2024年10月に見たい展示・美術館・博物館・ほか

 10月なのに暑い日々が続いていますが、芸術の秋が始まり各地でいろいろなイベントが企画されているようです。気になった展示をリストにしてみました。

<北陸>

GO FOR KOGEI  (リンク先へ飛びます)

2024年10月20日まで。富山県富山市(岩瀬エリア)、石川県金沢市(東山エリア)

GO FOR KOGEI のサイトより

国立工芸館が石川に移転してからというもの、北陸を工芸の聖地にしようという流れの一環でしょうか。伝統技術が継承されている場所の1つでもあり、聖地にふさわしい場所だと思います。富山でも開催されるので海の幸を楽しみつつの鑑賞旅行ができそうですね。なお、チケットは有料です。詳細は公式サイトをご覧ください。

<中部>

底に触れる 現代美術 in 瀬戸 (リンク先へ飛びます)

2024年11月4日まで開催中です。来年開催される国際芸術祭「あいち2025」のプレ事業として焼き物のまち、瀬戸市のまちなかで開催される展示イベントです。陶芸の展示ではなく、現代美術のイベントです。無料で全て見れるようです。

合わせて瀬戸市美術館にて、「瀬戸染付展」も11月24日まで開催しています。併せて鑑賞したいところです。

<関東>

家族向けにもおすすめなのが以下の2展です。

1.いわいとしお×東京都写真美術館「光と動きの100かいだてのいえ」(リンク先へ飛びます)(B1F 展示室)



11月3日まで開催中。筆者は10月1日の都民の日に足を運んできました。19世紀の映像装置(カメラの元祖となった装置の数々)とメディアアートをつなぐ、見ることを技術化し、芸術化していった人の営みがまとめて展示されているような展示でした。いわいとしおさんの見ることへのマジックアートと言いますか、根源的でありながら独創性ある展示で大人も子供もとても楽しめる展示でした。

2. 「高山植物~高嶺の花たちの多様性と生命のつながり~」(リンク先へ飛びます)国立科学博物館(東京・上野公園)2024年11月4日まで開催中。

「高嶺の花」というサブタイトルが素敵です。ポスタービジュアルも目を引くデザインです。私の周りにも山を趣味にされている方がたくさんいて、時々聞いたことがないような植物の名前を教えてもらうことがあります。秋の行楽シーズンに向けて見て見たい気持ちにさせる展覧会だと思います。

その他にも展示やイベントが目白押しです。

この秋の東京での展覧会の目玉は、実は「ハニワ」かもしれません。東博近美で埴輪の展示が同時期に開催されます。埴輪好きにはたまらない秋になると思います。

ハニワと土偶の近代ー国立近代美術館

1.ハニワと土偶の近代  (公式サイトへ飛びます)  東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー 2024.12.22まで ハニワは何故ここまで愛されキャラクター化されてきたのか?近代絵画においていかに受容されてきたのかを考える展覧会です。展覧会の公式X

一方、東博は歴史的な側面にスポットを当てた展覧会が開催されます。

2. 挂甲(けいこう)の武人 国宝指定50周年記念 特別展「はにわ」(公式サイトへ飛びます)平成館 特別展示室 :2024年10月16日(水) ~ 2024年12月8日(日)

挂甲(けいこう)とは、古代のよろいの一種で騎兵用の武具

国宝「埴輪 挂甲の武人」が国宝指定されてから50周年を迎えたのを記念し、全国各地から約120件の選りすぐりの埴輪が集結するまさに「埴輪祭り」が開催されるとのことです。

3. T3 PHOTO (リンク先へ飛びます)2024.10月5日〜27日、会場:東京・八重洲、日本橋、京橋エリアの屋内、屋外会場(一部有料会場あり)

写真のフェアとフェスを兼ねたイベントです。昨年も開催されていたように思うのでアニュアルなのでしょうか。筆者はまだ行ったことがないので、今年は行ってみたいと思います。

4. 「開発好明 ART IS LIVE―ひとり民主主義へようこそ」展 (リンク先へ飛びます)東京都現代美術館(開催中、11月10日まで)

開発好明(1966-)の大規模個展が開催中です。コミュニケーション、日常を扱った「あなたと僕とでつくる展覧会」とのことです。

5. 没後30年 木下佳通代展 (リンク先へ飛びます)2024.10.12 (土) - 2025.1.13 (月・祝)  - 埼玉県立近代美術館

大阪中之島美術館との巡回展。関西を拠点に活動した美術家・木下佳通代(1939-1994)の初の大規模な回顧展です。ここ10年ほど、70年代の現代美術作家が続々再発掘されていますね。その一環であると思いますが、もっと早くご本人が存命のうちに開催されていたらと思います。彼女が参加していた神戸で結成された前衛美術集団・グループ〈位〉とはどういうグループなのか。60年代は今でいうところの「アーティスト・コレクティブ」が盛んな時代です。関西といえば〈具体〉が有名ですが、他にもたくさんのコレクティブがあったのですね。

木下は作品で「存在」とは何かを考えた作家とのこと。大変気になる展覧会です。

6.「松谷武判 TAKESADA MATSUTANI」 展  2024年10月3日(木)-12月17日(火) - 東京オペラシティアートギャラリー

具体〉の生き証人、松谷武判の回顧展です。1937年大阪生まれなので、木下佳通代より2歳年上の87歳。具体の第2世代、パリに移住しそのままアトリエを構え、以降58年も日本と行き来しつつ、フランスに在住。具体からスタートしその画業はどう変遷していったのか。評論家、美術館が、60年代、70年代の作家の評価を定める大詰めに来ている気がしますね。こちらも見逃せない展覧会です。TOKYO ART BEATに興味深いインタビューが記載されています。興味がある方は、ぜひこちらも併せてお読みください。

6.さらに装飾をひもとくー日本橋の建築・再発見 (リンク先へ飛びます)2024年9月14日(土)- 2025年2月24日(月・休) - 日本橋高島屋史料館 TOKYO 4F 展示室

日本橋のタウン誌『月刊 日本橋』で連載中の五十嵐太郎氏の「日本橋の建築装飾」のタイアップ的企画。2020年に開催された展示の続編に当たるそうです。日本橋高島屋史料館 TOKYOは本当に質のいい展示を毎回展開してくれて(しかも無料です)足を伸ばしてでもみたい展示が多いです。毎回、造作も丁寧で本当におすすめです。

あとは、記事にしましたので割愛しますが、ルイーズ・ブルジョワ展はやはりおすすめです。

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