後期ルノワール - 大水浴図、覚え書き

ルノワール,大水浴図
イタリア旅行後、古典の普遍、永遠性に目覚めた彼は、大水浴図を1887年に描く。

鉛白(えんぱく)を布の目が見えなくなり、表面がすべすべするまで何重にも下絵として塗り重ね、トレペに書いた下絵を上からなぞって複写し、パレットで絵の具を混ぜ合わせ、絵の具はものすごく薄めで裸婦を描く。背景はウエットオンウエット、カンバス上で絵の具を混ぜ合わす印象派の手法で塗る。これにより、図が浮き上がるように見える。(1887、大水浴図、フィラデルフィア美術館蔵)

追記:ルノワールの後期は持病のリウマチとの関連無くしては語ることはできない。手に道具を縛り付けて描くこともあったというのは有名なエピソードである。描写の変化はリウマチとの関係も踏まえて語らねばならないだろう。