顔真卿 王羲之を超えた名筆展へ

書道「だけ」の展覧会へ行くのは、多分生まれて初めてだったように思います!

思ったより、よかった!というのが素直な感想です。
書道の知識が浅いこともあり、音声ガイダンスのサービスを聴きながらまわってみました。


まずは、顔真卿による楷書をご覧ください〜。(千福寺多宝塔碑、752年)大変、力強く、明瞭で「これが楷書だぜ!!」という雰囲気にあふれる字ではないでしょうか?素人目ですが、美しく強い筆跡に打たれました。

顔真卿(がんしんけい、709–785)は中国の盛唐時代の書家であり政治家でした。高校時代に世界史で習った記憶があります。当時の山川出版から出ている世界史用語集を確認したところ、きちんとアンダーライン(きたなくて失礼〜)がひかれておりましたw ちなみに、この用語集の名前のあとにのっている「14」という数字は、どれだけの教科書に出ているか?という意味でマックスは確か15。顔真卿はかなり重要な人物とされています。

山川の世界史用語集より

ガンさんってすごい名前です。名前のインパクトがすごくて覚えていたのかも。でも本当は「YAN」さんと読むんですね!知らなかった〜。ガンとヤンではかなり印象が違ってきてしまいますが。。

顔真卿はルールを固守する融通のきかない人であり、それが原因で地方に11年間も左遷されたり、中央に戻りまた出世したり、また安史の乱を予測し、顔一族をひきいて立てこもりの攻防戦を繰り広げたりと、政治と密接にむすびついた人物でもありました。今回の展示では、中国の歴史の中では、「政治と書」がいかに深く結びついてきたかということもよくわかりました。



上の写真は、日本初公開、故宮博物院より来日した、顔真卿、758年の「祭姪文稿」(さいてつんぶんこう)です。(*こちらは閲覧に30分ほど並びました!展示に行く予定の方はご注意ください)

最初は丁寧に書いていますが、そのうち筆致が荒く、感情が入り込んでいくかのように書きなぐるように変化していきます。

これは、安禄山の反乱により、顔一族の連絡役をつとめた姪の顔季明(がんきめい)が反乱軍により殺害された、その死を悼むための文章だそうです。

顔真卿の熱い性格が伝わる書だと思います。

この展示では、顔真卿だけではなく、篆書、隷書、楷書と書の歴史を追い、王羲之、欧陽詢、虞世南、褚遂良など様々な作家を紹介していました。また、日本の書への影響も紹介されており、なるほど、日本に書がつたわるとこうなるのか、、と思わせて、とても面白かったです。

最後に、展示で頻出したていた「拓本」ですが、石碑に和紙をあてて、擦りとる、というコンセプトはなんとなく理解していても、あれ、文字ってなぜ反転してないの???と思いまして、調べてみました。


石碑>紙>インク

の順に載せるんですね。思えばインクを石碑に直接つけるわけがないですね〜。


今回買ったものは、マスキングテープです。
漢字のマステってあんまりみないなと。。
書のデザインのトートバッグもとてもユニークでおすすめです!!

2019年1月16日(水)―2月24日(日)東京国立博物館 平成館にて

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