開発好明 ART IS LIVE ―ひとり民主主義へようこそ - 東京都現代美術館
開発好明 ART IS LIVE ―ひとり民主主義へようこそーを見に、東京都現代美術館へ行ってまいりました。開発好明(かいはつ・よしあき 1966年〜)はその活動の初期より、鑑賞者とのインタラクティブなやり取り、タイトルにもあるようにまさに「ライブ」な交流を作品に溶け込ませた作品群で知られる現代美術作家です。都内美術館での初めての個展とのことで、見るべき展示としてリストに入れていたのですがレビューが遅くなってしまいました。
筆者は、開発さんという表札がある家の近くを一時期よく歩いていました。その表札を見るたびに「開発さん・・developmentさん・・」となぜか毎回唱えてしまい、苗字の持つパワーに感心しながら通り過ぎておりました。芸術家は「開発」の苗字に相応しい職業のような気がします。前置きが長くなりましたが、大人も子供も楽しめて、考えさせられたり、ちょっと幸せになれる展覧会です。おすすめします。
《発泡動物園 in MOT》2024年 |
上の写真は梱包材に使われている発泡スチロールを組み合わせた新作です。よく見るとなんと竹串で止められているのでした。全て解体して分解でき収納でき、別の形にも再利用できるというエコな立体物なのだと思いますが、廃材が楽しく美しいオブジェに変身していてそのアイデアに脱帽です。
上の写真の壁の桟の上には作品を作った際に出た、作品の部分である切れ端のオブジェが並べられています。その1つを鑑賞者は持ち帰ることが許されていて、その場で作者にメールをしエントリーの旨を告げ、自宅にてオブジェを撮影し作家にメールで写真を送付、作家からはシリアルナンバーが送られてきます。そして、作家に送付した写真を削除して「オブジェと写真の交換」が完成するという参加型プロジェクトが開催されていました。(筆者も参加し、開発さんよりシリアルをいただきました。)
上の写真の《未来郵便局》こちらも参加型のプロジェクトです。1年後の自分に葉書を送れるという、タイムカプセル的な少し懐かしい感じのするプロジェクトです。こういう企画ってなんか昔どこかであったような・・・でも実際にはやったことはないというタイプのプロジェクトではないでしょうか。1年後の自分について考えることも、あるようなないような。不思議な参加型プロジェクトでした。
《政治家の家》2012年〜 |
本当にたくさん作品が展示されていて、紹介しきれぬ程ですが、ほっこりプロジェクトだけではなく、2012年からの継続したプロジェクトでは、福島に赴き《政治家の家》という建物を原発20キロ圏内に建て、治家750名に招待状を送り未来の政権について福島で語り合う場所を作った、という現在も継続中の政治的なプロジェクトもありました。
《巨大オマージュシリーズ》2016年より |
2024年11月10日までと会期の終わりが迫ってきていますが、ぜひ足を運んでみて下さい。
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