ルドンー秘密の花園 FLORE D'ODILON REDON -三菱一号館美術館

三菱一号館美術館で5月20日まで開催中の、『ルドンー秘密の花園』展へ行って来ました。

オディロン・ルドン(1840-1916年)は私の好きな西洋画家5人に入ります。ルドンの絵画といえば、何を思い浮かべるでしょうか。グーグルでイメージ検索をしてみると、半分ほどが、一つ目の巨人、顔のある蜘蛛、目玉の絵といった、ホラー的なイメージが出て来ます。残り半分が、暖色の花のイメージでした。今回は、その「花」にスポットを当てた展覧会で、ハイライトはドムシー男爵の城内装飾(食堂)の再現コーナーであると思いました。


グラン・ブーケ 1901年/パ ステル

上の「グランブーケ」は大変大きな作品で、これは三菱一号館の所蔵作品で、今までにも観たことがありました。この作品はもともとドムシー男爵の城にあったそうです。

1840年に生まれたルドンは、モネ、ロダン、ゾラと同い年だそうです。そうそうたるメンバーが同期ですね。セザンヌは1歳年上の1839年生まれ。写真のゲダレオタイプが発明されたのも39年、翌40年は中国でアヘン戦争が始まった年だそうです。

ルドンは、エッチングなどの版画で画業のスタートを切ります。この時期に、有名な顔のある蜘蛛の版画などが作成されます。そして、次に、色彩豊かな油彩の作品が認められ、その頂点にドムシー男爵の城内装飾の仕事があるという展示構成の流れになっていました。

ルドンの絵の魅力は、花の場合は、色彩の豊かさ、そして時に出現する(奇妙な、もしくは幻想的な)余白にあるように個人的には思います。ルドンには、傑出した画力が初めからあるようには思えないのですが、その不器用とも思える画風が、やはりルドン以外にはない唯一無二のスタイルを生んでいるように思います。

この展覧会は、ルドンの「花」に焦点を当てた世界初の展覧会だそうです。鑑賞の価値は大いにあると思います。

オジーヴの中の横顔」制作年不詳

今回購入したものは、上の写真のポストカードと缶バッジです。缶バッジに隠されていますが、絵の右側には植物が描かれています。今回、ルドンのキャンバスバッグなんて滅多に手に入らないなあと思いつつ、迷いましたが買いませんでした。


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