ペギー・グッゲンハイム アートに恋した大富豪
ペギー・グッゲンハイム アートに恋した大富豪を見ました。レポが追いつかず、こんなに時間がたってしまいましたが、大変良かったです。戦後美術に興味がある方はぜひ。この映画を見た友人の中には、「ペギーはすごく残念な感じ」と語っていた人がいまして、やはりこのペギーという人物は賛否両論のすごい人物には違いないと思いました。個人的には、いいぞ!ペギー!やるじゃない!と思ったのですが、、、
さて、この「ペギー・グッゲンハイム」(1898-1979)という米国女性は、あの「グッゲンハイム美術館」でお馴染みの、グッゲンハイム家という名門一家に生まれた女性です。グッゲンハイム美術館自体は、非常に仲が悪かったとされるソロモン・グッゲンハイムという叔父のコレクションを中心に設立されたものなのですが、ペギーはその叔父の美術館の分館という形でヴェネチアの自邸を美術館にした、戦後の優秀なアートコレクターの1人でした。
(以下ネタバレあり、ご注意ください)
映画は、どうやってヴェネチアに美術館が作られていったのかを、彼女の生い立ち、人生とともに紐解いていくもので、ベースにあるのは、ペギーが認めた伝記作家により書かれた「ペギー 現代美術に恋した気まぐれ令嬢」(文芸春秋社)がベースとなっているそうです。さて、この映画の見所は、戦後の現代美術作家たちが、どのように関係し、仲間であったのか、その人間関係が1つの見所であると思います。
ペギーは肉食女子ですw
今は著名な男性作家たちの多くと恋多き関係(というかお金に多少ものを言わせた肉体関係というか)にあり、それを批判する男性評論家ももちろん当時からいたそうなのですが、多分、力のある男性が当時していたことを単に女がしただけ、ということではないのでしょうか。その肉食ぶりに見ていて仰天しますが、私が一番彼女がすごいなと思ったのは、批判されてもヴェニスの自邸に皆を「快く」招き入れ(出されるワインはまずかったそうですけど、タダで供されるんですから、贅沢な話です)、批判をまるで聞いていないかのように振る舞えた、そのメンタルの強力さ、そして最後までアートをコレクションすることを諦めなかったその胆力でしょうか。。
劇作家のベケットと付き合っていたことがあり、マックス・エルンストが2番目の夫で、ジョン・ケージ、デュシャン、ポロックともベッドに入ったことがあり、、という、えーと、すごいねっていう相関関係です。実家が桁違いのお金持ちだったので、自立した女性のモデルにはならないと思いますが、、好きなことをして自由に生きた女性ですね。
戦後美術に関心のある方には、大変オススメです。
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