこで命名されたのかというと、版元の渡辺庄三郎が明治末期に海外輸出用の版画を作った際に生まれた名称だそうです。(ちなみに、渡邊さんのお店は、今現在も銀座にあります。「渡邊木版美術画舗」です。私も行ったことがあります。手頃なお値段の浮世絵版画もあるのでお勧めです。道に面していて、多少は気軽に入れると思います。少なくとも、メゾンエルメスよりは入りやすいと私は思いました。)

浮世絵版画は、実は、明治以降、石版画、印刷術、写真など他の複製技術により落ち目となっていたそうです。そこへ浮世絵などに興味があって来日した西洋人作家のフリッツ・カベラリの作品を、渡辺庄三郎が樋口五葉に参考として見せ、洋画風の新版画が生まれるきっかけとなります。一方、洋画の流れを汲まない、日本画系統の新版画も同時期に発展したそうです。そしてそれらは混ざり合い、新しい表現となっていきます。

有名どころだと、近年再評価がすすむ人気作家は、美しい日本の光景を描く川瀬巴水、海外の景色も描く「山」に定評のある吉田博、余白に美を感じさせる小村雪岱、そして妖艶な女性画と異国情緒が混ざり合った橘小夢といった面々でしょうか。この人気作家たちは、この展覧会でももちろん見ることができました。(小村雪岱橘小夢は、展覧会を見逃していたので見れてラッキーでした。橘の版画は、なんとも70年代の少女漫画家が手本にしたかのような、怖美しさが満載でした!)


小早川清-近代時世粧ノ内ーほろ酔ひ/1930年

小早川清は、鏑木清方門下の日本画家です。私は新版画の中では、小早川清が好きです。モダンガール風の女性たちのポップな洋装、そしてこのカクテルグラスにさくらんぼ、、すごく好みです。


今回購入したものは、川瀬巴水の「東京十二題 木場の夕暮」1920年、渡邊木版美術画廊収蔵の絵葉書でした。

購入した絵葉書
叔父が昔、木場に勤めていたので、これで手紙を書きたいと思います。

皆さんも、新版画の中に、お気にいりを見つけに、町田版画美術館までぜひ行ってみてください。常設もあり、版画の技法についての説明コーナーもあります。

版画美術館の帰りにも寄れる「町田文学館」もあります。あとは、「カフェ中野屋」も有名だそうです。私は行ったことがないのですが、並ぶほどに美味なパフェ類があるとか。和菓子屋さんが営業するカフェだそうです。参考までにどうぞ。

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開館30周年記念「浮世絵モダーン 深水の美人! 巴水の風景! そして ・・・」

2018年4月21日(土)~ 6月17日(日)
※前期(~5月20日)・後期(5月22日~)で一部展示替えがあります。
休館日、月曜日 ただし、4月30日(月・祝)は開館し、5月1日(火)は休館します。

平日10:00~17:00(入場は16:30まで)
土日祝10:00~17:30(入場は17:00まで)
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