MOTアニュアル2024 こうふくのしま - 清水裕貴、川田知志、臼井良平、庄司朝美
坂本龍一展と同時に開催されている、MOTの現代美術作家を紹介する企画展示を見てまいりました。今回でアニュアルも20回を迎えたそうです。今回は「こうふくのしま」と命名されていますが、この「こうふくのしま」は国吉康雄の絵画のタイトルにちなんでいるそうです。収蔵品からお題を得て展覧会に絡める、アーティゾンのジャムセッションシリーズもそうですが、最近こういった従来の美術史の定義を超えた「お題もの」が増えてきているように感じます。興味深いです。
さて、本題のグループ展「MOTアニュアル」、参加作家は、清水裕貴(写真、映像)、川田知志(フレスコ)、臼井良平(インスタレーション)、庄司朝美(絵画)の作家4名が参加していました。
最も印象深かったのは、臼井良平です。彼は実際に街角を見かけた光景を写真に撮り、それをベースにガラスでオブジェを制作、その落ちていた環境をインスタレーションで再現する、という手が込んだやり方で作品を作っています。
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臼井良平 |
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庄司朝美 |
タブレットに製作過程を映像化したものも展示されていました。
少しだけ、中園孔二のような不気味さも感じられるような・・気がしました。また、アクリルに描いていた時と印象が変わってきているようにも。今後どう変化していくのか、楽しみな作家です。
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川田知志 |
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清水裕貴 |
清水裕貴の作品です。大連をテーマにしてそのある海岸の歴史をリサーチした作品でした。ライティングが美しい展示です。歴史的なリサーチを写真作品に取り込む手法は近年増えてきたように思いますが、清水はさらにそこに「物語」を作って作品を展開する点が独自です。展示スペースではその物語の朗読が聞けました。意欲的な写真作品でした。
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「こうふくのしま」国吉康雄 |
会期:2024年12月14日(土)- 2025年3月30日(日)
東京都現代美術館
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